「うちは土用の丑の日だけ忙しくて、あとはガラガラ……」「求人を出しても応募が来ない、来ても長続きしない」——うなぎ店を経営されている方から、こういった相談をいただくことが増えています。
うなぎ専門店には、他の飲食業態にはない固有の難しさがあります。一番の特徴は「季節の波がはっきりしていること」。そして、それがそのまま採用の難しさにもつながっているという事実を、経営者自身が見落としがちです。
この記事では、うなぎ専門店ならではの集客の悩みを整理しつつ、「採用で困らない店になるために、集客と求人の両方をどう組み立てるか」という観点から、具体的な考え方をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- うなぎ専門店に特有の集客・採用の悩みとその構造
- 「条件勝負の求人」から抜け出すための理念型求人の考え方
- お客さん集客と求職者集客に共通する「接触頻度とご利益の言葉」の使い方
- 今日から着手できる情報発信の具体的なチェックポイント
こんな方におすすめ
- ✅ うなぎ専門店を経営していて、閑散期の売上と人手不足の両方に悩んでいる方
- ✅ 求人広告を出しても応募が来ない、または来ても定着しないと感じている飲食店オーナーの方
- ✅ 「うちは料理には自信があるのに、なぜか人が集まらない」と感じている専門店経営者の方
- ✅ 値引きやクーポン以外の集客・採用の方法を探している方
- ✅ SNSやInstagramでの情報発信を始めたいが、何を発信すればいいか迷っている方

目次
うなぎ店の集客相談で必ずといっていいほど出てくる「3つの壁」
全国の飲食店経営者と話してきた中で、うなぎ専門店の相談には共通したパターンがあります。整理すると、大きく3つの壁にぶつかっていることが多い。
チェックポイント1:売上が土用の丑の日に集中していませんか?
「年間売上の3割が丑の日の前後2週間で決まる」という店は珍しくありません。それ自体は専門店ならではの強みでもありますが、裏を返すと閑散期の11か月を何でどう埋めるかが、年間利益を左右するということです。土用の丑の日に集中する構造のまま経費(人件費・光熱費)を固定費として抱えていると、繁忙期に稼いだ利益が静かに溶けていきます。
✅ ポイント:「法事・接待・記念日利用」など、通年で来店理由になりうるシーンを意識的に打ち出せているか見直してみてください。うなぎは「ハレの日の食事」として機能しやすいので、その文脈を月ごとに変えて発信することが有効です。
チェックポイント2:高単価の理由を「言葉」にできていますか?
うなぎは素材コストが高く、客単価が3,000円〜8,000円以上になることも多い。これは決して高い設定ではないのですが、お客さんに「なぜこの値段なのか」が伝わっていないと、比較検討の段階で候補から外れてしまいます。「うちは国産の〇〇産を使っているから」「職人が一尾ずつ手で開いているから」という情報は、あなたにとっては当たり前すぎて言葉にしていないことが多い。
✅ ポイント:メニューの説明文・SNSの投稿・Googleビジネスプロフィールの紹介文に、食材の背景・仕入れルート・仕込みの手間を「ご利益の言葉」に変えて盛り込んでみてください。値段の高さではなく、「この値段で得られる体験の豊かさ」を伝えることが大事です。
チェックポイント3:求人に「うちで働く意味」が書かれていますか?
これが今回、最も深く掘り下げたいポイントです。うなぎ専門店の採用は特に難しい。理由は2つあって、ひとつは「繁閑の差が激しいため、年間を通じた安定雇用がイメージしにくい」こと。もうひとつは「うなぎの仕事は技術習得に時間がかかると思われていて、若い求職者が二の足を踏む」こと。この2つが重なると、給与と休日を書いた一般的な求人広告では太刀打ちできません。
✅ ポイント:求人広告は「条件の羅列」ではなく、「この店で働くと自分はどう成長できるか」が伝わるストーリーに変える必要があります。その作り方を次のセクションで具体的に見ていきます。
✓ ここまでのポイント
- うなぎ専門店の集客課題は「季節波動・高単価の説明不足・採用難」の3つが連動して起きている
- 高単価の正当性は「ご利益の言葉」に変換することで、お客さんにも求職者にも伝わる
- 求人広告の「条件勝負」から抜け出すには、「働く意味のストーリー化」が必要
「お客さんへの発信と求職者への発信を同じ熱量で磨く」と書きましたが、その第一歩は自店の強みを言語化することです。無料小冊子では「なぜ売上が伸びないのか」の構造から、今日からできる訴求力の高め方まで8章にわたって整理しています。完全無料、メールアドレスのみで受け取れます。
「うちの店の強みを言葉にする」という作業、実はどこから手をつければいいか迷っている方が多いのではないでしょうか。無料小冊子『顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書』では、お客さんの行動を8ステップに分解しながら、今日からできる客単価対策や再来店の仕組みを具体的に解説しています。メールアドレスだけで、30秒で受け取れます。
「採用で困らない店」は、実はお客さんに選ばれる店と同じ原理で動いている
先日、鳥取県のラーメン店のオーナーさんからこんな報告をいただきました。
「GoogleビジネスプロフィールとのレビューをAIで分析したら、お客さんが評価していたのはスープの質・懐かしさ・立地の便利さでした。それをメニューのキャッチコピーに反映したら、訴求力が変わったんです。自分では気づいていなかった強みが、そこにありました」
鳥取県・ラーメン店オーナー(30代・男性)
この事例が面白いのは、「外から見た自分の強み」を言語化したことで、集客だけでなく採用にも応用できる気づきを得たという点です。お客さんが評価していることは、そのまま「この店で働く価値」を語る材料になります。
お客さん集客と求職者集客の原理は、本質的に同じです。どちらも「知る→興味を持つ→来てみたくなる」という段階を経ます。お客さんに「このうなぎ屋に行ってみたい」と思ってもらうのと、求職者に「この店で働いてみたい」と思ってもらうのは、使う言葉と届ける場所が少し違うだけで、設計の考え方は変わりません。
「採用で困っている経営者の多くは、求人票を『条件の一覧表』として書いています。でも考えてみてください。お客さんにも『価格と営業時間』だけ書いたチラシを渡して来てもらおうとしますか? 求人も集客も、相手がその選択によって『どんないいことがあるか』を伝えることが先です」
ハワード・ジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
「理念型求人」に切り替えるための4つのチェックポイント
条件勝負の土俵から降りて、「ここで働く意味」を伝える求人に変えるために、今すぐ確認してほしい4つのポイントがあります。
チェックポイント4:あなたの店は「どんなお客さんを、どう幸せにする場所か」を言えますか?
「おいしいうなぎを提供する」では弱い。「地元で50年続く老舗として、特別な日の食卓を守ってきた」「産地直送の天然うなぎで、東京では味わえない本物を食べさせる」——こういった言葉で自店を語れるかどうかが、理念型求人の土台になります。これは求人票のためだけでなく、お店のPOPやメニュー設計にも直結する言語化です。
✅ ポイント:「自分のお店は、誰の、どんな場面を、どんな価値で支えているのか」を3行以内で書いてみてください。これが全ての発信の軸になります。
チェックポイント5:求人票に「1年後・3年後の姿」が描けていますか?
うなぎ専門店で働くことを不安視している求職者の多くは、「自分はここで何を学べて、どこへ向かえるのか」が見えないことを懸念しています。「入店後6か月で蒲焼の基本技術を習得、1年後には一人前として任せる」という具体的なロードマップが求人票に書かれているだけで、応募の質は大きく変わります。
✅ ポイント:「うちは教えます」ではなく「いつまでに何ができるようになるか」を数字と段階で書く。これが「来ても続かない」を防ぐ最初の一手でもあります。
チェックポイント6:日々の情報発信で「働く現場の空気」が伝わっていますか?
求職者が応募前に最も確認するのは、求人票よりもSNSやGoogleのレビューです。「この店、雰囲気はどうだろう?」「スタッフ同士の関係は?」を確かめようとします。Instagramに職人の手仕事の様子を投稿する、Googleビジネスプロフィールにスタッフが仕込みをしている写真を載せる——こういった日常の発信の積み重ねが、求人票を出す前から「この店で働きたい」という感情を育てます。
✅ ポイント:Googleビジネスプロフィールの基本的な整備ができているかを今すぐ確認してください。写真の更新頻度・オーナーコメントの有無が、集客だけでなく採用にも直結しています。
チェックポイント7:求人の「接触頻度」を意識して設計できていますか?
「求人を出した→応募が来なかった→また出した」という繰り返しは、お客さん集客で言えば「チラシを一度入れた→来なかった→また入れた」と同じ発想です。一度見ただけで動く人はほとんどいない。繰り返し接触することで初めて「そういえばあそこの店、いつも雰囲気よさそうだな」という記憶が形成されます。求人も、日々の情報発信との組み合わせで「接触頻度」を高めることが大事です。
✅ ポイント:求人票を出すタイミングだけでなく、日常投稿の中に「スタッフ募集中」というメッセージを自然に織り交ぜる。「ストーリー投稿」で週に1度触れるだけでも、見ている人の頭の中に「あの店は人を探している」という情報が積み上がっていきます。
集客の仕組みと採用の仕組みは「同時に」育てるものです
うなぎ専門店の場合、集客の問題と採用の問題は別々に考えがちですが、実際はつながっています。お客さんに「この店の価値」が伝わる発信ができていれば、同じ発信を見た求職者にも「この店で働きたい」が伝わります。逆に、採用に苦しんでいる店は、多くの場合「自分の店の強みを言葉にする習慣」が育っていないことが根本にあります。
たとえば集客セミナーに参加して最初に動いた店主さんが口を揃えて言うのは、「自分の店の強みを整理したら、スタッフへの伝え方も変わった」ということです。集客のために言語化した「うちのお店が選ばれる理由」は、そのまま採用のストーリーになります。
「うなぎ店の求人に限らず、飲食店の採用が難しくなっている根本は、どの店も同じ土俵で戦っているからです。給与・休日・交通費支給——これは条件であって、理由ではない。『なぜこの店で働くのか』という理由を語れる店が、採用コストをかけずに人が集まる店になっていきます」
ハワード・ジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
私は創業20年・全国の飲食店・美容室経営者1万人以上のメルマガ読者と向き合ってきた中で、「採用で困らない店」になった経営者に共通することがあると確信しています。それは、「お客さんに届ける言葉」と「求職者に届ける言葉」を同じ熱量で磨いている、という点です。
うなぎ店の集客・採用、今日から動くための優先順位
「何から手をつければいいか分からない」という方のために、動く順番を整理しておきます。
❌ よくあるパターン(条件だけで戦おうとする)
- 給与・休日・勤務地だけを並べた求人票を繰り返し出す
- 求人サイトの掲載費が膨らんでいくが応募の質が変わらない
- 来てくれたスタッフも「思っていた仕事と違う」とすぐ辞める
✅ 推奨するアプローチ(理念と接触頻度で選ばれる)
- まず「うちの店は誰の何を幸せにしているか」を3行で書く
- Googleビジネスプロフィールとインスタに「職人の日常・仕込みの様子」を週1で投稿する
- 求人票に「入店後のロードマップ」を追加し、1年後の姿を具体的に描く
- お客さんへの発信と求職者への発信を「同じ媒体・同じ頻度」で設計する
一発で劇的に変わるものではありませんが、この積み重ねが半年後・1年後に「応募の質が変わった」「続いてくれるスタッフが増えた」という変化につながります。
まとめ:うなぎ専門店が「選ばれる店」になるためにやること
うなぎ店ならではの悩み——季節波動、高単価の説明、採用難——は、それぞれ別の問題に見えますが、根っこは一つです。「自分の店が提供している価値を、言葉にして届けられているか」。
値引きやクーポンで人を集めようとすると、お客さんも求職者も「条件」で判断するようになります。条件で選ばれた関係は、より良い条件が出たときに終わります。そうではなく、「この店の考え方が好き」「この店で働く意味がある」と感じてもらえる発信を積み重ねていくこと——それが採用で困らない店になる、唯一の本筋です。
今日から一つだけやるとしたら、「自分の店は誰の何を幸せにしているか」を、紙に3行で書いてみてください。その3行が、集客と採用、両方の出発点になります。
採用の悩みも集客の悩みも、「自分の店の価値を伝える言葉」がないまま動き続けることで深まっていきます。増益繁盛クラブでは、全国の飲食店・美容室経営者が毎月実践ノウハウを共有し、孤独な判断を一人でしなくていい場があります。入会案内ページで内容・クラス・よくある質問を確認したうえで、次の一歩を判断してください。