先日、ある飲食店のオーナーさんからこんな相談をいただきました。
「ジョイマンさん、実は以前に別のコンサルタントに依頼したことがあるんです。月に1回来てくれて、いろいろアドバイスはもらったんですが……結局、自分が現場から離れられないまま1年が過ぎて、何も変わらなかった。また違うコンサルに頼もうか迷っているんですが、今度こそ失敗したくなくて」
思い当たる方は多いんじゃないかと思います。コンサルタントを比べる前に、実は「何を解決したいのか」が自分の中で整理できていない。そのまま「実績があるか」「料金が安いか」「有名か」という軸で比べてしまうと、契約後に「なんか違う」となりやすいんです。
この記事では、飲食店経営者の方が経営コンサルタントを選ぶときに陥りやすい比較の失敗パターンと、後悔しない依頼基準を整理してお伝えします。特に「自分が現場から抜けられない」「忙しすぎて経営のことを考える時間がない」という状況にある方に向けて、具体的な判断軸を示します。
📋 この記事でわかること
- コンサルタントを選ぶときによくある「比較の失敗パターン」3つ
- 「現場から抜けられない社長」がコンサルに求めるべき本当の基準
- 依頼前に確認すべき具体的なチェックポイント
- コンサルと自力改善、どちらが自分に合っているかの判断基準
こんな方におすすめ
- ✅ 以前コンサルに依頼したが「アドバイスだけで終わった」と感じた方
- ✅ 現場に入りすぎて経営戦略を考える時間が取れない飲食店オーナーの方
- ✅ コンサルへの依頼を検討しているが、費用対効果が不安な方
- ✅ 「売上より利益」を重視した経営に切り替えたいと考えている方
- ✅ 自分がいなくても店が回る仕組みを作りたい経営者の方

目次
よくある比較の失敗パターン3つ
飲食店経営者の方がコンサルタントを選ぶときに、繰り返し見られる失敗パターンがあります。
チェックポイント1:「実績の数字」だけで判断している
「月商〇〇億円を達成した実績あり」「全国〇〇店舗を支援」という数字は目を引きます。ただ、その実績が自分の店の規模・業態・悩みと合っているかは別の話です。月商数億円の大型チェーンへの支援と、月商300〜500万円の個人経営の飲食店への支援は、課題の性質がまったく違います。
✅ ポイント:自分と近い規模・業態の事例が具体的にあるか確認すること。「どんな悩みを持つ店主が、何をして、どう変わったか」がセットで語られているかどうかが判断の材料になります。
チェックポイント2:「アドバイス型」か「伴走型」かを確認していない
コンサルタントには大きく2つのタイプがあります。「分析して課題と解決策を提示する」アドバイス型と、「実行まで一緒に動く」伴走型です。アドバイス型は課題整理には優れていますが、実行力がないオーナーには「言われたことが分かるけど動けない」で終わることがあります。
✅ ポイント:「毎月レポートをもらうだけ」「セミナーで話を聞くだけ」になりやすい契約形態ではないか確認する。「実際に何をどう動かしてくれるか」を事前に具体的に聞くことが大切です。
チェックポイント3:「自分の一番の悩み」と合っていない専門家を選んでいる
集客が得意なコンサル、数字管理が得意なコンサル、採用・育成が得意なコンサル——それぞれ強みは違います。「現場から抜けられない」「売上は立っているのに利益が残らない」という悩みに対して、SNSマーケティング特化のコンサルに頼んでも、根本の問題は解決しません。
✅ ポイント:自分の「今一番きついこと」を1つに絞り、それに直接答えてくれる専門家かどうかで判断する。依頼する前に「この悩みに対してどうアプローチしますか?」と聞いてみることが有効です。
✓ ここまでのポイント
- 「実績の数字」だけでなく、自分と近い規模・業態の具体的な事例があるかを確認する
- 「アドバイス型」と「伴走型」の違いを把握し、実行まで支援してくれるかを確認する
- 自分の「今一番きつい悩み」を1つに絞り、そこに強みを持つ専門家を選ぶ
「何をやめるか」が決まらないまま施策だけ増やしても、社長の現場依存は解消されない——この記事で繰り返しお伝えしてきたことです。小冊子では、今日からできる客単価対策と再来店対策の具体策を、実行の優先順位つきで整理しています。登録はメールアドレスのみ、完全無料です。
「自分がいないと店が回らない」という状態のまま、何か新しい施策を増やしても実行する時間がない——この記事を読んでそう感じた方も多いはずです。小冊子『顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書』では、購買行動を8ステップに分解し「取り組む正しい順番」を具体的に解説しています。メールアドレスだけで、30秒で受け取れます。
「現場から抜けられない社長」が本当に求めるべきもの
正直に言います。飲食店経営者の方からいただく相談で、最も多いパターンの一つがこれです。
「自分がいないと店が回らない。でも、いつまでも現場に立っていたら体も限界だし、経営のことを考える時間がまったく取れない」
この状態でコンサルタントに「新しい集客施策を教えてほしい」と依頼しても、うまくいかないことが多いです。なぜかというと、施策を実行する時間がそもそもないから。
「社長が現場から抜けられない一番の理由は、技術の問題でも、スタッフの問題でもないことが多い。社長自身が『自分でやったほうが早い』という信念を手放せていないだけ、というケースがほとんどです。この信念を変えることが、経営改善の第一歩です」
ハワード・ジョイマン(中小企業診断士/繁盛店研究所代表)
現場から抜けられない社長がコンサルに求めるべきは、「新しいことを増やすノウハウ」ではなく、「今やっていることの中から何をやめるか・誰に任せるか」の整理を一緒にやってくれることです。
❌ よくある依頼の失敗パターン
- 「集客施策を教えてほしい」と依頼したが、実行する時間が取れずに終わった
- 「SNSを強化したい」と言われ、毎日投稿のルーティンを組まれたが続かなかった
- アドバイスの量が多すぎて、何から手をつければいいか分からなくなった
✅ 後悔しない依頼の基準
- 「今週何をやめるか」を一緒に決めてくれるかどうか
- 「社長の時間の使い方」を棚下ろしすることを支援してくれるかどうか
- 施策の実行順序を、社長の現状のキャパシティに合わせて組んでくれるかどうか
実際に私がサポートする際には、1週間の時間の使い方を15分単位で書き出してもらうところから始めます。それをやると、社長じゃなくてもできる仕事に何時間費やしているかが一目で分かります。「やることを増やす前に、やめることから決める」——これが仕組み化の正しい順番です。
この考え方については、飲食店経営の改善で料理の腕より先に整えるべき集客の仕組みでも詳しく触れていますので、合わせて参考にしてみてください。
コンサルを選ぶ前に確認すべき3つの判断軸
「現場から抜けられない」という状態にある飲食店オーナーさんが、コンサルタントへの依頼を検討するときに確認してほしいことが3つあります。
判断軸 STEP 1:「やめること」を一緒に決めてくれるか
依頼前に確認すること
「現在の業務の中から何をやめるか・誰に任せるかを整理するサポートをしてもらえますか?」と聞いてみてください。「それはご自身で考えて、集客施策は私が担当します」という回答なら、現場依存の構造はそのまま温存されます。施策を実行できる時間を先に作らないと、どんな良い施策も絵に描いた餅になります。
⚠️ よくある失敗:「いいアドバイスをもらったが、実行する時間がなくて何も変わらなかった」は、この確認を省いたケースに多く見られます。
判断軸 STEP 2:「仕組み化」の支援があるか
依頼前に確認すること
社長がいなくても店が回る状態を作るためには、接客マニュアル・スタッフへの権限委譲・販促物の標準化・追加収益源の設計(デリバリー・法人向けなど)といった「仕組み」が必要です。「月1回のレポートと施策提案だけ」のコンサルでは、この部分はカバーされません。
⚠️ よくある失敗:「スタッフに任せたいが何をどう任せればいいか分からない」という状態で終わってしまうケースは、仕組み化の支援がないコンサル契約に多いです。
判断軸 STEP 3:「利益ベース」で考えてくれるか
依頼前に確認すること
「売上を〇〇万円にしましょう」という目標設定を提案してくるコンサルと、「まず手元に残る利益を〇〇万円にするために、客単価と粗利率をどう設計するか」から入るコンサルでは、経営改善の方向性がまったく違います。売上を追いかけるほど現場が忙しくなり、社長は現場から抜けられなくなります。
⚠️ よくある失敗:「売上は上がったが、忙しさも増してキャッシュは変わらなかった」という結果になるのは、利益ベースの設計が抜けているケースです。
なお、コンサルへの依頼を検討される際は、飲食店の集客コンサルに依頼する前によくある質問と費用・効果の考え方も事前に読んでおくと、比較の際の判断材料が増えます。
実際に変わったオーナーさんの事例
「フル稼働しないと店が回らない、という状態から抜け出せたのは、自分の時間の使い方を整理したことがきっかけでした。客単価も改善して月商230万を達成できましたし、何より毎日に目的地ができた感覚があります」
オーナー1人+アシスタント体制の飲食店(女性・40代)
このオーナーさんが最初に取り組んだのは、新しい施策の追加ではありませんでした。「自分がやっていた仕事のうち、アシスタントに任せられるものを書き出す」ことでした。書き出してみると、実は社長じゃなくても回る仕事が山ほどあった。そこを手放してはじめて、客単価の見直しや販促設計に時間を使えるようになったんです。
「何をやめるか」を先に決めないと、コンサルを使っても時間は生まれません。これは、20年以上・全国の飲食店オーナーさんを支援してきた中で、繰り返し確認してきたことです。
「コンサルタントを選ぶとき、多くの方が『何を教えてくれるか』で比べようとします。でも本当に大切なのは『自分が動けるようになる仕組みを一緒に作ってくれるか』です。アドバイスは本でも読めます。一緒に動いてくれる人かどうか——ここで選んでください」
ハワード・ジョイマン(中小企業診断士/繁盛店研究所代表)
コンサルと自力改善、どちらが合っているか
「コンサルに頼むべきか、まず自分でやってみるべきか」という悩みも、よく聞かれます。
❌ コンサル依頼が早すぎるパターン
- 自分の店の現状数字(客単価・粗利率・リピート率)を把握していない段階で「とにかく集客を増やしたい」と依頼する
- 「コンサルに任せれば勝手に良くなる」という期待で依頼する(実行するのはオーナー自身です)
- 今の経営課題が「集客」なのか「利益率」なのか「仕組み化」なのか、自分でまだ整理できていない
✅ コンサル依頼が効果的なパターン
- 「何が問題かは何となく分かるが、何から手をつければいいかが分からない」状態にある
- 「施策のアイデアは出るが、自分一人では動けない」という実行の壁を感じている
- 「孤独な決断を一人でしてきたが、相談できる相手が欲しい」という状態にある
自力改善のスタートとして有効なのは、まず自店の現状を「知る→興味→来店→入店→注文→会計→再来店」という7段階の購買行動に分解して、どの段階が弱いかを自己診断することです。この診断ができると、コンサルに依頼するときに「ここを一緒に改善したい」と具体的に伝えられます。
また、コンサルタントを選ぶ際の外部専門家の見極め方については、飲食店の経営コンサルにどんな悩みを相談すれば前進するかでも整理していますので、参考にしてみてください。
まとめ:後悔しないコンサルの選び方は「自分の悩みを1つに絞ること」から
飲食店経営コンサルタントを選ぶとき、料金や知名度や実績数で比べるのは自然なことです。ただ、それだけで選ぶと「何かアドバイスをもらったけど、結局自分は変わらなかった」という結果になりやすい。
特に「現場から抜けられない」という悩みを持つオーナーさんに伝えたいのは、「やることを増やす前に、やめることから決める」という順番です。この順番を一緒に整理してくれるコンサルかどうか——これが、後悔しない依頼基準の一番シンプルな判断軸だと思っています。
コンサルタントへの依頼を検討する前に、まず自店の現状と課題を整理したいという方には、無料で受け取れる小冊子からスタートするのが一番ハードルが低いです。
コンサルに「一緒に動いてくれるか」を選ぶ基準にしてほしい、と記事でお伝えしました。増益繁盛クラブでは、施策提案だけでなく実行まで伴走するサポートと、全国の経営者との実践ノウハウ共有の場を月次で提供しています。入会案内ページで会員クラスの内容と料金を確認したうえで、次の一歩を判断してください。