梅雨が明けると、飲食店にとって夏の書き入れ時がやってきます。一方で「暑いから外出が減る」「宴会シーズンが落ち着いた」と感じる時期でもある。季節が変わるたびに「何か販促を打ちたいけど、何から始めればいいか分からない」という声をよく耳にします。
ハワードジョイマンです。静岡市清水区を拠点に、飲食店・美容室・小売店の経営者を20年以上サポートしてきました。中小企業診断士として、そしてお笑い芸人時代に培った「人の心をつかむ発想法」を組み合わせた独自メソッドで、値引きに頼らない繁盛店づくりをご支援しています。
今回は「飲食店の販促アイデア20選」を、文字通り今日から試せる順番に並べてご紹介します。「販促=値引きクーポン」だと思っていた方にこそ読んでほしい内容です。
📋 この記事でわかること
- 今日・今週・今月でできる販促アイデアを段階別に整理する方法
- 値引きなしで客単価と集客数を同時に伸ばす具体的な手法
- SNSやデジタルが苦手な店主でも実行できる販促の始め方
- 全国の飲食店で実際に成果が出た販促事例と再現ポイント
こんな方におすすめ
- ✅ 販促をやったことがない、または食べログ掲載だけで止まっている方
- ✅ 「値引きクーポン以外の集客方法」を知りたい飲食店オーナー
- ✅ ホットペッパーへの依存から抜け出したいと感じている方
- ✅ 忙しくて時間がないけど、今日からできることを探している方
- ✅ 客単価を上げたいが、押し売りにならない方法を探している方

目次
販促を「今日からできる順」に並べることが大切な理由
販促の話をするとき、多くの方がいきなり「SNSをやるべきか」「チラシはどうか」「Google広告は効くのか」という話をしたがります。でも、順番が違うんです。
私がよくお伝えするのは、お客さんの購買行動には7つの段階があるということ。
知る → 興味を持つ → 来店する → 入店する → 注文する → 会計する → 再来店する
新規集客(「知る」の段階)に手を打つより先に、今すでに店に来てくれているお客さんの「注文」や「再来店」を改善するほうが、圧倒的に早く・安く・確実に結果が出ます。順番を間違えると、穴の開いたバケツに水を注ぎ続けることになる。
だからこそ今回は、①今日できる(店内)→ ②今週できる(リピート)→ ③今月以降(新規集客)の3段階に分けて20個をご紹介します。
「新規集客を増やす前に、今いるお客さんから売上を上げる。これが最短ルートです。穴の開いたバケツに水を注ぎ続けても、永遠に満たされません。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所代表)
【今日できる】店内販促アイデア8選
道具も予算もほぼゼロ。今日の営業中から仕込めるものを8つ挙げます。
チェックポイント①:メニューブックの並び順
メニューを安い順に並べていませんか?人間の目は上から読む習性があります。一番売りたいメニュー・利益率の高いメニューをメニューブックの1ページ目・上段に配置するだけで、注文傾向が変わります。
✅ ポイント:「一番安いメニューしか注文されない」と感じたら、まずメニューの並び順を見直してください。特別な費用は一切かかりません。
チェックポイント②:メニュー名を「ご利益の言葉」に変える
「ハンバーグ 1,200円」ではなく「炭火で焼いた肉汁あふれる国産黒毛和牛ハンバーグ 1,200円」。メニュー名に「食べたらどうなるか・どう美味しいか」を加えるだけで注文率が変わります。
✅ ポイント:名前が「作業名」のままになっているメニューを1つ選んで、今日書き換えてみてください。
チェックポイント③:テーブルPOPを置く
テーブルに置く小さなPOPは最強の店内販促です。「本日のおすすめ」「シェフのイチ推し」「この季節だけの限定」など、一言添えるだけで注文点数が増えます。
✅ ポイント:POPは「売りたいもの」ではなく「お客さんが得するもの」を軸に書くと反応が上がります。
チェックポイント④:松竹梅の3段階構成を作る
コースや定食に「3段階の価格帯」を設けてください。松(高)・竹(中)・梅(低)の構成にすると、人は自然に真ん中(竹)を選ぶ心理が働きます。これだけで客単価が上がります。
✅ ポイント:今のメニューに「上位版」を1つ追加するところから始めると取り組みやすいです。
チェックポイント⑤:会計時に「次回特典」を手渡す
お会計のタイミングに「次回ご来店時にお使いください」と一言添えてカードを渡す。値引きではなく「先着〇名様限定のおすすめ料理プレゼント」など特典型にすると、クーポン目当て客ではなくリピーターが育ちます。
✅ ポイント:有効期限は2〜3週間以内が効果的。長すぎると使われません。
チェックポイント⑥:外観の照明を明るくする
入店率を上げる最も簡単な施策が照明です。夜の飲食店で「暗い入り口」は、お客さんに「やってるのかな?」という疑問を与えます。電球1本追加するだけで入店率が上がった事例は全国にあります。
✅ ポイント:自店の外観を夜に外から眺めてみてください。客観的に「入りたいと思えるか」を確認する習慣が大切です。
チェックポイント⑦:名物メニューを1つ作る
「〇〇といえばこの店」と地域の人の頭の中で1番に浮かぶメニューを作ることを、私は「脳内SEO」と呼んでいます。地域で唯一のメニューは強力な差別化になります。
✅ ポイント:既存メニューの「組み合わせを変えるだけ」で新しい名物が生まれることがあります。後述の実例を参考にしてください。
チェックポイント⑧:セットメニュー・追加提案を仕組み化する
「ドリンクはいかがですか?」を口頭でやるのは属人的です。メニューに「〇〇と相性抜群のドリンクセット」と明記して、スタッフ任せにしない仕組みを作りましょう。
✅ ポイント:追加提案は「押し売り感」が出ないよう、お客さんのメリットを軸にした言葉にすること。
✓ ここまでのポイント
- 販促は「新規集客」より先に「店内にいるお客さんへの対応」から始めるのが正解
- メニューの並び順・名前・POPは今日から無料で変えられる最強の販促手段
- 松竹梅の価格設計と「次回特典」の組み合わせで、値引きなしでリピートが増える
「奈良県のうどん店さんは、既存メニューの麺の幅を広くしただけでSNSでバズりました。新しいものをゼロから作る必要はありません。既存の要素を組み合わせるだけで差別化できる。これが全国繁盛店の共通点です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所代表)
【今週できる】リピート対策アイデア6選
来てくれたお客さんを「また来たい」と思わせる仕組みを、今週中に仕込みましょう。
❌ よくあるパターン:来店してもらって終わり
- お客さんの連絡先を何も取得していない
- 再来店のきっかけを何も作っていない
- 「また来てくれたらいいな」と待っているだけ
✅ 推奨アプローチ:来店後も接触し続ける仕組みを作る
- LINE公式アカウントで顧客リストを作り、タイミングを選んで情報を届ける
- 再来店のきっかけ(限定情報・誕生日クーポン・季節メニュー告知)を設計する
- お客さんが「思い出す瞬間」を意図的に増やす(ザイアンス効果の活用)
アイデア9:LINE公式アカウントを作って友達追加してもらう
レジ横にQRコードを置くだけで始められます。「友達追加でドリンク1杯サービス」などの特典を設けると登録率が上がります。月数百円から始められるコストで、何度でもお客さんに情報を届けられる資産になります。
アイデア10:誕生日・記念日登録を取る
LINE登録時に誕生月を聞いておき、誕生月に「あなただけのお祝いメッセージ」を送る。特別感が強く、来店率が上がります。
アイデア11:次回予約を「その場で」取る
お会計後に「次のご来店のご予定はありますか?」と聞く。宴会・記念日・歓送迎会は先の日程が決まっていることが多く、その場で予約につながることが珍しくありません。
アイデア12:常連客に「紹介特典」を設ける
新規集客よりも紹介は費用対効果が高い。「ご友人をご紹介いただいたお客様に〇〇をプレゼント」という仕組みを作ると、あなたのお客さんが営業マンになってくれます。
アイデア13:Googleビジネスプロフィールに写真を追加する
口コミへの返信・最新写真の追加は、Googleマップでの表示順位と印象に直結します。週1枚でもいいので、料理・店内・スタッフの写真を継続的に更新しましょう。
アイデア14:口コミに返信する
Googleや食べログの口コミに丁寧に返信するだけで、「店主が誠実な人」という印象が新規のお客さんに伝わります。ネガティブな口コミへの誠実な対応こそ、最大の信頼構築になります。
【今月以降】新規集客アイデア6選
店内販促とリピート対策が整ってから、新規集客に投資するのが正しい順番です。
アイデア15:Googleビジネスプロフィールのキーワードを最適化する
「〇〇市 焼肉」「〇〇駅 ランチ」など、地域×業態のキーワードでGoogleマップ上位に表示されるよう、店舗情報・説明文・カテゴリを最適化します。無料でできる最強の地域集客手段です。
アイデア16:ターゲット別のランディングページを作る
「1人ランチ向け」「宴会向け」「歓送迎会向け」など、用途・人数・シーン別に訴求内容を変えたページを作ると、広告の費用対効果が大きく変わります。
アイデア17:Google広告(月3万円〜)を始める
地域×シーン×来店目的のキーワードで検索している人に直接リーチできます。ホットペッパーへの依存から抜け出す最初の一手として有効です。
アイデア18:LINE友達追加広告を出す
既存のLINE公式アカウントに友達を増やすための広告。一度友達になってもらえれば、ゼロコストで繰り返し情報を届けられます。
アイデア19:第2の収益源を作る
千葉県のお好み焼き店の事例が参考になります。製薬会社向けに単価2,500〜3,000円の弁当を朝50個受注する仕組みを作り、店内売上以外の「第2のお財布」を確立しました。デリバリー・法人向け・テイクアウトなど、今の店舗リソースで作れる収益源を探してみてください。
アイデア20:AIで口コミを分析して自店の強みを言語化する
鳥取県のラーメン店では、GoogleビジネスプロフィールとFood-log(食べログ)の口コミをAIで分析し、「スープの質・懐かしさ・立地利便性」という3つの強みを発見。それをメニューのキャッチコピーに反映させて訴求力を強化しました。自店の強みは、すでにお客さんが口コミの中に書いてくれています。
「和歌山県の飲食店さんは、ランチにハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライの『メイン3つ同時盛り』プレート(2,300〜2,500円)を開発し、月商130万円から450万円へ伸ばしました。地域に存在しない独自コンセプトで、値引きをせずに客単価と集客数を同時に伸ばせたんです。」
ハワードジョイマン(支援事例より・増益繁盛クラブメンバー)
20個を「自分の店に合った順番」で実行するために
20個並べましたが、全部いっぺんにやる必要はありません。むしろやらないでほしい。
大切なのは、今の自分の店がどの段階で売上を落としているかを特定すること。
自店診断:どの段階に一番の課題があるか
以下の7段階のうち、「ここが一番弱い」と感じる部分がありますか?
チェックポイント①:「知る」段階
地域の人にそもそも存在が知られていますか?Googleマップで検索されていますか?
✅ ポイント:まずGoogleビジネスプロフィールの最適化(アイデア13・15)から始めましょう。
チェックポイント②:「入店する」段階
前を通った人が入ってきますか?入口の照明・外観の清潔感・メニュー見本は整っていますか?
✅ ポイント:アイデア6(外観照明)と外に出せるメニュー見本・黒板を見直してください。
チェックポイント③:「注文する」段階
来店したお客さんが想定より少額の注文で帰っていませんか?メニューブックの並び順・POPは整っていますか?
✅ ポイント:アイデア1・2・3・4(メニュー改善系)が最優先です。
チェックポイント④:「再来店する」段階
来てくれたお客さんが次に来てくれる仕組みがありますか?リストを取れていますか?
✅ ポイント:アイデア9(LINE登録)と5(次回特典)の組み合わせから始めてください。
「自分の店はどの段階が弱いか」が見えると、20個の中から「今すぐやるべき3つ」が自然に絞られます。
まとめ:販促は「仕組み」にしてこそ意味がある
今回ご紹介した20個の販促アイデアは、どれも「一度やって終わり」では意味がありません。継続的に回る仕組みにしてこそ、売上の底上げになります。
私がこの20年間で全国の飲食店・美容室・小売店の経営者1万人以上と向き合ってきて確信していることがあります。
料理が美味しいのに繁盛していない店と、料理がそこそこでも繁盛している店の差は、「商品力」ではありません。「お客さんの購買行動の7段階を意識して、仕組みを作れているかどうか」の差です。
今日から1つでも試してみてください。そして3つ試したら、次に何をすべきかが見えてくるはずです。
もっと体系的に、自分の店に合った順番で販促を整えたい方には、購買行動7段階をベースにした販促改善の全体像を解説した教材をご用意しています。全国の繁盛店が実践しているノウハウを、専門用語ゼロで体系化しています。まずはお気軽にご覧ください。
また、毎月全国の飲食店経営者と一緒に実践しながら改善を続けていく会員制コンサルティング「増益繁盛クラブ」では、今回ご紹介したアイデアをご自身の店に落とし込む個別サポートをお届けしています。北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、多くの方が実践中です。
まずは無料のメールセミナー「繁盛店になるための12のステップ」から、気軽にメソッドに触れてみてください。お待ちしております。