「料理の腕には自信がある。でも売上が伸びない」
「頑張って営業しているのに、手元にお金が残らない」
「周りのお店が閉まっていくのを見て、うちも他人事じゃないと感じている」
こういった声、本当によく聞きます。特に最近は、長年がんばってきたお店がひっそり閉店していくケースが増えていて、「自分のお店はこれからどうなるんだろう」という漠然とした不安を抱えている経営者の方が増えている気がします。
実はこれ、腕の問題でも努力の量の問題でもないことが多い。「伸びる店」と「淘汰される店」の間には、明確な構造上の違いがあるんです。
今日は、20年以上・北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、全国の飲食店・美容室・小売店を支援してきた経験をもとに、この違いについて率直にお話しします。
📋 この記事でわかること
- 「伸びる店」と「淘汰される店」の構造的な違い
- 個人店が今すぐ見直すべき3つのチェックポイント
- 値引きに頼らず利益を伸ばすための具体的な方向性
- 将来性のある個人店を作るための最初の一歩
こんな方におすすめ
- ✅ 売上が横ばい、もしくはじわじわ下がっていると感じている店主
- ✅ 「うちの料理(技術)は悪くないはずなのに」ともどかしさを感じている方
- ✅ ホットペッパーや食べログへの依存から抜け出したいと考えている方
- ✅ 3年後・5年後の自分のお店の姿が見えず不安を感じている経営者
- ✅ 値引きクーポン以外の集客方法を知りたい方

目次
実は僕も「現場の人間」でした——だからこそ見えてくるもの
少し僕自身の話をさせてください。
静岡県清水区で生まれ、自営業の家で育ちました。大学時代はお笑い芸人として活動していて、ファミリーマートのCMにも出演していたんです。「商売」と「人の心を掴むこと」の両方が幼い頃から身近にある環境でした。
市役所を辞めてコンサルタントになってからも、「机の上だけの話はしたくない」という気持ちは変わっていない。だから休日も、近所の飲食店や商店街を歩き回って、「なぜこの店は賑わっているのか」「なぜあの店は閑散としているのか」を観察するのが習慣になっています。
清水区の港周辺や、静岡市内の商店街——地元を歩いていると、本当にいろんな店の「その後」が目に入ってくる。10年前に行列ができていた定食屋さんが閑散としていたり、逆に目立たない立地のお店がじわじわと繁盛し続けていたり。
その違いを20年かけて見てきたからこそ、「伸びる店には共通点がある」と断言できます。
「美味しいものを作れば客が来る、という時代はとっくに終わっています。今は『美味しい』が大前提で、その上でお客さんに選ばれる仕組みがあるかどうかで差がつく時代です。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
淘汰される店に共通する「3つのパターン」
遠回しに言っても仕方がないので、率直に書きます。閉店や業績悪化に向かってしまうお店には、ほぼ共通した構造があります。
チェックポイント1:集客をポータルサイト任せにしている
ホットペッパーや食べログに掲載して、クーポンで集客する——この構造は「掲載費を払い続ける限り新規客が来る」という状態です。一見うまくいっているように見えますが、掲載をやめた瞬間に新規客がゼロになる恐怖がついて回る。しかもクーポン目当てのお客さんはリピートしにくい。売上は立っても、利益が残りにくい構造です。
✅ ポイント:自力集客(Googleマップ最適化・LINE公式・SNS)の仕組みを少しずつ作り始め、ポータルサイト依存から段階的に脱却する視点を持つことが重要です。
チェックポイント2:売上の柱が「店内飲食1本」だけ
コロナ禍で多くの経営者が痛感したことですが、収益源が1本だけの店は環境の変化に極めて脆い。デリバリー・テイクアウト・法人向け弁当・物販など、複数の「お賽銭箱」を持っていた店がコロナ禍でも生き残り、そのまま伸びていきました。
✅ ポイント:今の店舗・スタッフ・顧客のリソースを使って、「第2のお財布」を1つ作る発想を持つだけで、経営の安定度は大きく変わります。
チェックポイント3:「値引き」でしか集客方法を知らない
「販促=値引きクーポン」だと思い込んでいるケースが本当に多い。値引きで来たお客さんは、次も値引きを期待して来ます。値引きをやめた途端に来なくなる。これを繰り返すと、店の体力がどんどん削られていきます。
✅ ポイント:値引きではなく「価値の言語化」で選ばれる状態を作ることが、利益を残しながら集客できる唯一の道です。
✓ ここまでのポイント
- ポータルサイト依存・クーポン集客は「売上は立つが利益が残らない」構造を生みやすい
- 収益源が1本の店は環境変化に弱く、複数の「お賽銭箱」が安定経営の鍵になる
- 値引きではなく価値の言語化こそが、淘汰されない店への転換点
これから伸びる個人店が持っている「共通の発想」
では逆に、これから伸び続ける個人店はどんな発想を持っているのか。
20年間・全国の経営者を支援してきた実感として、伸びる店の経営者には「売上より利益を基準に経営を考える習慣」があります。
売上を追いかけると、どうしても値引きや広告費増加という方向に引っ張られます。でも利益を基準に逆算すると、「客単価をどう上げるか」「注文1点数をどう増やすか」「リピート率をどう高めるか」という方向に発想が向く。
この違い、一見小さく見えて、3年後・5年後の経営状態に大きな差を生みます。
伸びる店がやっていることを具体的に挙げると——
❌ よくあるパターン(淘汰に向かう店)
- 「とにかく新規客を増やそう」とポータルサイトに広告費をかけ続ける
- 値引きクーポンで集客するが、リピーターが育たない
- メニューを増やして「なんでもできます」とアピールする
- 社長が現場に入り続け、仕組み化が進まない
✅ 推奨アプローチ(伸び続ける店)
- まず既存客の客単価・来店頻度を上げる施策から始める
- メニュー名を「作業名」から「ご利益の言葉」に書き換えて価値訴求する
- 「〇〇といえばこの店」という名物・専門性を1つ作って尖らせる
- 店内以外の収益源(デリバリー・物販・法人向け等)を少しずつ育てる
「お客さんは業種業態でお店を選んでいるわけじゃないんです。自分の悩みを解決してくれる、自分の望みを叶えてくれる店を選んでいる。この視点に気づいた経営者から、ゆっくりでも確実に変わり始めます。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
実際に変わったお店の話
「理屈はわかるけど、本当に変わるの?」という声が聞こえてきそうなので、実際のケースをいくつかご紹介します。
「ランチメニューに『メイン3つ同時盛り』プレートを作っただけで、月商が130万円から450万円に伸びました。値引きは一切していません。地域にない独自コンセプトを作ることで、お客さんが自然と増えていきました。」
和歌山県・飲食店経営者(増益繁盛クラブメンバー)
「製薬会社向けのお弁当を朝50個受注するルートを作ったことで、店内売上が落ちる日でも収益が安定するようになりました。店舗以外の『第2のお財布』がこんなに心強いとは思いませんでした。」
千葉県・お好み焼き店経営者(増益繁盛クラブメンバー)
共通しているのは、特別な設備投資なし・値引きなし・3ヶ月以内に効果が出たという点です。SNSが苦手な方でも、パソコンが得意でない方でも、「仕組みの考え方」を変えることで結果が出ています。
将来性のある個人店を作るための「最初の一歩」
「じゃあ何から始めればいいの?」という方に向けて、今日からできることを具体的にお伝えします。
今日の一歩 STEP 1
自分の売上を「7段階」に分解してみる
売上というのは、「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」という7つの行動の結果です。この7段階のどこかでお客さんが離れているから売上が伸びない。まず自店のどこに穴があるかを見つけることが、すべての改善の出発点になります。
⚠️ よくある失敗:「とにかく新規客を増やそう」と外側の集客ばかりに目が向き、すでに来てくれているお客さんへの対策(入店率・注文点数・再来店)が後回しになってしまうこと。実は内側の改善のほうが、コストも手間も少なく効果が出やすいです。
今日の一歩 STEP 2
メニュー名を1つだけ「ご利益の言葉」に書き換えてみる
「ハンバーグ」ではなく「肉汁あふれる炙り焼きハンバーグ」。「カット」ではなく「朝のセットが楽になる扱いやすさデザインカット」。メニュー名1つ変えるだけで、お客さんの「これ、頼んだらどうなるんだろう」という期待感が変わります。値上げより先にやることがある、というのはこういうことです。
⚠️ よくある失敗:いきなり全メニューを変えようとして途中で止まること。まず1つだけ変えて、反応を見るところから始めるのが正解です。
今日の一歩 STEP 3
「第2のお財布」を1つだけ構想してみる
法人向け弁当・テイクアウト・通販・物販——今のお店のリソース(顧客・立地・スタッフ・調理設備)を使って、店内売上以外に「もう1つの収入経路」を1本作る。ゼロから新事業を立ち上げる必要はなく、「既存の組み合わせ」で作れるものが必ずあります。
⚠️ よくある失敗:「うちは飲食店だから飲食しかできない」と業種の壁で思考が止まること。お客さんは業種で選んでいるのではなく、「自分の悩みを解決してくれる存在」を選んでいます。
まとめ——個人店の将来性は「仕組みの質」で決まる
「伸びる店と淘汰される店の違い」を一言で表すなら、努力の総量ではなく、仕組みの質だと思っています。
どれだけ美味しい料理を作っても、どれだけ長時間働いても、「売上を作る仕組み」「利益を残す仕組み」がなければ、じわじわと体力が削られていく。逆に、仕組みさえ整えば、同じ努力量でも結果が大きく変わります。
江戸時代の日本の人口は約4,000万人、現在は約1億3,000万人。そしてこれから再び人口は減少していきます。「黙っていても人が増える時代」は終わった。だからこそ、選ばれる理由を自分で作れる経営者が、これからの時代に生き残っていく。
難しい話じゃないんです。最初の一歩は小さくていい。まず自分の店の売上の「穴」がどこにあるかを知ることから始めてください。
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