「販促をやらないといけないとは思っているけど、何から手をつければいいか全然わからない」
「チラシを1回作ったけど効果がよくわからなかった。SNSも何度か投稿したけど続かなかった」
「食べログにお店を載せているくらいで、あとはほぼ何もやっていない……」
こういう声、本当によく聞きます。全国の飲食店・美容室・小売店の経営者の方から、毎月のようにこんな相談が届きます。
販促って、難しそうに見えるんですよね。「マーケティング戦略を立てて」「ターゲットを設定して」「KPIを管理して」……そんな話になると、もう頭が痛くなってしまう。
でも実は、店舗の販促はシンプルな順番で考えると一気に整理できます。それが「3フェーズ(店内・再来店・新規)」で考えるという視点です。
今回は、この3フェーズの考え方と、実際にどう動けばよいかを具体的にお伝えします。値引きなしで売上を伸ばした全国の実践事例もあわせて紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
📋 この記事でわかること
- なぜ「新規集客から始める」と販促がうまくいかないのか
- 店舗販促の3フェーズ(店内・再来店・新規)の全体像と取り組む順番
- 各フェーズで具体的に何をすればよいか
- 値引きなしで客単価・客数を伸ばした全国の実践事例
こんな方におすすめ
- ✅ 販促を体系的にやったことがなく、何から始めればいいか迷っている方
- ✅ チラシやSNSを単発でやって効果が出なかった経験がある方
- ✅ 食べログ・ホットペッパーなどのポータルサイト依存から脱けたい方
- ✅ 「販促=値引き」だと思い込んでいて、別の方法を知りたい方
- ✅ 忙しくて販促に時間を割けないけど、仕組みは作りたい方

目次
「新規集客から始める」が失敗のもと
正直に言うと、僕自身も最初からこの順番がわかっていたわけではありませんでした。
静岡市清水区でコンサルタントとして活動を始めた当初、相談に来る経営者の方のほとんどが「新規のお客さんを増やしたい」という言葉で来られていました。そしてそのまま新規集客の話をしてしまうと、うまくいかないケースが出てくる。
その後、何百件もの店舗経営者の方を支援する中で気づいたことがあります。それは、「新規集客は販促の最後の話」だということです。
なぜかというと、考えてみてください。せっかく新規のお客さんを呼べたとして、店内でちゃんと注文してもらえていなかったら? また来てもらえる仕組みがなかったら? その新規集客コストは全部、無駄になってしまいます。
バケツに穴が開いたまま、上から水を注ぎ続けているようなものです。まず穴をふさぐのが先。それが「店内」「再来店」のフェーズから始める理由です。
「販促は新規から始めてはいけない。店にいるお客さんからいただける売上を最大化するのが、最も投資対効果の高い販促です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 代表)
フェーズ1「店内販促」――今いるお客さんに最大限喜んでもらう
チェックポイント1:メニューの並び順と表現は「お客さん目線」になっているか
メニューブックを開いたとき、一番安いドリンクから順番に並んでいませんか? 実は、メニューの並び順は注文単価に直結します。一番上に安いメニューを置けば、多くのお客さんはそれを注文します。一番売りたいメニュー、一番利益率の高いメニューを上に置くだけで、注文パターンが変わります。
✅ ポイント:メニュー名も「作業名」から「ご利益の言葉」へ変換してみてください。「ハンバーグ」より「肉汁あふれる炙り焼きハンバーグ」のほうが、選ばれる確率が上がります。料理の内容ではなく、お客さんが得られる体験・感動を言葉にするのがコツです。
チェックポイント2:POP・卓上ツールで「売りたいメニュー」を目立たせているか
名物メニューや季節のおすすめを、テーブルに置いたPOPやメニューブックの帯でアピールしているお店とそうでないお店では、客単価に差が出ます。お客さんは「教えてもらえれば注文する」のに、黙って待っているだけでは気づかれない。
✅ ポイント:POPに価格だけを書くのではなく、「このメニューはこういう人に喜ばれています」「○○産の素材を使っています」という「なぜこれを頼むといいのか」の理由を一言添えるだけで反応が変わります。
フェーズ1の考え方はシンプルです。今日来てくれているお客さんに、もう少しだけ満足して帰ってもらう仕掛けを作る。それが店内販促の本質です。
フェーズ2「再来店対策」――一度来たお客さんにまた来てもらう
飲食店・美容室・小売店を問わず、経営で一番もったいないのは「一度来てくれたのに、また来てもらえていない」状態です。
新規のお客さんを1人呼ぶコストは、既存のお客さんに再来店してもらうコストの5倍以上かかると言われています。だからこそ、フェーズ2の再来店対策は利益に直結します。
チェックポイント3:「次に来る理由」をお客さんに渡せているか
お会計のタイミングで、お客さんに「また来たい」と思わせる接点を作れているでしょうか。たとえば「2週間限定の再来店券」を渡す、次のイベント・季節メニューのお知らせをする、「次回はこれがおすすめですよ」と一言添えるだけで、記憶に残り方が変わります。
✅ ポイント:人は忘れます。再来店を促すためには「次に来る理由」を具体的に渡すことが必要です。クーポン(値引き)でなくても、「来週から始まる○○フェア」「限定10食の新メニュー情報」などの情報自体が理由になります。
チェックポイント4:LINE公式アカウントで顧客との接点を持ち続けているか
「また行こう」と思っても、人は忘れます。だからこそ、定期的に接触する仕組みが必要です。LINE公式アカウントは、登録してもらえれば直接連絡できる最強の再来店ツールです。
✅ ポイント:最初から凝った配信をしようとしなくていいです。まず「今月のおすすめ」「新メニューのお知らせ」を月2〜3回配信するだけで、接触頻度が上がり、再来店率が変わり始めます。ザイアンス効果——接触頻度が増えると親しみが増す——というのは、お客さんとの関係づくりでも同じように働きます。
✓ ここまでのポイント
- 販促は「新規集客」からではなく、「店内販促→再来店対策→新規集客」の順番で取り組む
- フェーズ1の店内販促は、メニュー構成・POP・言葉の見直しから始められる
- フェーズ2の再来店対策は、LINE活用と「次来る理由」をセットで渡すのがポイント
「和歌山県の飲食店さんで、ランチに『ハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライ』のメイン3つ同時盛りプレートを開発したことがあります。値引きは一切なし。地域にない独自コンセプトを作っただけで、月商が130万円から450万円に伸びました。販促って、値引きじゃないんです。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 代表)
「奈良県のうどん店さんでは、麺の幅を広めに変えただけでSNSでバズが起きて、SNS経由の注文が1.5倍になりました。既存のメニューをちょっと変えるだけで、差別化になるんです。特別な設備投資は何もしていません。」
増益繁盛クラブ会員・うどん店経営者(奈良県)
フェーズ3「新規集客」――仕組みが整ったら、初めての方に届ける
フェーズ1・2がある程度整ってから、はじめて新規集客に取り組みます。この順番が守れると、新規のお客さんが来たときの「受け皿」ができているので、コストが活きてきます。
❌ よくある新規集客のパターン
- ホットペッパー・食べログのクーポンで集客する→クーポン目当ての客が来てリピートしない→掲載費だけがかかり続ける
- 単発でSNS投稿するが続かず、フォロワーが増えない
- チラシを1回配布しただけで効果測定もできない
✅ 推奨アプローチ(フェーズ3の新規集客)
- Googleビジネスプロフィールを最適化し、地域キーワードで上位表示を狙う(費用ほぼゼロ)
- Google広告(月3万円〜)を「宴会用」「ランチ用」「1人利用用」とターゲット別に分けて出稿する
- LINE友達追加広告で顧客リストを積み上げ、フェーズ2の再来店対策に接続する
チェックポイント5:Googleビジネスプロフィールは最新情報に更新されているか
「近くの焼肉店」「清水区 ランチ」といった検索をしたとき、地図上に表示されるのがGoogleビジネスプロフィールです。写真・営業時間・メニュー情報・口コミへの返信——これを整えるだけで、新規のお客さんの目に留まる可能性が変わります。
✅ ポイント:口コミに返信する際、単なるお礼ではなく「○○という点を評価いただきありがとうございます。実は○○という素材を使っているんです」と一言添えると、読んだ人への訴求にもなります。鳥取県のラーメン店さんでは、口コミをAIで分析してお客さんが評価しているポイントを言語化し、メニューのキャッチコピーに活かした事例があります。
STEPブロック:3フェーズを実装する順番
販促実装 STEP 1
1ヶ月目:店内販促の見直し
メニューブックの並び順・メニュー名の言葉・POPの設置から始めます。費用はほぼかかりません。まず今いるお客さんの客単価を上げることで、売上の底上げをします。
⚠️ よくある失敗:いきなり全部のメニューを変えようとしてしまい、何も変わらないまま終わる。まず「一番売りたいメニュー1つ」の表現を変えることから始めてください。
販促実装 STEP 2
2ヶ月目:再来店の仕組みをつくる
LINE公式アカウントを開設して友達登録を促す。お会計時に「次に来る理由」を渡す習慣をスタッフ全員に共有する。月2〜3回の配信を定着させます。
⚠️ よくある失敗:LINE登録を促す声かけをせず、アカウントだけ作って友達ゼロのまま放置。入口(登録の促し方)と出口(配信内容)を一緒に設計してください。
販促実装 STEP 3
3ヶ月目:新規集客に着手する
Googleビジネスプロフィールの整備、ターゲット別Google広告の出稿、LINE友達追加広告を組み合わせて新規の入口を作ります。フェーズ1・2が整っているので、来たお客さんが再来店に繋がりやすい状態になっています。
⚠️ よくある失敗:広告を出しても「どこから来たか」の計測をしていないため、改善できない。最初からシンプルな計測の仕組み(問い合わせ時の「何を見て来ましたか?」の一言)を入れておくだけで、改善のサイクルが回り始めます。
まとめ:販促は「順番」を変えるだけで結果が変わる
店舗の販促は、難しい専門知識がなくても始められます。ただし、「順番」を間違えると効果が出ません。
繰り返しになりますが、正しい順番はこうです。
- フェーズ1・店内販促:今いるお客さんに最大限喜んでもらう仕掛けを作る
- フェーズ2・再来店対策:一度来たお客さんにまた来てもらう仕組みを作る
- フェーズ3・新規集客:フェーズ1・2が整ってから、初めての方に届ける
この順番で取り組んだ会員さんの中には、月商130万円から450万円に伸びた方、SNS経由の注文が1.5倍になった方、製薬会社向け弁当という新しい収益源で安定した売上を作った方など、さまざまな成果が生まれています。共通しているのは、「値引きをしていない」「特別な設備投資をしていない」「3ヶ月以内に効果が出た」という点です。
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販促改善の実践的な教科書として、教材もご用意しています。お気軽にご覧ください。
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https://haward-joyman.com/zhc20261001/
「どこから始めればいいかわからない」という段階の方でも、ぜひ一度のぞいてみてください。お待ちしております。