お客さんを増やしたい

飲食店の安売りの悪循環から抜け出す方法|値引き以外の集客術

クーポンを出せばお客さんは来る。でも来るのはクーポン目当ての人ばかりで、定価では二度と来ない。値引きをやめれば閑古鳥が鳴く気がして、やめるに やめられない――。

こういった状況に心当たりがある経営者の方、けっこう多いんじゃないかと思います。ホットペッパーに毎月何十万も払って、割引クーポンを大量に出して、忙しくなるのに手元にお金が残らない。「何のためにこんなに働いているんだろう」と、夜中に帳簿を眺めながら思ってしまう、あの感覚です。

僕自身、静岡の清水でコンサルタントとして20年以上飲食店経営者の方々と向き合ってきました。その中でハッキリ見えてきたのは、「安売りの悪循環」は構造の問題だということです。気合いや根性で抜け出せるものじゃない。正しい順番で、正しい手を打てば、必ず出口があります。

この記事では、その出口への具体的なステップをお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. なぜ値引き集客は「やめられない罠」に変わるのか、その構造的な理由
  2. 値引きをゼロにしながら客数・客単価を同時に伸ばすための4つのステップ
  3. 「ご利益の言葉」への書き換えで、メニュー名だけで売上が変わる具体的な方法
  4. 店内にいるお客さんからの売上を最大化する「購買行動7段階」の使い方

こんな方におすすめ

  • ✅ ホットペッパー・食べログのクーポン集客に依存していて、やめると不安な方
  • ✅ 忙しいのに利益が残らず、値引き以外の集客方法を探している飲食店経営者
  • ✅ 「うちの料理には自信があるのに、その価値がお客さんに伝わっていない」と感じている方
  • ✅ 値上げしたいが客離れが怖くて踏み切れない方
  • ✅ 販促=値引きだと思い込んでいて、他の方法を知らない方
飲食店の安売りの悪循環から抜け出す方法|値引き以外の集客術 | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

なぜ「値引き集客」はやめられなくなるのか

値引きクーポンが怖くてやめられない理由は、シンプルです。「クーポンをやめたら来なくなった実績」がお店に積み上がっているから。試しにクーポン割引率を下げたら予約が減った、という経験が一度でもあると、もう元に戻せなくなる。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。クーポン目当てで来たお客さんは、そもそも「そのお店のファン」ではなく、「その値段で食べられる場所を探していた人」です。クーポンなしでは来ない。これは当然です。なぜなら、最初から「割引ありき」で選ばれているから。

つまり、値引き集客を続ける限り、「定価で選ばれる理由」を作る機会が永遠に来ないんです。安売りすればするほど、「定価で来てくれるお客さん」の割合が下がっていく。これが悪循環の正体です。

「安売りを続けているお店は、お客さんに『このお店は安くないと行く価値がない』と教育し続けているのと同じです。値引きをやめることは勇気がいるように見えますが、実は『定価で選ばれる準備』を先に整えてから止めれば、ほとんどの場合でそれほど客数は落ちません」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 代表取締役)

STEP別:安売りの悪循環から抜け出す4つの手順

値引きをいきなりゼロにしようとするのは無謀です。準備なしに止めれば客数は落ちる。大切なのは「止める前に、定価で選ばれる仕組みを作る」という順番です。以下の4ステップで進めてください。

集客改善 STEP 1

「なぜ選ばれるのか」を言葉にする

まず最初にやることは、自店の強みを「お客さんの言葉」で言語化することです。自分が「うまい」と思っているポイントと、お客さんが「良い」と感じているポイントは、ずれていることがほとんどです。

鳥取県のあるラーメン店では、GoogleビジネスプロフィールとFood&Log(食べログ)の口コミをAIで分析したところ、「スープの質」「懐かしさ」「立地の便利さ」の3点がお客さんから繰り返し評価されていることがわかりました。その言葉をメニューのキャッチコピーにそのまま反映したところ、訴求力が大きく上がりました。難しいことは何もしていない。「お客さんが既に感じている価値を、見えるところに書いた」だけです。

⚠️ よくある失敗:「こだわりの食材を使用」「丁寧に仕込んだ」など、店側の視点で書いてしまう。お客さんが知りたいのは「食べるとどうなるか」「なぜこれを選ぶと自分はうれしいか」という視点(ご利益)です。

集客改善 STEP 2

メニュー名を「作業名」から「ご利益の言葉」に書き換える

「カット」「ハンバーグ」「焼き鳥盛り合わせ」――これらはすべて「作業名」または「商品名」です。お客さんには「自分にとってどう良いのか」が伝わっていません。

たとえば、こんなふうに書き換えてみてください。

❌ よくあるパターン(作業名・商品名のまま)

  • 「スペシャルランチプレート 1,800円」
  • メニュー説明なし、もしくは食材の産地だけ書いてある
  • お客さんは「で、何がいいの?」と感じたまま安いメニューに流れる

✅ 推奨アプローチ(ご利益の言葉で書き換え)

  • 「肉汁が口の中で弾ける!炙り焼きハンバーグ定食 1,800円」
  • 「一口食べると思い出す、昔ながらの濃いめのタレ 焼き鳥盛り合わせ」
  • お客さんが「これが食べたい」という理由を自分の中に作れる

和歌山県のある飲食店では、ランチに「ハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライ」の3種同時盛りプレートを2,300〜2,500円で開発し、地域にない独自コンセプトとして打ち出しました。結果として月商は130万円から450万円へと伸びています。値引きではなく「価値の見せ方」と「商品設計」を変えただけです。

⚠️ よくある失敗:全メニューを一気に書き換えようとして力尽きる。まず「一番売りたいメニューの1行説明」だけを書き換えるところから始めるのが正解です。

集客改善 STEP 3

店内のお客さんの「注文点数」と「再来店率」を先に上げる

新規集客を頑張る前に、今来てくれているお客さんからいただける売上を最大化することの方が、コストも手間もかかりません。僕がよく使う「顧客購買行動7段階モデル」で言うと、「注文」「会計」「再来店」の3段階の改善が最も費用対効果が高い。

具体的には:

  • メニューブックの一番上に「一番売りたいメニュー」を置く(安い順に並べると安いものしか売れない)
  • POPで「本日のスタッフのおすすめ」を一言手書きで添える
  • お会計の際に「次回使える再来店券(2週間限定)」を手渡す
  • LINE公式アカウントへの登録を促し、来月のイベント情報を届ける

これだけで、既存のお客さんの注文点数と来店頻度が上がります。新規客を1人獲得するコストは、既存客に再来店してもらうコストの5倍かかると言われます(一般的な商慣習における経験則)。まず足元を固めてから、外に向けて動く順番が基本です。

⚠️ よくある失敗:再来店券を渡すだけで、LINE登録や顧客リスト化まで進まず、次の接触手段がない状態になる。再来店のきっかけと同時に「連絡先を得る仕組み」をセットで作ること。

✓ ここまでのポイント

  • 値引き集客は「定価で選ばれる機会」を永遠に奪い続ける構造的な罠であること
  • メニュー名を「作業名」から「ご利益の言葉」に書き換えるだけで客単価は変わること
  • 新規集客より先に、既存客の注文点数・再来店率を上げる方が費用対効果が高いこと

「月商130万円→450万円を達成したお店も、最初にやったことはシンプルでした。値引きをやめる前に、来てくれているお客さんが『また来たい』と思える理由を一つひとつ積み上げた。その準備ができていたから、クーポンをやめても売上が落ちなかった。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 代表取締役)

集客改善 STEP 4

自力集客の仕組みをゼロから1つ作る

STEP 1〜3が整ったら、ようやく外に向けて動きます。ただし、最初から全部やろうとしないでください。Google広告・SNS・チラシ・Googleビジネスプロフィール・LINE広告……全部同時に始めると何も続きません。

まず1つだけ選んで、3ヶ月回してみる。最も費用対効果が出やすいのは「Googleビジネスプロフィールの最適化」と「Google広告(月3万円〜)」です。地域×業種キーワード(例:「清水区 焼肉 ランチ」)で検索したお客さんに対して、STEP 2で整えた「ご利益の言葉」を使った広告文を届ける。ターゲットを「宴会」「接待」「デート」別にランディングページを分けて作ると、さらに反応が変わります。

奈良県のうどん店では、既存メニューの麺の幅を少し広くしただけで、SNSで大きな反響が生まれました。特別な設備投資は一切なし。「既存要素の組み合わせを変える」だけで、見た目の差別化は作れます。新規集客のコンテンツに困ったら、まずは「既にあるもの」の見せ方を変えることから始めるとよいでしょう。

⚠️ よくある失敗:Googleビジネスプロフィールの情報が古いまま(営業時間・写真・説明文が未更新)で広告を出しても、クリックした後に離脱されるだけ。広告より先にプロフィールページの整備を終わらせること。

「値引きをやめたら客が減らないか?」に正直に答えると

ここは正直にお伝えします。段階的に止めても、最初の1〜2ヶ月は一時的に来店数が落ちることがあります。これは「クーポン目当てだったお客さん」が来なくなるからです。

でも、そこで止まらないでください。STEP 1〜3で「定価で選ばれる準備」が整っていれば、2〜3ヶ月後には客数は戻り始め、客単価は上がり、結果として利益は増えていきます。来客数が少し落ちても、利益が増えるというのは、経営として正しい方向への変化です。

「ホットペッパー・クーポン依存から抜け出して、自力集客の仕組みを作り上げた結果、月商300万円台だったお店が月商2億5,000万円を達成した事例もあります。もちろんそこまでの道のりは一歩ずつですが、値引きに頼り続けた先には、その未来は絶対にありません。」

増益繁盛クラブメンバー(飲食店経営者)の事例より

まとめ:値引きの悪循環は「順番」を変えれば抜け出せる

安売りの悪循環から抜け出すために、特別なスキルや大きな設備投資は必要ありません。必要なのは「正しい順番」だけです。

  1. お客さんの言葉で自店の強みを言語化する
  2. メニュー名と説明を「ご利益の言葉」に書き換える
  3. 今いるお客さんの注文点数・再来店率を上げる仕組みを作る
  4. 自力集客の仕組みを1つだけ選んで3ヶ月回す

この順番で進めれば、クーポンをやめても客数は維持でき、利益が残る構造に変わっていきます。20年以上、全国の飲食店・美容室経営者の方々と一緒に歩んできた中で、この順番を守って実践した方は、ほぼ例外なく手元に残るお金が増えています。

「もう少し詳しく学んでみたい」という方には、まず無料メールセミナーから始めていただくのが一番です。全12回で、値引きに頼らない集客の仕組みを順番に解説しています。読むだけで「次に何をすればいいか」が見えてきます。

また、具体的な販促の手順をすぐに手元で確認したい方は、以下の教科書もご参照ください。お客さんの購買行動を軸に、どの段階でどんな手を打てばいいかを体系的にまとめています。

👉 顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書

会員制コンサルティングで継続的にサポートを受けながら取り組みたい方は、こちらもご覧いただければ幸いです。プラチナクラス・センチュリオンクラスとも、いつでもお気軽にご相談いただけます。

👉 増益繁盛クラブ入会案内

値引きに頼らず、自分の店の価値で選ばれるお店にしていきましょう。一緒に取り組む準備はできています。

  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

-お客さんを増やしたい