秋も深まってきた9月下旬。決算期や年度の区切りを意識して、「来年こそ経営計画をきちんと作ろう」と思い立つ飲食店の経営者の方が増える時期です。
ただ、いざ「相談してみよう」と思っても、「何を聞けばいいのか分からない」「そもそも経営計画って何から始めるの?」という方が大半です。それは当然のことで、料理一筋でやってきた経営者の方が、経営計画の作り方を体で覚えているはずがありません。
この記事では、はじめて経営計画の相談をする飲食店オーナーさんに向けて、「相談の場で何を聞くべきか」よりも前に知っておいてほしいことを、具体的にお伝えします。ここを押さえておくだけで、相談の質がまるごと変わります。
📋 この記事でわかること
- 「売上が伸びない」の本当の原因はどこにあるか
- 経営計画の相談で「聞くべきこと」と「その前に整理すべきこと」
- お客さんの購買行動を7段階に分解するとはどういうことか
- 月商300万円から2億5,000万円を実現した経営者が実践したこと
こんな方におすすめ
- ✅ はじめて経営計画を作ろうと思っているが、何から手をつければよいか分からない飲食店オーナーの方
- ✅ 売上が横ばいで、何が原因なのか自分では判断できない方
- ✅ 「美味しいものを出しているのに、なぜお客さんが来ないのか」と感じている方
- ✅ コンサルタントへの相談を考えているが、どんな準備が必要か知りたい方
- ✅ 値引き・クーポン以外の方法で売上を伸ばしたい方

目次
「経営計画を作りたい」と思ったとき、多くの方が見落とすこと
経営計画の相談に来られる飲食店の方に、最初に必ず聞くことがあります。
「売上が伸びていない原因は、何だと思いますか?」
返ってくる答えは、おおよそこの3つに絞られます。
- 「近くに競合店ができたから」
- 「景気が悪くて客足が落ちているから」
- 「もっと料理を磨けば、お客さんは戻ってくるはず」
どれも「間違い」とは言い切れません。でも、これだけを根拠に経営計画を立てても、残念ながら売上は動きません。なぜかというと、売上はお客さんの「行動の結果」であって、商品力だけで決まるものではないからです。
料理がどれだけ美味しくても、そのお店のことを誰も知らなければ売上はゼロです。知っていても「ちょっと入りにくいな」と感じて通り過ぎてしまったら、やはりゼロです。入店しても、メニューの見せ方が悪くて安いものしか頼まれなければ、客単価は上がりません。
経営計画の相談でいちばん大切なのは、「売上をどこでどう落としているか」を先に特定することです。そこをすっ飛ばして「売上目標〇〇万円」「新規集客を増やす」という計画を作っても、穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるようなものです。
「7段階のどこで詰まっているか分からない」という状態のまま相談に行っても、話が抽象的なまま終わりがちです。無料小冊子『顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書』では、この7段階を「認知→興味→来店→入店→購入→単価UP→再来店→継続」に分解し、各ステップで今日からできる具体策を解説しています。メールアドレスだけで、30秒で受け取れます。
売上が伸びない本当の原因は「7段階のどこか」にある
私がコンサルティングで使っているフレームワークに、「顧客購買行動7段階モデル」があります。お客さんがお店にお金を払うまでの流れを、次の7段階に分解したものです。
- 知る(お店の存在を認知する)
- 興味を持つ(行ってみたいと思う)
- 来店する(実際に足を運ぶ)
- 入店する(扉を開けて中に入る)
- 注文する(メニューを選んでオーダーする)
- 会計する(お金を払う)
- 再来店する(また来てくれる)
売上が伸びていない飲食店は、必ずこの7段階のどこかで「お客さんが脱落している」ポイントがあります。そしてほとんどの場合、経営者の方はどの段階で落ちているかを把握できていません。
たとえばこんな場面、思い当たりませんか?
- 食べログやGoogleマップの評価は悪くないのに、来客数が伸びない → 「知る」か「興味」の段階に問題がある可能性
- 近くまで来てくれたお客さんが素通りする → 「入店」の段階に問題がある可能性(照明・外観・のぼり等)
- お客さんは来るのに、客単価が低い → 「注文」の段階に問題がある可能性(メニューブックの設計など)
- 一見客は多いが、リピートに繋がらない → 「再来店」の段階に問題がある可能性
経営計画の相談でまず確認すべきことは、「この7段階のどこで自分の店は詰まっているか」です。これを言語化できていると、コンサルタントへの相談が一気に具体的になります。
「売上が伸びないと悩んでいる経営者の方の多くは、原因を『外』に求めます。でも私が20年間、飲食店・美容室の経営者の方を見てきて感じるのは、売上の伸び代はほぼ例外なく『自分の店の中』にある。お客さんがどの段階でお店を離れているかを知ることが、経営計画の出発点です。」
ハワード・ジョイマン(中小企業診断士・繁盛店コンサルタント)
✓ ここまでのポイント
- 売上は「商品力」だけでは決まらない。お客さんの購買行動の結果として生まれる
- 「知る→興味→来店→入店→注文→会計→再来店」の7段階のどこかで脱落が起きている
- 経営計画の相談前に「自分はどの段階で詰まっているか」を整理しておくと、相談の質が大きく変わる
「安い順にメニューを並べると一番安いものしか売れない」——こういった具体的な気づきを、自分の店に当てはめて整理したい方へ。小冊子の巻末には自店診断ワークシートがついており、7段階のどこが弱いかをその場で書き出せる構成になっています。完全無料です。
はじめての相談で「聞くべきこと」の前に整理しておくこと
コンサルタントへの相談で「何を聞けばいいですか?」という質問を受けることがあります。でも正直に言うと、「何を聞くか」より「今の自分の状態を正確に言える状態にしておくこと」のほうが100倍大事です。
相談前に整理しておくと良いのは、次の4点です。
チェックポイント1:月商・客単価・来客数を数字で言えるか
「最近売上が落ちている」ではなく、「半年前は月商280万円だったが、今は240万円になっている。客数は変わっていないが、客単価が下がっている気がする」——このレベルで話せると、相談の場が一気に動き出します。
✅ ポイント:レジデータや会計ソフトで直近6ヶ月分の月商・客数・客単価を確認しておきましょう。「感覚」ではなく「数字」で話すことが、経営計画の第一歩です。
チェックポイント2:今やっている集客施策を一覧にできるか
「食べログに載せているだけです」「Instagramを少しやっています」「チラシは以前やりましたが今はやっていません」——現状を棚卸しできているかどうかで、相談の方向性が変わります。
✅ ポイント:飲食店の販促を外部に依頼するときの発注の進め方でも解説していますが、まず「今やっていること」と「やっていないこと」を書き出すだけで、相談のスタートラインに立てます。
チェックポイント3:「一番の悩み」を1つに絞れるか
「新規が来ない」「リピートしない」「客単価が低い」「スタッフが育たない」——複数の悩みがあるのは当然ですが、今最優先で解決すべきことを1つ絞っておくと、相談時間が有効に使えます。
✅ ポイント:すべてを一度に解決しようとすると、どれも中途半端になります。「売上を上げたいのか」「利益を残したいのか」「休みを増やしたいのか」——目的を一つ定めてから相談に臨みましょう。
チェックポイント4:「今の自分のお店に、何が足りないか」の仮説を持てるか
「分からないから相談する」でもいいのですが、「自分では〇〇が足りないと思っているが、本当にそうか確かめたい」という仮説を持って来られる経営者の方は、成果が出るのが早いです。
✅ ポイント:先ほどの7段階モデルを使って「自分の店はどの段階で詰まっているか」を仮定しておくと、相談がより深い議論になります。
「客数×客単価」の計算式を捨てると、何が見えてくるか
経営計画の場でよく出てくる計算式が「売上=客数×客単価」です。これ自体は正しいのですが、この式だけで計画を立てると「じゃあ新規集客を増やそう」という一手に集中しがちになります。
でも実際は、7段階それぞれを少しずつ改善するほうが、はるかに効率的に売上を伸ばせます。
たとえばこんなイメージです。
- 外観の照明を明るくして「入店率」を1.2倍にする
- メニューブックの1ページ目に「一番売りたいメニュー」を配置して「注文単価」を1.2倍にする(安い順に並べると、一番安いものしか頼まれません)
- 満席で帰らせてしまったお客さんに「2週間限定の再来店券」を渡して「再来店率」を1.2倍にする
各段階で1.2倍の改善ができれば、全体では1.2×1.2×1.2=約1.73倍の売上になります。3段階で1.3倍ずつなら約2.2倍です。新規集客にだけお金をかけるより、はるかに費用対効果が高い。
これが、私が経営計画の相談でまず最初に伝えることです。
「月商300万円だった方が、増益繁盛クラブに参加してこのメソッドを実践し、月商2億5,000万円を達成されました。一夜にして変わったわけではありません。7段階の各ポイントを一つひとつ丁寧に改善し続けた結果です。経営計画とは、目標の数字を書くことではなく、7段階のどこをどう動かすかを決めることだと私は思っています。」
ハワード・ジョイマン(中小企業診断士・増益繁盛クラブ主宰)
「月商300万円からスタートして、増益繁盛クラブのメソッドを実践した結果、月商2億5,000万円を達成することができました。」
飲食店経営者(増益繁盛クラブメンバー)
これは特別な才能や大きな設備投資の話ではありません。「お客さんの行動を分解して、各段階を改善し続ける」という再現性のある仕組みの話です。
経営計画の相談、最初の一歩として準備できること
「いきなりコンサルタントに相談するのはハードルが高い」という方も多いと思います。そんな方にお勧めしているのが、まず自分のお店を「7段階で自己診断してみる」ことです。
たとえば、こんな問いを自分に投げかけてみてください。
- 自分のお店を知らない人は、どうやって存在を知るのか(「知る」の段階)
- Googleで検索したとき、どんな情報が出てくるか(「興味」の段階)
- 夜、外から見てお店の中が見えるか、暗くないか(「入店」の段階)
- メニューを開いた瞬間、何が目に入るか(「注文」の段階)
- お客さんが帰るとき、次に来る理由を渡しているか(「再来店」の段階)
これだけでも、飲食店の経営コンサルでどんな悩みを相談すれば前進するかという問いへの答えが見えてきます。「料理の質以外で、何かできることがあるはずだ」と気づくことが、経営計画のスタートです。
また、飲食店のGoogleマップ対策の基本確認のような、今日から手をつけられる具体的な施策から動いてみることも、経営計画を「机の上の計画」で終わらせないために有効です。
まとめ:経営計画の相談で「聞くべきこと」の本当の答え
はじめての経営計画の相談で「何を聞けばいいか」という問いへの答えは、実はシンプルです。
「自分の店の7段階のどこが詰まっているか、一緒に特定してください」
これだけで十分です。売上目標の数字を先に決める必要はありません。「〇〇万円を目指す」よりも、「今、どこでお客さんを逃しているか」を明らかにすることのほうが、経営計画として100倍価値があります。
20年間、飲食店・美容室の経営者の方と向き合ってきた経験から言えるのは、売上が伸びていない店は必ずどこかに「詰まり」があるということ。そしてその詰まりは、一つひとつ丁寧に解消できる、ということです。
経営計画は、難しいものでも特別なものでもありません。「お客さんがどこで自分の店を選ぶか」を真剣に考え始めた瞬間から、それはもう始まっています。
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