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飲食店の業態転換の成功事例|コロナ後に生まれた新業態に学ぶ

先日、久しぶりに静岡市清水区の旧友と飯を食いに行ったんです。彼とは20年来の付き合いで、地元でちょっとした居酒屋を経営しています。久しぶりに会ったのに、席に着いて最初の一言が「ジョイマン、うちも業態変えようかと思っててさ」でした。

コロナ禍から数年。静岡でも、東京でも、地方の町でも、「業態転換」という言葉が飲食店の間でずいぶんと市民権を得ました。ただ、実際にうまくいった店と、動いたけど空回りした店には、はっきりとした差があります。

今日はその差について、全国の増益繁盛クラブ会員さんたちの実例を交えながら、正直に話してみようと思います。僕自身、大学卒業後に市役所に勤めながら週末はイタリアンレストランで無給の現場修行をしていたことがあるので、飲食の現場の空気は他のコンサルタントよりも少しだけ近くで知っているつもりです。

📋 この記事でわかること

  1. コロナ後に業態転換で成功した飲食店の具体的な共通点
  2. 「既存リソースの組み合わせ」で新業態を生み出す発想の転換法
  3. 業態転換で陥りやすい失敗パターンと回避のポイント
  4. 今日から動ける、業態転換の第一歩の踏み出し方

こんな方におすすめ

  • ✅ コロナ後も売上が戻りきらず、業態の見直しを考えている飲食店経営者の方
  • ✅ 「業態転換」に興味はあるが、何から始めればよいか分からない方
  • ✅ 新規事業や副収益源を作りたいが、大きな設備投資はしたくない方
  • ✅ 値引きやクーポンに頼らない集客の仕組みを作りたい方
  • ✅ 他店の成功事例から自分の店に使えるヒントを探している方
飲食店の業態転換の成功事例|コロナ後に生まれた新業態に学ぶ | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

「業態転換」の本質は「お客さんの問題解決業」への再定義にある

僕が最初にこの視点を持ったのは、実はお笑い芸人時代の経験からです。漫才って、「ネタを披露する」という商品があるわけじゃなくて、「お客さんに笑ってもらう体験を届ける」という目的がすべてなんですね。ネタがウケなければ形式を変える。それだけ。

飲食店も同じで、「ラーメン屋だからラーメンを売る」「居酒屋だから夜の飲み客を相手にする」という縛りは、実はお店側が勝手に作っているものです。

僕がよく使う例えがあります。アメリカンエキスプレスはもともと運送業でした。それが保険業に変わり、トラベラーズチェックになり、やがてクレジットカードになった。事業の「形」は変わったけれど、「お客さんの利便性と安心を届ける」という本質は変わっていない。

業態転換で成功した飲食店の経営者さんたちも、例外なく「うちは〇〇屋だから」という枠を外すことから始めています。

❌ よくある業態転換の失敗パターン

  • 「流行っているから」という理由でキッチンカーやデリバリーを始めるが、既存顧客との接点を活かせていない
  • 業態を変えることで既存の強み(常連客・立地・スタッフのスキル)を捨ててしまう
  • 設備投資を先行させてしまい、資金繰りが逆に苦しくなる

✅ 成功する業態転換のアプローチ

  • 既存の顧客・立地・スタッフ・調理スキルというリソースを起点に考える
  • 「どんな問題を解決するお店か」を言語化してから、新しい業態の形を設計する
  • まず小さく試して、反応を見てから拡大する

コロナ後の成功事例に学ぶ「既存要素の組み合わせ」という発想

全国の増益繁盛クラブ会員さんの中で、業態転換に近い形で成果を出した事例をいくつか紹介させてください。

千葉県のお好み焼き店のオーナーさんは、コロナ禍に「店内の売上だけに頼っていたらダメだ」と気づき、製薬会社の営業担当者向けの弁当(通称・MR弁当)を朝50個受注するルートを作りました。単価は2,500〜3,000円。ランチタイムの開店前に配達を終えて、昼は通常営業。店の調理設備とスタッフをそのまま使い、ゼロの設備投資で「第2のお財布」を作った形です。

和歌山県の飲食店では、ランチのメニューを「ハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライを一皿に盛る」という2,300〜2,500円のプレートに変えました。地域にそのコンセプトのお店がなかったため、SNSで話題になり、客単価と客数が同時に伸びた。新しいものを一から作ったわけじゃなくて、「既存の食材を組み合わせて新しい体験を作った」だけです。

奈良県のうどん店は、麺の幅を少し広めに変えただけでSNS投稿が拡散し、注文数が1.5倍になりました。これはまさに「既存要素の組み合わせを変えるだけで差別化できる」というメソッドの典型。業態転換というと大げさに聞こえますが、実は「提供体験の再設計」というほうが正確かもしれません。

「カツカレーはカツ料理の革命でも、カレーの革命でもない。カツとカレーを組み合わせただけ。消しゴム付き鉛筆も同じ。新しい事業は、ゼロから生み出すのではなく、手元にあるものの組み合わせを変えることから始まる。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)

✓ ここまでのポイント

  • 業態転換の本質は「飲食業」という枠を外し、「お客さんの問題解決業」として事業を再定義すること
  • 成功事例の共通点は「既存のリソース(顧客・調理技術・立地)を活かした新しい組み合わせ」を作っていること
  • 設備投資ゼロ・3ヶ月以内に効果が出た事例が全国に存在する

業態転換を「仕組み」にするための3つのステップ

「やってみたい」と思っても、どこから手をつければいいか迷う方が多いので、実際に僕が会員さんに伝えているステップを整理しておきます。

業態転換 STEP 1

今の店が「誰の、どんな問題を解決しているか」を書き出す

「うちは焼肉屋です」ではなく、「仕事帰りのサラリーマンが、非日常の肉料理で気分転換できる場所」という形で言語化する。この言語化ができれば、「じゃあランチタイムの主婦層にも刺さるのでは?」「法人の接待需要にも対応できるのでは?」という発展が生まれます。

⚠️ よくある失敗:「うちは夜の店だから昼は関係ない」「法人相手は敷居が高い」と最初から可能性を閉じてしまう。まず書き出すことが大事。

業態転換 STEP 2

既存リソース(顧客・立地・スタッフ・調理技術)を棚卸しする

今、店に来てくれているお客さんはどんな人か。立地は住宅地か、オフィス街か、観光地か。スタッフはどんな得意技を持っているか。調理設備で何が作れるか。この4つを書き出すと、「組み合わせられる要素」が見えてきます。千葉のお好み焼き店のMR弁当も、「法人のオフィスが近い立地」「朝の調理設備の余力」「高単価弁当を作れる調理スキル」という3つの棚卸しから生まれています。

⚠️ よくある失敗:いきなり「新業態のコンセプト」を考え始める。リソースを棚卸しする前に新業態を決めると、強みを活かせないまま新たなコストだけが生まれる。

業態転換 STEP 3

「小さく試す」場を設計する

新業態を全面展開する前に、まず既存の顧客・既存の仕組みの中で小さくテストする。ランチメニューを1品変える、週1日だけ新形態の日を設ける、SNSで新メニューの反応を見てみる。鳥取県のラーメン店がAIでGoogleマップの口コミを分析してキャッチコピーを変えたのも、投資ゼロで「小さく試した」ことのひとつです。
実は、AIツール(Claude・ChatGPT・Googleビジネスプロフィール)を使えば、こうしたテストと分析を短時間でできるようになっています。

⚠️ よくある失敗:「一度決めたら後に引けない」という心理で、大規模なリニューアルから始めてしまう。業態転換は、試行錯誤の積み重ねが前提です。

「業態転換」より先にやるべきこと——売上構造の分解

ここまで業態転換の話をしてきましたが、実は正直に伝えると、「業態転換の前にやることがある」お店が多いんです。

僕がよく使う「顧客購買行動の7段階」というモデルがあります。お客さんは「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」という7つの段階を経て売上になる。業態転換は新しい「入口」を作ることですが、今の7段階のどこかに穴があったままでは、新業態を始めても同じ問題が繰り返されます。

たとえば、再来店率が低い店が新業態を立ち上げても、また「一見さんだけで終わる」状態になる。注文単価が低い店が業態を変えても、利益が残らない構造は変わらない。

まず自分の店の7段階をチェックすることが、業態転換の地ならしになります。

チェックポイント①:入店率の確認

店の前を通る人がどれくらい入店しているか把握していますか?外観・看板・照明・のぼりなどで「入ってみようかな」と思わせる状態になっているか。

✅ ポイント:入店率が低い場合、業態転換より先に外観・ファサードの改善が先決。コストをかけず照明を明るくするだけでも変化が出ます。

チェックポイント②:注文点数・客単価の確認

お客さん1人あたりの注文点数は何品ですか?メニューブックの一番上に一番売りたいメニューが来ていますか?安いメニュー順に並べていると、一番安いものしか注文されません。

✅ ポイント:メニューブックを「利益率の高い名物メニュー」から並べ直すだけで、客単価が上がった事例は全国に多数あります。設備投資ゼロで今日から変えられます。

チェックポイント③:再来店の仕組みの有無

来てくれたお客さんに次の来店を促す仕組みがありますか?LINE公式アカウント・次回予約特典・顧客リストの管理など。

✅ ポイント:再来店の仕組みがなければ、新規集客コストをかけ続けるだけになります。業態転換より先に「再来店の仕掛け」を整えましょう。

「月商300万円のお店が2億5,000万円になれるかどうかは、業態の問題じゃないんです。売上の構造を7段階で分解して、各段階を少しずつ改善していった積み重ねの結果です。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)

「増益繁盛クラブに入って最初に気づいたのは、自分が『業態を変えなきゃ』と思い込んでいただけで、本当は今のお店の中に伸ばせる部分がたくさん残っていたということ。MR弁当の仕組みを作ってから、店内の売上も落ち着いて考えられるようになりました。」

千葉県・お好み焼き店経営者(50代・男性)

まとめ|「業態転換」は手段。目的は「お客さんに選ばれ続ける店」を作ること

冒頭の旧友の話に戻ると、結局その夜は2時間かけていろいろ話して、「業態転換より先に、今来てくれているお客さんにもう1品頼んでもらう仕組みを作ろう」という結論になりました。

業態転換は魔法じゃありません。「形を変えれば売上が上がる」のではなく、「お客さんの問題を解決する方法が変わるから、売上の形も変わる」という話です。

成功事例に共通しているのは、既存のリソースを棚卸しし、「お客さんにとっての価値」を再定義してから動いていること。そして値引きをせず、価値で選ばれる仕組みを作っていること。

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  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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