8月も終わりに近づき、夏の繁忙期を乗り越えてひと息ついたタイミングで、「そういえば、うちって全然デジタル化できていないな」と気になり始めた経営者の方からのご相談が増えています。
飲食店のデジタル化というと、まず「POSレジ? モバイルオーダー? 予約システム? どこから手をつければいいのか」と頭が混乱しますよね。ところが実際にその悩みを掘り下げていくと、デジタルツールの話だけでは終わらない、もっと根本的な問いが浮かんできます。「そもそも、これを導入して売上は増えるのか? 利益は残るのか?」という問いです。
この記事では、よくいただく質問に一つひとつ答えながら、デジタル化と新しい収益の仕組みを「利益が残る」視点でどう考えるかをお伝えします。
📋 この記事でわかること
- POSレジ・モバイルオーダー・予約システムの「始める順番」の考え方
- デジタル化にお金をかける前に整えるべき「利益の出る仕組み」の視点
- 「業種の枠」を外した新規事業の発想法と、既存リソースを使った具体的なアプローチ
- 客単価・月商を改善した実例をもとにした、今日から動ける手順
こんな方におすすめ
- ✅ デジタル化を検討しているが、どのツールから導入すればいいか迷っている飲食店経営者の方
- ✅ POSレジやモバイルオーダーを入れたものの、利益改善につながっていないと感じている方
- ✅ 「次の一手」として新しい収益源を作りたいが、何から考えればいいか分からない方
- ✅ 値引きやクーポンに頼らず、仕組みで売上を安定させたい方
- ✅ フル稼働に限界を感じていて、回る仕組みを作りたい方

目次
Q. デジタル化って、まず何から始めるのが正解ですか?
結論から言うと、「ツールを選ぶより先に、何を解決したいかを決める」ことが正解です。
POSレジ、モバイルオーダー、予約システム——この3つはそれぞれ解決する課題が違います。
- POSレジ:売上・在庫・メニュー別の売れ行きを「見える化」する
- モバイルオーダー:ホールスタッフの負担を減らし、注文ミスをなくす
- 予約システム:電話対応の手間を減らし、席の稼働率を上げる
「とりあえず全部入れよう」と動くと、月々の固定費だけが増えて利益を圧迫します。今のお店で一番「時間とお金が漏れている穴」はどこかを先に確認してください。
たとえば、「ランチは満席なのに夜が閑散としている」なら予約システムより、夜の集客の仕組みを先に整える方が優先です。飲食店の経営で何を相談すれば前進するかの考え方でも触れていますが、ツールの前に「どの課題に手をつけるか」の整理が最初の一歩です。
「ツールを選ぶより先に、何を解決したいかを決める」と書きましたが、その「解決したい課題」自体がまだぼんやりしている、という方が実際には多いです。無料小冊子『顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書』では、お客さんの行動を「認知→来店→購入→再来店」の8ステップに分解し、どのステップに穴があるかを自分で診断できる構成になっています。メールアドレスだけで受け取れます。
Q. POSレジを入れると売上は上がりますか?
POSレジそのものは「売上を上げるツール」ではなく、「判断の精度を上げるツール」です。
POSレジを入れると、どのメニューが何時に何皿売れているかが分かるようになります。これは大事なデータです。ただし、データが見えるようになっただけでは売上は動きません。そのデータをもとに「売れていないメニューを減らす」「売れ筋と組み合わせるセットを作る」という行動をセットにして初めて意味を持ちます。
逆に言えば、POSレジがなくてもノートと電卓でざっくりと同じことはできます。まずは「今月一番売れたメニューと、一番利益率が高いメニューは何か」を確認するところから始めてみてください。
Q. モバイルオーダーは本当に人件費削減になりますか?
「なる場合もあるし、ならない場合もある」が正直なところです。
モバイルオーダーで注文受付の手間は減ります。ただし、その分空いた時間をどう使うかが決まっていないと、スタッフが手持ち無沙汰になるだけです。
本当に効果が出るのは、「ホールの動きを設計し直した」お店です。注文受付にかかっていた時間を、お客さんへの一声かけ・追加注文の提案・退店後の素早い片付けに振り向ける。こうした「動きの再設計」が伴って初めて、客単価アップと回転率向上につながります。
✓ ここまでのポイント
- デジタルツールは「何を解決したいか」を決めてから選ぶ。ツールが先になると固定費だけが増える。
- POSレジはデータを見えるようにするだけ。そのデータをもとに「行動する」セットが必要。
- モバイルオーダーは「導入=人件費削減」ではなく、ホールの動きを設計し直して初めて効果が出る。
「既存リソースの新しい組み合わせ」で新規事業を作るという話をしましたが、「自分のお店で具体的にどう考えるか」まで落とし込むには、もう少し体系的な地図が要ります。無料小冊子には「収益源を複数つくる」「1店舗多業態戦略」の考え方も収録されており、巻末の自店診断ワークシートで今日から書き込めます。完全無料、登録は30秒です。
Q. 予約システムはどれを選べばいいですか?
選ぶ基準を一つあげるとすれば、「Googleビジネスプロフィールと連携できるか」です。
Googleマップから予約まで完結する動線を作ると、ホットペッパーや食べログに依存しなくても新規のお客さんを取れる可能性が広がります。飲食店の集客コンサルに依頼する前によくある質問でも触れていますが、外部ポータルサイトへの依存度を下げることは、利益率の改善に直結する大事な視点です。
ツール選びに迷ったら、まず「無料トライアル期間があるか」「月額固定費はいくらか」「解約しやすいか」の3点を確認してください。スモールスタートできるものを選ぶのが鉄則です。
Q. デジタル化とは別に、新しい事業を立ち上げたいのですが何から始めればいいですか?
ここが実は、多くの飲食店経営者が一番詰まるところです。
「新しい事業を始めたい」と思ったとき、多くの方が「飲食店だから、飲食の何かを増やさないと」と考えます。でも、お客さんは業種業態で選んでいるわけではありません。「自分の悩みを解決してくれる」「自分の望みを叶えてくれる」お店を選んでいます。
だから、新規事業のヒントは「うちのお客さんが他にどんな悩みや望みを持っているか」から探すのが正しい順番です。
「新しい事業はゼロから作るものだと思っている方が多いんですが、実はカツカレーと同じです。カツとカレーはそれぞれ昔からある。それを組み合わせた人が生み出した。自店の顧客・立地・スタッフ・ノウハウという既存のリソースに、他業種の発想を組み合わせるだけでいい。そこに気づいたお店は、設備投資ゼロで新しい収益源を作っています。」
ハワード・ジョイマン(中小企業診断士・店舗利益最大化専門コンサルタント)
わかりやすい例で言うと、千葉県のお好み焼き店が製薬会社向けに単価2,500〜3,000円の弁当を朝50個受注する仕組みを作った事例があります。「お好み焼き屋だからお好み焼き」という枠を外し、「近隣の法人顧客が昼食に困っている」という悩みに応えた。これがまさに「既存リソースの新しい組み合わせ」です。
チェックポイント1:自分のお店の「既存リソース」を棚卸しする
顧客層・立地・スタッフのスキル・調理設備・仕入れルート・営業時間の空き——この6つを紙に書き出してみてください。「使えていないリソース」が必ず見つかります。
✅ ポイント:特にランチとディナーの間の「アイドルタイム」と、仕込みの合間に動ける「スタッフの手」は新規事業の種になりやすい。
チェックポイント2:お客さんの「他の困りごと」を書き出す
常連さんとの会話の中で出てくる愚痴・要望・生活の話に注目してください。「駐車場が近くにないのが不便」「夜遅くでも食べられる場所が少ない」「仕事帰りに手土産を買える店がない」——こうした声の中に、次の事業のタネが隠れています。
✅ ポイント:「業種ではなくお客さんの問題解決」という視点に切り替えると、見える景色が変わる。まずは一週間、お客さんの声を「困りごとメモ」として書き留める習慣をつけてみてください。
チェックポイント3:「自分にしかできない仕事」と「任せられる仕事」を分ける
新規事業を立ち上げようとすると、「今の店を回しながら新しいことをやる時間がない」という壁に当たります。だからこそ、今の現場業務の中で「自分でなくてもできること」を一つ手放すことが先決です。
✅ ポイント:やることを増やす前に、やめることから決める。これが仕組みづくりの鉄則です。
「客単価改善で月商230万円を達成できました。フル稼働しなくても回る体制に近づいてきて、毎日に目的地ができた感じがします。」
オーナー1人+アシスタント構成のサロン経営者(40代・女性)
これは美容サロンの事例ですが、飲食店にも同じ構図があります。フル稼働しなくても利益が出る体制を作るには、「仕組み」と「客単価の設計」がセットで必要です。デジタルツールはその仕組みを回すための道具の一つに過ぎません。
Q. デジタル化や新規事業を「一人でやろうとして詰まる」のはなぜですか?
思い当たる方は多いんじゃないかと思います。「何からやるか分からない」「やろうとしたけど忙しくて後回し」「誰かに相談したいけど相談相手がいない」——この3つが重なって、結局何も動かないというパターンです。
アメリカンエキスプレスは運送業から保険業、トラベラーズチェック、そしてクレジットカードへと事業の形を変え続けてきました。「時代に合わせて事業の定義を変えていい」という発想は、飲食店でも同じです。ただ、その発想の転換を一人でやろうとすると、どうしても「今やっていること」の延長線上でしか考えられなくなります。
だからこそ、飲食店コンサルの料金相場と契約前に確認したい質問を参考にしながら、外部の視点を早い段階で取り入れることが、結果的に最短ルートになります。
まとめ:デジタル化は「手段」、目的は利益が残る仕組みを作ること
POSレジ・モバイルオーダー・予約システム、どれも便利なツールです。ただ、これらは「売上を増やしてくれるもの」ではなく、「今ある課題を効率よく解決するもの」です。
そして新規事業も、ゼロから何かを作る必要はありません。今持っている顧客・立地・スタッフ・ノウハウという資産に、「お客さんの問題解決」という視点を組み合わせる。それだけで、設備投資なしに新しいお金の流れを作ることができます。
大切なのは「値引きせずに選ばれる仕組み」を、デジタルの力も借りながら丁寧に積み上げていくことです。
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「フル稼働しなくても回る体制に近づいた」という声を紹介しましたが、そこに至るまでに必要だったのはツールではなく、「仕組みの設計」と「外部からの視点」でした。増益繁盛クラブでは、全国の飲食店・美容室経営者が毎月実践ノウハウを共有しながら、孤独な決断を一人でしない環境をつくっています。入会案内ページで内容とクラス別の料金を確認できます。