結論から言うと、焼肉店の客単価を上げたいと思っているなら、まず「今の客単価がなぜそこで止まっているのか」を数字で把握することが先決です。コンサルタントに相談するのも教材を買うのも、その後でいい。
先日、焼肉店を経営されている40代の男性オーナーさんからこんな相談をいただきました。「月商は420万円くらいあるんですが、なかなか手元に残らなくて。客単価を上げようとクーポンをやめたら、途端に来店数が落ちてしまって…」
この話、思い当たる方は多いんじゃないかと思います。ポータルサイトのクーポンで集客してきた焼肉店が、いざ単価を上げようとすると「お客さんが来なくなる恐怖」に直面する。でも実は、問題はクーポンをやめたことではなく、クーポン以外の集客の仕組みを持っていなかったことにあります。今日はその整理の仕方を、チェックリスト形式でお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 客単価が上がらない本当の原因を数字で診断する方法
- ポータルサイト依存から抜け出すための3ヶ月ステップの全体像
- 値引きせずに客単価と来店数を同時に伸ばした焼肉店の実例
- コンサルに相談する前に自分で整理しておくべき5つのチェック項目
こんな方におすすめ
- ✅ 月商はあるのに手元にお金が残らないと感じている焼肉店オーナーの方
- ✅ ホットペッパーや食べログのクーポン客ばかりでリピートにつながらない方
- ✅ 客単価を上げたいが、値上げしたらお客さんが離れると不安な方
- ✅ 自力集客(Google・LINE・SNS)をやったことがなく、何から始めればいいか分からない方
- ✅ コンサルや教材を検討しているが、まず自分でできることを整理したい方

目次
客単価が上がらないのは「価格」の問題ではなく「仕組み」の問題
焼肉店のオーナーさんから客単価の相談を受けるとき、多くの方が「メニューの値段を上げればいいんですよね?」と聞いてきます。でも、そこから入ると高確率で失敗します。
客単価が低い理由は、大きく3つに分かれます。
- ①注文点数が少ない(1人あたりの皿数が少ない)
- ②ドリンクの追加注文がない(水・ウーロン茶で済まされている)
- ③クーポン利用の割引額が単価を押し下げている
この3つのどこが原因かを数字で把握しないまま「客単価を上げたい」と言っていても、対策が的外れになります。まずは自分のお店の数字を棚下ろしするところから始めましょう。
チェックポイント1:1人あたりの注文皿数を把握していますか?
焼肉店の場合、来客1人あたりの平均注文皿数が分かると、単価アップの入口が見えてきます。週1回、日曜の閉店後に「今週の注文数÷来客数」を計算するだけで構いません。多くの焼肉店では、この数字を把握していないまま感覚で動いています。
✅ ポイント:注文皿数が少ない場合は、値段より「何を追加注文してもらうか」のメニューブック設計(POP・写真・コピー)を先に見直す。価格を上げる前に皿数を増やす方が抵抗が少なく、お客さんの満足度も上がる。
チェックポイント2:ドリンク比率を計算したことがありますか?
売上全体に占めるドリンク売上の割合(ドリンク比率)は、焼肉店では15〜25%が一つの目安です。これが10%を下回っている場合、フード単価をどれだけ上げてもドリンクで損をし続けます。
✅ ポイント:ドリンク比率が低い店は、まず「最初の1杯」を取りやすくするメニュー構成(おすすめドリンクのPOP、コース設計へのドリンクセット組み込み)から手をつける。
チェックポイント3:クーポン利用率と割引総額を月次で把握していますか?
ポータルサイト経由のクーポン利用率が30%を超えているなら、それだけで客単価を数百円単位で押し下げている可能性があります。月のクーポン割引総額を出してみてください。それが毎月の「見えない損失」です。
✅ ポイント:クーポンをいきなりやめると来客が激減する。だからこそ「クーポンに頼らない集客の仕組み」を先につくり、そちらが安定してから段階的にクーポン依存を減らすのが正しい順番。
✓ ここまでのポイント
- 客単価アップは「値上げ」より「注文皿数・ドリンク比率の改善」から始める
- クーポン利用率と割引総額を月次で把握することが、現状診断の第一歩
- クーポン依存から抜け出すには、先に「代わりの集客経路」を作ることが不可欠
注文皿数・ドリンク比率・クーポン割引総額を把握したら、次は「どの順番で手をつけるか」が問題になります。小冊子では「なぜ新規集客を最初にやってはいけないのか」と「取り組む正しい順番」を章立てで解説しており、今回のSTEP1〜3の背景にある考え方をより深く理解できます。完全無料で、メールアドレスのみで受け取れます。
「クーポンをやめたら客が来なくなった」「広告費を払っているのに手元にお金が残らない」——この記事を読んで、自分のお店のどこにボトルネックがあるのか、なんとなく見えてきたのではないでしょうか。その「なんとなく」をもっと具体的な診断に変えるための無料小冊子『顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書』では、お客さんの行動を8ステップに分解して、今日からできる手順を解説しています。メールアドレスだけで、30秒で受け取れます。
ポータルサイト依存から抜け出す3ヶ月ステップ
「ホットペッパーをやめたら新規客がゼロになる」という恐怖、よく分かります。でも考えてみてください。ポータルサイトに月5万・10万円払い続けながら、クーポン客がリピートしないなら、その費用は「集客費」ではなく「永遠にかかり続けるコスト」になっています。
いきなりやめろとは言いません。でも、別の集客経路を育てながら、依存度を下げていくことはできます。私が全国の焼肉店オーナーさんに伝えている順番はこうです。
集客改善 STEP 1
1ヶ月目:店内販促を整える(今いるお客さんの単価を上げる)
新規集客の前にやるべきことがあります。今来てくれているお客さんに、もう1品・もう1杯注文してもらえる店内の仕掛けを作ること。具体的にはメニューブックの構成見直し、テーブルPOP(「本日のおすすめ」「〇〇と相性抜群の一品」など)の設置、スタッフが自然に追加提案できるトークの整備です。この段階では広告費ゼロで単価改善が狙えます。
⚠️ よくある失敗:「まず新規を増やしてから」と考えて店内販促を後回しにする。新規が増えてもリピートしない・単価が上がらない状態では、広告費が増えるだけで利益は改善しない。
集客改善 STEP 2
2ヶ月目:リピート率を高める仕組みを作る(LINE・顧客リスト)
LINE公式アカウントの友達追加を促し、来店のお礼メッセージ・次回来店のきっかけになる情報を配信します。ここで重要なのは「クーポン配信」ではなく「お店のこだわりや新メニューの情報」を届けること。値引きせずに「また行きたい」と思わせる関係を作るのが目的です。顧客リストができれば、ポータルサイトに頼らなくてもお客さんに直接アプローチできる資産になります。
⚠️ よくある失敗:LINE登録を促す声かけをスタッフに任せきりにして、登録数が伸びない。レジ横にQRコードを置くだけでは限界がある。「登録してくれた方にお礼のメッセージをお届けします」など、登録する理由をお客さんに伝える工夫が必要。
集客改善 STEP 3
3ヶ月目:Google広告・Googleビジネスプロフィールで新規集客を始める
STEP1・2で店内の単価が上がり、リピートの仕組みができてから、初めて新規集客に投資します。Googleビジネスプロフィールの最適化(写真・営業時間・口コミ返信)は無料でできます。Google広告は月3万円程度からでも始められ、「焼肉 〇〇市」「誕生日 焼肉 〇〇」といったキーワードで検索した人に直接アプローチできます。
⚠️ よくある失敗:広告を出しても誘導先(ホームページやLP)の情報が古い・薄い。「1人利用向け」「宴会・記念日向け」など、ターゲット別のページを用意することで広告の効果が大きく変わる。
「お店の前を人が歩いていても、その人が焼肉を食べたいと思っていなければ入ってこない。集客とは、興味のある人に届ける仕組みを作ること。そのためには、まず今のお客さんとの関係を深めることから始めるのが最短ルートです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・店舗利益最大化専門コピーライター)
焼肉店の客単価アップと集客の改善を同時に進めたい方は、飲食店の客単価アップをコンサルに依頼する際に確認すべき5つの視点も合わせて読んでみてください。相談前の整理がさらに深まります。
「値引きせずに」客単価と来店数を両方伸ばした焼肉店の話
私が関わった焼肉店オーナー(40代・男性)の方は、月商420万円から560万円へ伸ばすことができました。しかも値引きをせずにです。
「値引きせずに、客単価も客数も伸ばすことができた。最初は信じられなかったけど、順番通りにやってみたら本当に結果が出た」
焼肉店オーナー(40代・男性)
この方が最初にやったのは、新規集客ではありません。メニューブックの構成を変えて、テーブルPOPで「今日の一番のおすすめ」を伝えること。それだけで注文皿数が増え、ドリンク注文も増えました。次にLINE公式アカウントを使って「先月来てくれた方へのお礼と新メニューの案内」を配信し、再来店率が上がりました。この2ステップが安定してから、初めてGoogle広告を少額から始めたんです。
この流れが機能する理由は、売上はお客さんの購買行動の結果だからです。「知る→興味→来店→入店→注文→会計→再来店」という7段階の行動のどこかにボトルネックがある。そこを特定せずに広告費だけ増やしても、ざるに水を注ぐようなものです。
自力集客の始め方に迷っている方は、集客セミナーに参加した店主の体験談、学びより先に動いたことの記事も参考になります。「学んでから動く」より「動きながら学ぶ」ことの大切さが伝わると思います。
コンサルに相談する前に、自分で整理しておくべき5つの数字
相談をいただく焼肉店オーナーさんの多くが、「客単価を上げたい」とは言うものの、自分のお店の現状数字を把握していないまま来られます。コンサルタントに話を聞いてもらう前に、次の5つを自分で出しておくと、相談の質が格段に上がります。
チェックポイント4:月間の「クーポン割引総額」と「ポータルサイト掲載費」の合計を出してみましょう
この2つを合計した金額が、今あなたが「集客のために払っているコスト」の実態です。この金額があれば、Google広告やLINE広告に転換できる予算感が見えてきます。
✅ ポイント:掲載費+割引総額の合計が月10万円を超えているなら、それを自力集客に振り替えるだけで利益改善の余地が十分にある。
チェックポイント5:リピート率(2回目来店した方の割合)を把握していますか?
ポータルサイト経由の新規客が、2回目に来てくれた割合を計算したことがありますか。多くの焼肉店でこれが10〜20%台に留まっています。ここが低ければ、新規集客にいくら投資しても「バケツに穴が開いた状態」です。
✅ ポイント:リピート率が20%以下なら、新規集客より先にLINE・次回来店の仕掛けなどリピート対策に集中する。新規集客は「リピートの仕組み」ができてから投資する。
Googleマップや口コミ対策も自力集客の重要な柱のひとつです。まだ手をつけていない方は、飲食店のGoogleマップ対策として自店でできる基本確認の記事も見ておくことをおすすめします。意外と簡単なところから始められます。
「焼肉店の客単価アップと集客は、別々の話ではありません。リピートしないお客さんを集め続けることが、じわじわと利益を削っている。先に店内と再来店の仕組みを整えてから、新規集客に投資する。この順番が利益を残す経営の基本です」
ハワードジョイマン(有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
まとめ:相談前の「自己診断」が、次のステップを決める
焼肉店の客単価を上げたいと思ったとき、最初にやるべきことは広告でも値上げでもありません。今のお店の数字を棚下ろしして、「どこにボトルネックがあるか」を自分で把握することです。
今回お伝えした診断のポイントをまとめると、
- 注文皿数・ドリンク比率・クーポン割引総額の3つを月次で把握する
- ポータルサイト依存から抜け出すには「店内販促→リピート仕組み→新規集客」の順番を守る
- コンサルに相談する前に、掲載費+割引総額の合計とリピート率を自分で計算しておく
この3つを整理しておくだけで、相談の中身が変わります。そして何より、自分のお店の「今の立ち位置」が見えると、何から手をつければいいかが明確になります。
経営歴20年以上、全国の飲食店・美容室オーナーさんのサポートをしてきた経験から言えることは、「値引きせずに客単価も来店数も伸ばすことは必ずできる」ということです。ただし、正しい順番で、正しいステップを踏んだときに限ります。今日の記事がその第一歩になれば嬉しいです。
今回の記事でお伝えした3ヶ月ステップを、一人で進めようとすると「本当にこれで合っているのか」「次は何をすればいいのか」と迷う場面が必ず出てきます。増益繁盛クラブでは、全国の飲食店・美容室オーナーが同じ仕組みを実践しながら学ぶ環境と、ジョイマンへの直接相談の場を月額単位で提供しています。入会案内ページで会員クラスの内容と料金を確認した上で、自分に合うかどうか判断してください。