「コンサルを頼もうと思っているんですが、どこを見て選べばいいですか?」
先日、東海地方で居酒屋を営む40代の男性経営者からこんな相談を受けました。話を聞くと、すでに2社のコンサル会社から提案書をもらっていた。内容は集客施策の話ばかり。「でも何か違う気がして、踏み切れなくて…」とおっしゃっていたんです。
その「何か違う」という感覚は、正しいと思います。
コンサルを選ぶ視点は、すでに他の記事でいくつかお伝えしています。今回は少し角度を変えて、ある特定の問いを軸にして話をしたいと思います。それは——
「そのコンサルは、スタッフが楽しそうに働く店を一緒に作ろうとしてくれるか?」
この一点です。
📋 この記事でわかること
- なぜ「スタッフが楽しく働ける店」がコンサル選びの基準になるのか
- 働きがいは福利厚生ではなく「事業の設計」から生まれるという考え方
- スタッフの個人目標と店のビジョンをつなぐ具体的なアプローチ
- コンサルに相談する前に経営者自身が整えておくべきこと
こんな方におすすめ
- ✅ スタッフの離職が続いており、根本から組織の在り方を見直したい方
- ✅ 売上の数字より「スタッフが誇りを持てる店」を作りたいと思っている方
- ✅ コンサルに頼みたいが、集客や値引き施策だけで終わるのが不安な方
- ✅ 自分のビジョンをスタッフに伝えられていないと感じている飲食店経営者の方
- ✅ 良い人材に長く活躍してもらえる職場環境を整えたい方

目次
「スタッフが楽しそうに働く店」は、お客さんが最終的に選ぶ店
これは僕が20年以上、全国の飲食店経営者と向き合ってきた中で確信していることです。
料理のクオリティが同レベルだったとき、お客さんが最後に選ぶのは「居心地の良い店」です。そしてその居心地の良さは、ほぼスタッフの雰囲気から生まれます。スタッフが生き生きしていない店は、どれだけ内装に投資しても、どれだけメニューを磨いても、何かが足りない空気が漂ってしまう。
でも多くの飲食店経営者は、目の前の忙しさに追われて、スタッフが「ただ作業をこなす人」のまま時間が過ぎていく。研修もない、キャリアの話もしない、日々の指示だけがあって、やりがいを感じる前に辞めていく……そういうサイクルに心当たりのある方は多いんじゃないかと思います。
ここで大事なのが、働きがいは福利厚生やレクリエーションで作るものではない、ということです。食事補助を出しても、誕生日にプレゼントを渡しても、スタッフが「この店で働く意味」を感じていなければ、長続きしません。
働きがいは、事業の設計そのものから生まれる。そしてその設計を一緒に考えてくれるかどうかが、コンサルを選ぶときに見るべき視点の一つです。
「集客の施策を並べてくれるコンサルはたくさんいます。でも、スタッフが誇りを持てる店の作り方を一緒に考えてくれるコンサルは、少ない。経営者が孤独な決断を一人で背負わないためにも、この視点で選んでほしいと思います。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
スタッフにビジョンを伝えたくても、そもそも「自分の店が何のためにあるのか」を言葉にできていないと感じた方は、まず販促改善の教科書で「お客さんの購買行動8ステップ」を手元に置いてみてください。お客さんを動かす仕組みの全体像が分かると、スタッフに伝えるべき「自分の仕事の意味」も自然と言語化できるようになります。メールアドレスだけで、30秒で受け取れる無料小冊子です。
月商300万円から2億5,000万円へ——その経営者が語った転機
増益繁盛クラブの会員さんの中に、月商300万円から月商2億5,000万円を達成した飲食店経営者がいます。
この数字だけを聞くと「特別な天才がやったこと」に聞こえるかもしれません。でも、その経営者がコンサルを受け始めた最初の頃に何を変えたかというと、まず取り組んだのはスタッフとのビジョンの共有でした。
「どんなお客さんを、どんな価値で、どう幸せにするお店なのか」を言語化して、スタッフ全員と向き合って話し合った。メニュー開発の前に、広告の前に、それをやった。
それまでは店長が言ったことをスタッフがただこなす、という構造だった。それが変わることで、スタッフが「自分もこの店を作っている」という意識を持ち始めた。その変化が接客に出て、口コミに出て、リピートにつながっていった。
売上が2億5,000万円になったのはその先の話で、基盤にあったのは「スタッフが意味を感じて働ける環境」だったんです。
「月商300万円の頃は、スタッフに指示を出すことで精一杯でした。コンサルを受けて最初にやったのは、自分の店が何のために存在するのかを言葉にすること。それをスタッフと共有してから、店の雰囲気が変わりました。」
飲食店経営者(増益繁盛クラブメンバー)
✓ ここまでのポイント
- スタッフが生き生き働く店は、お客さんに選ばれる店になる
- 働きがいは福利厚生ではなく「事業設計」と「ビジョンの共有」から生まれる
- 大きな業績変化の手前には、スタッフとの対話という地味な一手があった
「ビジョンを紙1枚に書いてみる」と言われても、何をどう書けばいいか分からない——そう感じた方は、巻末の自店診断ワークシートが手がかりになります。事業の強み・お客さん像・提供する価値を書き出す項目が入っているので、スタッフとの共有資料として使うこともできます。完全無料で、登録はメールアドレスのみです。
コンサルを選ぶ前に、経営者自身が整えるべきこと
ここからが今日の本題です。
コンサルに何かを依頼する前に、経営者自身が一度向き合ってほしいことがあります。それが「スタッフ一人ひとりの個人目標を聞いたことがあるか」という問いです。
資格を取りたい、いつか独立したい、料理をもっと学びたい、趣味のために土曜日を休みたい——スタッフが何を目指しているかを知っていますか?
この問いに「知っている」と答えられる経営者は、実は少ないです。多くの場合、日々の業務指示はあっても、スタッフの人生の話をしたことがない。
音楽教室が発表会を定期的に開くのは、生徒に「上達した自分を人前で見せる場」を設けることで、続ける理由を作っているからです。それと同じで、スタッフにも「この店で目標を達成できた」という経験の場を用意することが、長く働き続けてもらうための土台になります。
コンサルに頼む前に、まずこれを整えてほしい。そしてこの視点を持ったうえで、コンサルがその設計を一緒に考えてくれるかどうかを確かめてください。
チェックポイント1:スタッフの個人目標を把握しているか
採用面接以降、スタッフの「将来の夢や目標」について話したことがあるか振り返ってみてください。「仕事ができていればいい」という空気があると、スタッフは職場を「通過点」としか感じられなくなります。
✅ ポイント:月に1回、10分でいいので個別に話す時間を作る。目標を聞く→店でどう活かせるかを一緒に考える、というサイクルが定着すれば、スタッフの意識が変わり始めます。
チェックポイント2:社長自身のビジョンが言葉になっているか
「どんなお客さんを大切にしたいか」「この店で何を実現したいか」——これが経営者の頭の中にぼんやりとあるだけで、スタッフに伝わっていない場合、スタッフは「言われたことをやる人」のままです。
✅ ポイント:ビジョンを紙1枚に書いてみる。書けない場合は、書けないこと自体がスタッフに伝わっていない理由です。コンサルに依頼する前に、まずここを言語化することが最初の一歩になります。
チェックポイント3:スタッフが「自分の仕事の意味」を説明できるか
スタッフに「あなたの仕事は何のためにありますか?」と聞いたとき、「料理を出すためです」とだけ答えるか、「お客さんが笑顔で帰れるようにするためです」と答えるかは、大きな差です。
✅ ポイント:スタッフが仕事の意味を語れるようになるには、まず経営者がそれを語れていることが前提。社長のビジョンが共有されていれば、スタッフの言葉も自然と変わっていきます。
「良いコンサル」と「合わないコンサル」の分岐点
集客施策を提案するだけのコンサルと、事業設計から一緒に考えるコンサルは、初回の提案を聞けばだいたい分かります。
❌ よくあるパターン(集客偏重型)
- 「まずSNSを強化しましょう」「食べログの順位を上げれば客が来ます」という提案が先に来る
- スタッフの状況や組織の状態を聞かれることがない
- 売上の数字だけを目標に設定しようとする
✅ 推奨アプローチ(事業設計から入る型)
- 「どんなお客さんに来てほしいか」「スタッフが何人いて、どんな状態か」を最初に聞いてくれる
- 売上より利益を基準に、逆算で施策を組み立てようとする
- 経営者のビジョンを引き出してから、具体的な手を考える順番を踏んでいる
スタッフが楽しく働ける店づくりを本気で目指すなら、コンサルの入り口は「集客から」ではなく「ビジョンの言語化から」であるべきです。そのプロセスを一緒に歩んでくれる伴走者かどうかを、最初の面談で必ず確認してください。
「良いコンサルかどうかは、最初の面談で何を聞いてくるかで分かります。売上目標より先に『どんな店にしたいですか』と聞いてくれる人が、長く一緒に歩ける相手だと思っています。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
まとめ——コンサルを選ぶ前に、問いかけてほしい一つのこと
今回お伝えしたかったのは、集客の手法や料金プランを比べる前に、「この人は、スタッフが誇りを持てる店を一緒に作ろうとしてくれるか」という問いをコンサルに向けてほしい、ということです。
売上はお客さんの購買行動の結果であり、その行動を動かすのは最終的にスタッフの姿勢です。スタッフが「この店で働いてよかった」と感じている店は、お客さんにとっても「また来たい」と感じる店になっていきます。
月商300万円から2億5,000万円を達成した経営者が最初に取り組んだのも、派手な集客施策ではなく、ビジョンを言語化してスタッフと共有することでした。その土台があったからこそ、その後の施策が積み重なっていった。
コンサルを選ぶのは、その土台を一緒に作れる人を選ぶことでもあります。
僕が20年以上、北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、飲食店・美容室の経営者と向き合ってきた中で繰り返し見てきたことを、今回は「コンサルを選ぶ視点」という角度からお伝えしました。
何から手をつければいいか、まず考え方の全体像を整理したい——そう思った方は、次のステップから始めてみてください。
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