「うちのうなぎは本物だ。素材も仕込みも誰にも負けない」——そう自信を持っているのに、なぜか集客が伸びない。この悩みを持つうなぎ専門店の経営者の方から、先日こんな相談をいただきました。
「ジョイマンさん、うちは鰻の質には絶対の自信があります。でもランチもディナーも席が埋まらない日がある。SNSも始めたし、チラシも撒いた。それでも反応がイマイチで……何が問題なんでしょう」
話を聞いていくと、集客の問題より先に、もっと根本的なことが気になり始めました。「スタッフはそれぞれ何を伝えながら接客していますか?」と聞くと、少し間があいて「……それは人によって違うかもしれません」という答えが返ってきたんです。
そこだな、と思いました。集客が難しいのではなく、伝わるものがまだ整っていない状態で集客しようとしている。メニューを見直す前に、もっと手前のことを整える必要があったんです。
📋 この記事でわかること
- うなぎ専門店の集客が伸び悩む「本当の理由」とは何か
- スタッフがバラバラに動いてしまう根本原因と、その正体
- 経営者が「うちはこういう店だ」を言語化する具体的な手順
- メニュー設計・接客・販促を一本の軸でつなぐ仕組みの作り方
こんな方におすすめ
- ✅ 素材や仕込みには自信があるのに、なぜか客数が伸びないうなぎ・専門店の経営者
- ✅ チラシやSNSをやってみたが、反応が薄く続かなかった方
- ✅ スタッフが増えてから、お客さんから見た店の印象がブレている気がする方
- ✅ 「自分の頭の中にあるこだわり」をスタッフや外に伝える方法がわからない方
- ✅ 値引きやクーポンに頼らず、価値で選ばれる店にしていきたい方

目次
うなぎ専門店の集客が難しい、本当の理由
うなぎは季節感の強い食べ物です。土用の丑の日の前後は予約が入る。でもそれ以外の時期は動きが鈍い。「うちは年中うなぎを食べてもらいたいのに、どうしても丑の日頼みになる」という声をよく聞きます。
ただ、ここで「丑の日以外の集客策」を考える前に、立ち止まって欲しいことがあります。今この8月末の時期、夏の丑の日が落ち着いて、少しほっとしている経営者の方も多いと思います。その「落ち着いた時間」に何をするか、がこれからの9月・10月の集客を左右するんです。
では、なぜ集客が難しいと感じるのか。結論から言うと、多くの場合「お店の個性がお客さんに届いていない」ことが原因です。素材が良くて、仕込みが丁寧で、職人技がある。それは事実なんです。でも、それを「誰に・どんな言葉で・どの場面で」伝えているかが整っていない。
もっと言うと、経営者本人の頭の中にある「うちの店らしさ」が、外に出ていないケースがほとんどです。チラシにもSNSにも、漠然と「こだわりの国産うなぎ」と書いてある。でもそれは他の店も言っている。結果、お客さんから見たときに「どこのうなぎ屋も同じに見える」という状態になってしまう。
「伝える中身が整っていないまま、チラシやSNSをやっても反応が薄い」——まさにそこで詰まっている状態だと思います。無料小冊子『顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書』では、お客さんの行動を8ステップに分解し、どの順番で何を整えるべきかを具体的に解説しています。メールアドレスだけで、30秒で受け取れます。
スタッフがバラバラに動く、その正体
相談をくれた経営者に、もう少し詳しく話を聞きました。ホールスタッフが3人いて、厨房はオーナー含めて2人。「スタッフそれぞれが一生懸命やってくれているのはわかる。でも、お客さんへの説明の仕方が人によって違う。メニューの推し方も違う。だから統一感が出ない」と。
これ、思い当たる方は多いんじゃないかと思います。
スタッフがバラバラに動く理由は、スタッフに問題があるのではありません。「うちのお店はこういうお店で、こういうお客さんを大切にして、こういう体験を届けたい」という経営者の考えが、言葉になってスタッフに渡っていないことが原因です。
言語化されていないビジョンは、人に渡せません。渡せないから、スタッフは自分の判断で動くしかない。自分の判断で動く3人が、それぞれ「良かれ」と思ってやっていても、お客さんから見たら店の個性がぼやける。これが、接客・メニュー説明・SNS投稿まで「なんかバラバラ」に見える正体です。
「スタッフを責める前に、経営者が言語化できているかを先に確認してください。言葉にしていないことは、誰にも伝わらない。頭の中にあるだけのビジョンは、店の外に一切出ていないのと同じです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所代表)
メニューを見直す、SNSを始める、チラシを撒く——どれも大事な施策です。でも、これらは「伝える中身」が整ってから初めて機能するもの。中身のないまま器(販促ツール)だけ作っても、バラバラに届く情報がお客さんの頭の中でまとまりません。
✓ ここまでのポイント
- うなぎ専門店の集客が伸びない本質は「素材・技術」ではなく「伝える言葉と仕組みが整っていないこと」にある
- スタッフの動きがバラバラになるのは、経営者の考えが言語化されてスタッフに渡っていないことが原因
- 販促ツールより先に「うちはこういう店だ」という軸を言葉にすることが、集客改善の正しい順番
スタッフの接客がバラバラになる、メニューの言葉がお客さんに刺さらない——この根本を整えるには「伝える軸」を先に作る必要があります。無料小冊子では「なぜ新規集客を最初にやってはいけないのか」「客単価対策の具体的な見直し方」を収録しており、うなぎ専門店のようなこだわり系専門店にそのまま使える内容です。登録はメールアドレスのみ、無料です。
「うちはこういう店だ」を言語化する、具体的な手順
では、どうやって言語化するのか。私がよく経営者の方にお伝えしているのが「ビジョンボード」を作るところから始めるという方法です。難しく考える必要はありません。
チェックポイント①:理想のお客さん像が言葉になっているか
「うちのお店に来てほしいお客さんはどんな人ですか?」この問いに、すぐ答えられますか?「うなぎが好きな人」ではなく、もっと具体的に。「特別な記念日に、家族で少し贅沢な食事をしたいと考えている50代の夫婦」くらいまで絞り込めていますか?
✅ ポイント:理想の顧客像が明確になると、メニューの見せ方・接客のトーン・SNSで発信する場面のすべてが自然にそこへ向かいます。「誰にでも来てほしい」は結果として「誰にも刺さらない」になりがちです。
チェックポイント②:「うちの店ならでは」が1文で言えるか
「こだわりの国産うなぎ」ではなく、「〇〇産の天然うなぎを、創業から変えていない備長炭でじっくり焼き上げる、清水で40年のうなぎ専門店」のように、固有の事実を組み合わせた1文が作れますか?
✅ ポイント:この1文がないと、スタッフはお客さんに何を伝えたらいいか迷います。この1文があると、ホールスタッフもメニューコメントも、SNSの一言も、全部同じ方向を向けます。
チェックポイント③:スタッフと「お店の物語」を共有しているか
直接「こう説明しなさい」と指示しても、なかなか浸透しません。私がおすすめしているのは、日本昔話のように「物語」の形で伝えること。たとえば「先代がなぜこのたれにこだわり続けたか」「創業者がどんな思いでこの仕事を始めたか」を、スタッフが自分の言葉で話せるくらいまで共有する。
✅ ポイント:物語は指示より心に残ります。スタッフがお客さんに話してくれた物語が、そのままそのお客さんの「ここを選んだ理由」になります。
最近は、こうしたお店の軸をAIツールを使って「プロジェクトナレッジ」として文書化する方法も活用しています。ClaudeやChatGPTに「うちのお店の強み・顧客像・大切にしていること」を入力してまとめてもらうと、接客マニュアルも、メニューのキャッチコピーも、SNSの投稿文も、全部同じ「うちの店らしさ」から生まれる表現に統一できます。
SNS集客の始め方と、何から整えるべき順番かも、この「軸の言語化」が先にできているかどうかで、発信の精度がまるで変わります。
メニュー設計を見直したら、何が変わったか
相談をくれた経営者と一緒に、まずビジョンの言語化から取り組みました。「誰のために」「どんな体験を」「どんな言葉で届けるか」を整理した上で、メニューの構成と表現を見直したんです。
変えたのは料理の内容ではありません。メニューに載せる「言葉」です。「うな重(松)」という表記だったものを、「清水の天然うなぎを備長炭で40分かけて焼き上げた、ひと皿」という表現に変えました。値段は一切変えていません。
そうしたら、スタッフがお客さんに説明しやすくなったと言うんです。「なんて書いてあるか読めばいいから」と。メニューの言葉が軸になって、自然と接客のトーンが揃ってきた。
これが「ご利益の言葉」に変換するということです。スペック(松・竹・梅)を書くのではなく、お客さんが受け取る体験・価値を書く。それだけで、スタッフの接客も、お客さんの受け取り方も変わっていきます。
集客コンサルに依頼する前に知っておきたいことでも触れていますが、販促の手前にある「伝える中身」が整っていないまま外部に頼っても、成果は出づらい。順番が大事なんです。
「月商420万円から560万円になったのは、値引きをやめて料理の価値を正面から伝えるようにしたからです。正直、最初は不安でした。でも今は値引き競争と関係のないところで戦えている。料理への自信が戻ってきました」
焼肉店オーナー(男性・40代)
これは焼肉店のオーナーの言葉ですが、うなぎ専門店にも同じことが言えます。値引きしなくても選ばれる。そのためには、選ばれる理由を言葉にして、スタッフと共有して、お客さんに届ける仕組みを作ること。これが、メニュー設計を見直す本当の意味です。
今日から動ける、最初の一歩
「ビジョンを言語化する」と聞くと、時間がかかりそうで後回しにしがちです。でも、今日夜の閉店後に15分だけ取ってほしいことがあります。
白紙を1枚用意して、こう書いてみてください。
「うちのお店に来てほしいのは、( )な人です。その人に届けたいのは( )という体験です。うちにしかできないのは( )です」
この3つが埋まると、メニューの言葉も変わります。スタッフへの伝え方も変わります。SNSで何を発信するかも変わります。そして、お客さんから見た店の個性が、はっきりと見えてくるようになります。
集客が難しいのは、うなぎ専門店という業種のせいではありません。伝えるべき「軸」がまだ整っていないことと、その軸がスタッフと共有されていないこと。この2つを整えるだけで、今あるメニューのまま、今いるスタッフのまま、お客さんへの届き方が変わっていきます。
「何から始めればいいかわからない」という状態から抜け出すために、飲食店コンサルの料金相場と、依頼前に確認すべきポイントもあわせて読んでみてください。自分の店に何が必要かを整理するヒントになります。
ビジョンを言語化して、スタッフと共有して、メニューの言葉を変えて——やることは見えても、「一人でここまでやり切れるか」という不安は残ります。増益繁盛クラブでは、全国の飲食店経営者と一緒に実践を続ける場があり、孤独な決断を一人で抱え込まずに動ける環境が整っています。入会案内ページで中身と料金を確認した上でお申し込みいただける、月次課金制のサポートです。