お客さんを増やしたい

飲食店のPOP作成を依頼したいなら、舞台裏で決まる設計の話

「POPを作ってもらいたいんですが、どこに頼めばいいですか?」

先日、会員の方からそんな相談が届きました。焼肉店を経営されている40代の男性オーナーさんで、月商を伸ばしたいとずっと考えていた方です。

でも、ちょっと待ってください。「どこに頼むか」より先に、決めるべきことがあります。それが今日お伝えしたい「舞台裏の設計」の話です。

POP作成を外部に依頼しても成果が出ない飲食店オーナーさんの多くに、共通する抜けがあります。デザインの巧拙ではありません。「何のためのPOPか」が設計されていないことです。

今日は、ぼくが静岡・清水のオフィスで過ごす一日の仕事の流れを追いながら、POPが機能するための「舞台裏で決まる設計」をお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 飲食店のPOP作成を依頼する前に整理すべき「設計の3点セット」
  2. POPが売上につながらない根本的な理由と、改善の順番
  3. 「自分にしかできない仕事」に集中するための時間の使い方
  4. 値引きに頼らず客単価を上げるPOPの役割と設計の考え方

こんな方におすすめ

  • ✅ POPを作ってもらいたいが、何を伝えればいいか分からない飲食店オーナーさん
  • ✅ メニュー表やPOPを変えたのに客単価が上がらないと感じている方
  • ✅ 販促の仕事を外注したいが、丸投げして失敗した経験がある方
  • ✅ 現場作業に追われて、経営のことを考える時間が取れていない方
  • ✅ 値引きやクーポン以外の方法で、もっと売上と利益を伸ばしたい方
飲食店のPOP作成を依頼したいなら、舞台裏で決まる設計の話 | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

午前10時——一日は「今日、誰の問題を解くか」から始まる

ぼくの一日は、オフィスに着いてすぐメールやメッセージの確認から始まります。新清水駅から歩いて1分の小さなオフィスです。大きなビルでも豪華な会議室でもありません。でも、ここから全国の飲食店・美容室オーナーさんの経営改善に関わっている。それがぼくの仕事です。

今日の午前中に入っていたのが、冒頭でお伝えした焼肉店オーナーさんからの相談でした。「POPを頼みたい」という一行のメッセージを見て、ぼくがまず考えたのは「目的は何か」という一点です。

POPは道具です。道具は使い方が決まっていないと、誰に頼んでも成果は出ません。デザイナーに依頼する前に、経営者が決めるべき設計がある。これが飲食店のPOP作成で、ほとんどの方が見落としている舞台裏の話です。

そのオーナーさんに、ぼくはまず3つのことを聞きました。

チェックポイント1:そのPOPは「購買行動のどのステップ」に置くものか

お客さんが店でお金を使うまでの行動は、「知る→興味→来店→入店→注文→会計→再来店」の7段階に分解できます。POPが機能する場所は、主に「入店→注文→会計」の3ステップです。この中のどこに働きかけるのかを決めずに作ると、デザインがいくら良くても的外れなものができ上がります。

✅ ポイント:「客単価を上げたい」ならテーブルPOP、「追加注文を増やしたい」ならレジ横POP、「看板メニューを知ってもらいたい」なら入口付近のPOPと、置く場所と目的を先に決めてから制作に入ること。

チェックポイント2:「ご利益の言葉」になっているか

POPの文章で多いのが「当店自慢の〇〇」「こだわりの〇〇」という書き方です。でも、お客さんが知りたいのは「自分にとって何がいいのか」という一点です。ぼくはこれを「ご利益の言葉」と呼んでいます。

例えば「熟成48時間のタレに漬け込んだカルビ」より「翌朝でも胃もたれしない、やわらかカルビ」のほうが、お客さんの頭の中で「自分ごと」になります。POPはデザインより先に、この言葉の設計が命です。

✅ ポイント:POPのキャッチコピーは「お店が言いたいこと」ではなく「お客さんが得ること」を軸に書き直す。制作を依頼する前に、この言葉の骨格を経営者自身が作っておくこと。

チェックポイント3:松竹梅の法則を使った商品ラインと連動しているか

POPを1枚作って終わり、というお店が多いのですが、本来POPは「商品ラインの設計」と一体です。メニューに松(高単価)・竹(中単価)・梅(低単価)の3層が設計されていれば、POPは「竹から松への引き上げ」を担う道具になります。商品ラインが整っていないと、POPをいくら作っても客単価は動きません。

✅ ポイント:POP作成の前に、自店のメニューを「松竹梅」で整理してみる。POPは「竹を選んだお客さんに、松の価値を伝える橋」として設計する。

✓ ここまでのポイント

  • POPは「購買行動のどのステップに置くか」を先に決めてから作る
  • キャッチコピーは「お店が言いたいこと」より「お客さんが得ること」を軸に設計する
  • POPの効果は、松竹梅の商品ライン設計と連動させてはじめて最大化される

「15分単位で棚下ろし」「自分にしかできない仕事だけ残す」と書きましたが、何を残して何を手放すかの判断が難しい、という声をよくいただきます。無料小冊子では「取り組む正しい順番」と「なぜ新規集客を最初にやってはいけないのか」も章として収録しています。完全無料、登録はメールアドレスのみです。

販促の正しい順番を無料小冊子で確認する

「ご利益の言葉」「松竹梅の設計」と読んできて、「自分の店に当てはめるとどうなるんだろう」と手が止まっている方もいるはずです。無料小冊子『顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書』では、POPが機能する「入店→注文→会計」のステップごとに今日からできる具体策を解説しています。メールアドレスだけで30秒で受け取れます。

無料小冊子「販促改善の教科書」を受け取る

午後12時——「丸投げして失敗した」の正体

昼前に、別の会員さんからも連絡がありました。以前、デザイン会社にPOP作成を丸投げして「まったく反応がなかった」という方です。なぜそうなったのか。原因は明快でした。

依頼側が「見栄えのいいものを作ってほしい」と伝えただけで、目的も商品ラインも言葉の設計も、何も渡していなかったのです。

デザイナーやPOP制作会社は、「視覚的に整えるプロ」です。でも「何を売るか」「誰に伝えるか」「客単価をどう動かすか」を決めるのは、経営者の仕事です。ここを丸投げすると、きれいだけど売れないPOPができます。

「POPを誰に頼むかより、何を決めてから頼むかのほうが、成果を10倍変える。設計のない依頼は、目的地を告げずにタクシーに乗るようなものです」

ハワード・ジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)

ちなみに、飲食店のチラシ作成を依頼する前に必要な情報整理のステップも、この考え方とまったく同じです。外注する前の「社内設計」が、成果を決めます。

午後1時——この焼肉店オーナーさんに、実際に何が起きたか

冒頭でご紹介した焼肉店の40代男性オーナーさん。実はこの方、ぼくのコンサルティングを通じて、月商が420万円から560万円に伸びた方です。しかもその過程で、週2日の休みを確保し、値引き競争から抜け出して料理への自信を取り戻しました。

「値引き競争から抜け、料理への自信を取り戻した。月商は420万から560万円になり、週2日の休みも確保できた」

焼肉店オーナー(40代・男性)

この変化の起点は、実は「POP」ではありませんでした。POP以前に、自分の時間の使い方を根本から見直したことです。

このオーナーさんが最初に取り組んだのは「1週間の24時間を15分単位で棚下ろしする」というワークです。自分が何の仕事にどれだけ時間を使っているか、全部書き出してみる。そうすると、「仕込み・配膳・発注・クレーム対応・SNS更新・メニュー印刷……」と、本来スタッフや仕組みに任せられる仕事が山積みになっていることに気づきます。

「自分にしかできない仕事」だけ残して、あとは手放す。その時間をPOPの設計や商品ラインの見直しに使う。この順番が正しい経営の動き方です。

POP一枚の話をしているようで、本質は「社長が本来やるべき仕事に時間を使えているか」という問いです。

午後2時——「舞台裏の設計」を自分でやる時間を、どう作るか

「設計が大事なのはわかった。でも、そんな時間がない」という声が必ず来ます。思い当たる方は多いんじゃないかと思います。

正直に言います。時間がないのは、「やめること」を決めていないからです。

社長の仕事は2つだけです。「売上を作る仕事」と「儲かる仕組みを作る仕事」。POPの設計は後者に入ります。でも多くの経営者は、配膳・調理補助・発注管理・レジ締め……と、スタッフに任せられる仕事を抱え込んで、本来の仕事をする時間がなくなっています。

❌ よくある時間の使い方(経営者が現場に飲み込まれているパターン)

  • 朝から仕込みに入り、昼の営業を一人でこなす
  • 発注・シフト管理・クレーム対応まで全部自分でやる
  • 販促やPOP作成は「落ち着いたらやろう」と後回しになり続ける

✅ 推奨アプローチ(「自分にしかできない仕事」に集中するための整理)

  • 1週間の仕事を15分単位で書き出し、「やめること」「任せること」「自動化すること」に分類する
  • AI(ChatGPTやClaudeなど)を使い、POPのコピー案・マニュアル文案を短時間で叩き台を作る
  • 設計さえできれば、制作の手間は大幅に減る

今はAIを使えば、POPのキャッチコピー案を10分で10本出せます。ぼく自身もClaudeやChatGPTを使って、会員向けの販促物の叩き台を作っています。時間を圧縮する道具は揃っています。問題は「使うかどうか」だけです。

また、飲食店の客単価アップをコンサルに依頼する際に確認すべき5つの視点でも書いていますが、外部に依頼する前に経営者が持つべき視点を整理しておくことが、依頼後の成果を大きく左右します。

午後3時——今日の仕事を終える前に、一つだけ手を動かす

ぼくのオフィスの営業時間は10時から15時です。この時間内に、会員さんへの返信・教材の更新・メルマガの執筆・個別コンサルティングと、やるべき仕事を集中してこなします。

今日の最後の仕事は、冒頭の焼肉店オーナーさんへの返信でした。「POPを頼む前に、まずこの3点を整理してみてください」と伝えました。

チェックポイント4:POPを依頼する前の「渡すべき情報リスト」

制作会社やデザイナーに依頼するときに渡すべき情報は、最低でも次の4つです。①POPを置く場所と目的、②対象にしているお客さんの像(どんな人に届けたいか)、③伝えたいメニューと、そのご利益の言葉(お客さんが得ること)、④商品ラインの中でそのメニューが担う役割(松竹梅のどこか)。

✅ ポイント:この4点を経営者が言語化してから依頼すると、制作側も的確な提案ができる。飲食店の販促を外部に依頼するときの失敗しない発注の進め方も参考にすると、依頼後のすれ違いが大幅に減ります。

「POPの文字数より、その言葉がお客さんの"自分ごと"になっているかどうか。繁盛店のPOPが売れる理由は、デザインではなく設計にあります」

ハワード・ジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)

まとめ——POPは「舞台裏の設計」が8割

今日の話を整理します。

飲食店のPOP作成を依頼しても成果が出ない理由は、デザインの問題ではありません。「どのステップに置くか」「ご利益の言葉になっているか」「松竹梅の商品ラインと連動しているか」という設計が先に決まっていないことが原因です。

そしてその設計を考える時間を作るためには、経営者が「自分にしかできない仕事」に集中できる環境が必要です。現場作業を抱え込んだまま、経営の仕事はできません。

ぼくが20年間・全国の飲食店オーナーさんと向き合ってきて感じるのは、「販促の道具」より先に「経営者の時間の使い方」を変えた人ほど、成果が出るのが早いということです。

POP一枚の話を読んでいただきましたが、今日の記事で一番お伝えしたかったのはここです。道具を変える前に、使う人の時間を取り戻す。そこから、繁盛店作りは始まります。

POPの設計も、時間の棚下ろしも、「一人でやろうとすると止まる」というのが正直なところだと思います。増益繁盛クラブでは、毎月の事例共有・グループコンサルティング・会員掲示板での相談を通じて、全国の飲食店・美容室オーナーさんが「値引きなしで客単価を上げる仕組み」を実践し続けています。入会案内ページで内容とクラスの違いを確認してみてください。

増益繁盛クラブの入会案内を見る

  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

-お客さんを増やしたい