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飲食店の売上が頭打ちになった時に、最初に見直すべき3つの数字

結論から言うと、飲食店の売上が頭打ちになった時に最初に見直すべきは「客単価」「再来店率」「注文点数」の3つです。

多くの経営者の方が、売上が止まると「もっと新規客を呼ばなければ」「もっと長く働かなければ」という方向に頭が向きます。でも、時間も体力も有限です。努力の総量を増やすアプローチには、必ずどこかで天井が来ます。

本当に必要なのは「どこを伸ばせば全体が動くか」を特定すること。そのために使うのが、この3つの数字です。今回は、その見方と改善の順番を具体的にお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 売上が頭打ちになる本当の理由(努力量の問題ではない)
  2. 最初に見直すべき3つの数字とその読み方
  3. 数字を改善するための具体的なステップ
  4. 同じ店舗・同じスタッフのまま売上の天井を突破するアプローチ

こんな方におすすめ

  • ✅ 売上が数ヶ月横ばいで、何から手をつければいいか分からない飲食店経営者の方
  • ✅ 「もっと頑張るしかない」と思いつつ、疲弊してきた方
  • ✅ 新規集客に費用をかけているが、手元にお金が残らない方
  • ✅ 客単価や再来店率を数字で把握したことがない方
  • ✅ 広告費を増やさずに売上を伸ばしたい方
飲食店の売上が頭打ちになった時に、最初に見直すべき3つの数字 | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

「もっと頑張る」では売上の天井は突破できない

先日、関東圏で居酒屋を経営されている40代の男性経営者の方からこんな相談をいただきました。

「仕込みを増やして、営業時間も延ばして、SNSも始めた。それでも売上がまったく伸びない。何が足りないのか分からなくなってきた」

この言葉、思い当たる方は多いんじゃないかと思います。

実はこの状況には、共通した構造的な原因があります。業績の指標が「売上の合計金額」だけになっていて、その中身を分解して見ていないということです。

売上はざっくり言えば「客数×客単価」ですが、それだけでは「どこが弱いか」が見えません。たとえば、来店してくれたお客さんが1品しか頼まずに帰っているのか、せっかく来てくれたのに再来店につながっていないのか、それとも入口の段階でお客さんを逃しているのか——問題の場所によって、打つ手は全然違います。

努力の総量を増やす前に、まず「どこに問題があるか」を数字で特定する。これが売上の天井を突破する唯一の入り口です。

「売上が頭打ちになる経営者の方の多くは、現場でいちばん頑張っている人です。だからこそ、『まだ頑張り方が足りない』と思い込みやすい。でも本当に必要なのは、頑張る方向を変えることです。数字を分解すれば、次にやるべきことが必ず見えてきます」

ハワード・ジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)

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最初に見直すべき3つの数字

では、具体的にどの数字を見ればいいのか。飲食店の経営コンサルで前進するための相談内容でもよくご紹介しているのですが、売上が頭打ちになった時にまず手をつけるべきは次の3つです。

チェックポイント①:客単価

1人のお客さんが1回の来店でいくら使っているか、という数字です。月商÷来客数で計算できます。この数字が低いお店に多いのが、「メニューに安いものしか並んでいない」「注文を取るだけで、追加提案をしていない」という状況です。客単価が500円上がるだけで、月200人のお客さんが来るお店なら月10万円の増収になります。設備投資も広告費も不要です。

✅ ポイント:メニューの並び順を確認してください。安い順に並んでいると、お客さんは一番安いものを注文しがちです。売りたいメニューを上部に配置し、その料理の「ご利益(食べるとどう良くなるか)」を一言添えるだけで注文率が変わります。

チェックポイント②:再来店率(リピート率)

一度来てくれたお客さんが、もう一度来てくれている割合です。正確に計測するには顧客リストが必要ですが、まずは「先月来てくれた人の中で、今月また来た人は何人いるか」を大まかに把握するだけでも構いません。多くの飲食店で、新規集客には力を入れているのに、再来店の仕組みがほぼゼロという状況があります。新規客を1人獲得するコストは、既存客を1回再来店させるコストの5倍以上かかると言われています。

✅ ポイント:お客さんが「また来ない」理由は「嫌いになったから」ではなく、ほとんどの場合「きっかけがないから」です。来店時に次の来店理由を渡す(特定の曜日限定メニューの案内、LINE公式アカウントへの誘導など)を仕組みとして設計してください。

チェックポイント③:注文点数(1人あたりの注文数)

1人のお客さんが1回の来店で何品注文しているか、という数字です。たとえばドリンクの2杯目注文率、サイドメニューの注文率、デザートの注文率などを個別に確認します。この数字が低い場合、スタッフが「売り込みになるのが怖くて」追加提案をしていないケースが多いです。でも、お客さんにとって本当に合う一品を提案することは、おもてなしであって押し売りではありません。

✅ ポイント:テーブルPOPやメニューブックに「本日のおすすめ」「この料理に合うお酒」などの提案を組み込むと、スタッフが声をかけなくてもお客さんが自発的に注文します。人に任せる前に、仕組みで解決することを先に考えてください。

✓ ここまでのポイント

  • 売上の頭打ちは「努力量」の問題ではなく「どこを伸ばすか」が見えていない問題
  • まず見るべきは「客単価」「再来店率」「注文点数」の3つ
  • どれも新規集客ゼロ・広告費ゼロで改善できる余地がある

「注文点数を上げる」「再来店の仕組みを作る」という方向は見えてきたけれど、自分の店のどのステップが最も弱いかをきちんと診断したい——そう感じた方に、この小冊子の巻末ワークシートが役立ちます。自店の状況を書き込みながら確認できる構成になっています。完全無料です。

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3つの数字を改善するための具体的なステップ

数字の見方が分かったら、次は改善する順番です。ここを間違えると、いくら行動しても成果に繋がりません。

改善の進め方 STEP 1

まず「注文点数」と「客単価」を店内で整える

最初に手をつけるのは、今来てくれているお客さんからの売上を最大化することです。メニューブックの並び順の見直し、テーブルPOPの設置、スタッフへの提案トークの共有(これも仕組みで補える部分が多い)を1ヶ月で集中して整えます。ここは広告費も設備費も不要で、今週から始められます。

⚠️ よくある失敗:「メニューを全部作り直そう」と大掛かりにしてしまい、何も動かないまま時間が過ぎる。まずメニューブックの1ページ目だけ変えることから始めてください。

改善の進め方 STEP 2

再来店の仕組みを作る

STEP 1で客単価が上がってきたら、次は再来店率の改善に移ります。LINE公式アカウントへの誘導、来店周期に合わせた配信(「あなたの前回来店から3週間が経ちました」という自動配信など)、次回来店時の特典提示——こうした仕組みを1つずつ積み上げます。大切なのは、「また来る理由」を来店時に渡すことです。

⚠️ よくある失敗:「LINE登録してください」と声かけだけして、その後何も配信しない。登録者への最初のメッセージと、2回目・3回目の内容まで事前に決めてから始めてください。

改善の進め方 STEP 3

売上の収益源を増やすことを検討する

STEP 1・2で店内の数字が改善してきたら、同じ店舗・同じスタッフのままで売上の天井を突破する方法として「収益源を増やす」発想を持ちます。飲食店の宴会コースを利益率高く設計する方法や、デリバリー・法人向け弁当・物販といった「店内以外のお財布」を一つ作るだけで、売上の構造が変わります。千葉県のお好み焼き店では、製薬会社向けに朝50個の弁当受注という安定収益ルートを構築しています。これもゼロから作ったわけではなく、既存の厨房・スタッフ・仕込みの仕組みを活用したものです。

⚠️ よくある失敗:STEP 1・2を飛ばしていきなり新事業から着手し、本業がさらに不安定になる。収益源の追加は、店内の数字が安定してから動くのが正しい順番です。

「売上の変動に振り回されなくなった」という状態を作る

ここで、美容室の事例を一つご紹介します。業種は違いますが、飲食店経営者の方にも同じ構造で刺さる話だと思います。

「次回予約率が40%から65%になって、月の売上が安定しました。それまでは月初に『今月どうなるんだろう』という不安が毎月あったんですが、今は先の予約が入っているので、その不安がほぼなくなりました。標準化でアシスタントの育成も早まって、自分が抜けても回る時間が増えてきています」

スタイリスト3人サロン(男性・30代)

「次回予約率」というのは、飲食店でいえば「再来店の約束を、来店時にどれだけ取れているか」に相当します。

この数字を意識している飲食店は、実はほとんどありません。「また来てくれたらうれしい」という受け身のスタンスで営業している限り、売上は毎月ゼロからのスタートになります。でも「次回来る理由」を渡せている店は、売上の土台が月を追うごとに積み上がっていきます。

売上の変動に振り回されない経営というのは、派手な新規集客ではなく、こういう地味で確実な仕組みの積み重ねで作られます。

また、モバイルオーダーの導入が注文点数と客単価に与える影響についても、同じ「注文点数を仕組みで上げる」アプローチの一つとして参考になると思います。

まとめ:頑張り方ではなく、見る数字を変える

飲食店の売上が頭打ちになった時、最初に見直すべき3つの数字は「客単価」「再来店率」「注文点数」です。

そしてその改善の順番は、①店内の注文点数と客単価を整える → ②再来店の仕組みを作る → ③収益源を追加する、というSTEPで動くことです。

いずれも、新規広告費を増やすことでも、営業時間を延ばすことでもありません。今いるお客さんから、今の店舗で、より多くの価値を受け取っていただける仕組みを作ること——それが売上の天井を突破する本質的なアプローチです。

20年以上にわたって全国の飲食店・美容室経営者を支援してきた中で、業績が変わった方に共通しているのは「頑張り方を変えた」ではなく「見る数字を変えた」ことです。

今日この記事を読んで「まず客単価を確認してみよう」と思った方は、その感覚を大切にしてください。そこが変化の入り口です。

3つの数字を改善するSTEPは理解できた、でも「実際に動き始めると壁にぶつかる」「一人だと続かない」という経営者の方に、増益繁盛クラブでは月次セミナー・全国の経営者との実践ノウハウ共有・個別相談の場を提供しています。売上変動に振り回されない仕組みを、一緒に作っていく伴走型のサポートです。

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  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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