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従業員の離職率を下げる方法|給与以外で効く5つの要素

飲食業界の従業員離職率は、年間で約30〜40%とも言われています。3人採用したら1人は1年以内に辞めていく計算です。しかも、辞めるのはたいてい「できる人」から先だったりする。これ、あなたのお店だけの話じゃないんです。

でも、ちょっと待ってください。

「離職率が高い=給与が低いせい」と思い込んでいませんか?実は、スタッフが辞める理由の第1位は「人間関係・職場環境」で、給与は意外と上位に来ないというデータが複数の調査で出ています。つまり、給与を上げても離職は止まらないケースが非常に多い。

今日は、ぼく自身が静岡で20年以上、全国の飲食店・美容室の経営者と一緒に向き合ってきた「スタッフが長く働き続けたくなる職場づくり」の話をします。経営コンサルタントとしてだけでなく、かつて市役所に勤め、週末はイタリアンレストランで無給修行をしていた人間として、現場のリアルを肌で知っているからこそ言える話があります。

📋 この記事でわかること

  1. 離職率が高い本当の原因(給与以外のところにある)
  2. スタッフが「辞めたくない」と思う職場の5つの共通要素
  3. 今日からできる具体的な改善の第一歩
  4. 仕組み化によって「採用で困らない会社」に変わった事例

こんな方におすすめ

  • ✅ スタッフが半年〜1年以内に辞めてしまうことが続いている方
  • ✅ 「自分でやったほうが早い」とついつい現場に入りすぎてしまうオーナー
  • ✅ 求人を出しても応募が来ない・来ても続かないと困っている方
  • ✅ 給与以外の方法でスタッフのモチベーションを上げたい方
  • ✅ スタッフが育つ仕組みをゼロから作りたい飲食店・美容室経営者
従業員の離職率を下げる方法|給与以外で効く5つの要素 | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

「また辞めてしまった」――あるラーメン店オーナーの話

数年前、ぼくのところに相談に来た北陸のラーメン店のオーナーがいました。仮にKさんとしましょう。月商は約400万円。スープへのこだわりは本物で、常連客から絶大な支持を得ているお店でした。

でも、Kさんはひどく疲弊していた。理由は「スタッフが全然続かない」から。

過去2年間で辞めたスタッフが7人。採用と教育に費やした時間とコストは膨大で、毎月のように求人を出し、毎月のように「また辞めた…」を繰り返していた。給与は地域の同業他店と比べて決して低くない。むしろ少し高めに設定していた。

「なんでうちは続かないんですかね。給料は払ってるのに」

Kさんの言葉は正直で、だからこそぼくには「原因」がはっきり見えた。

給与は「辞める理由」にはならないことが多いんです。でも「続ける理由」にもなりにくい。スタッフが長く働くかどうかは、もっと別のところで決まる。

離職の本当の原因は「仕事の設計」にある

Kさんのお店で起きていたことを、もう少し詳しく見てみると、こういう構造でした。

Kさん自身がすべての判断を握っていた。仕込みも、接客の細かい作法も、食材の発注も、すべてKさんが「自分でやったほうが早い」とやってしまう。スタッフはただの「作業をこなす人」になっていた。

スタッフにとってみれば、毎日決まった動きをするだけで、何も任されない。褒められることもなければ、「あなたにしか頼めない」と言ってもらえることもない。半年経っても1年経っても、自分の「成長」が見えない。

そうなると、人は辞めます。給与がいくら高くても。

「スタッフが辞めるのは、スタッフの問題ではなく、経営者の仕事設計の問題です。スタッフに任せる場をつくらなければ、人はやりがいを見つけられない。辞めるのは当然の反応だとも言える。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・有限会社繁盛店研究所 代表取締役)

Kさんに必要だったのは「給与アップ」じゃなかった。スタッフが自分の仕事に意味を感じられる「仕事の設計」を作り直すことでした。

スタッフが長く働き続ける5つの要素

ぼくが20年以上、全国の飲食店・美容室経営者と向き合ってきた中で見えてきた「離職しにくい職場」の共通点があります。給与以外の5つの要素です。

チェックポイント1:「任される仕事」があるか

スタッフは「自分にしかできない仕事」があると、辞めにくくなります。逆に、何もかも社長がやってしまう職場では、スタッフは「自分がいなくてもいい」と感じ始める。まず経営者自身が「自分にしかできない仕事」と「他の人に任せられる仕事」を書き出し、後者を徹底的に手放すことが第一歩です。

✅ ポイント:週1回でいいので、スタッフに「あなたに任せたい」と言える場面を意識してつくる。最初は小さな権限でいい。

チェックポイント2:「成長が見える」環境があるか

人は自分の成長が実感できると、仕事が楽しくなります。半年前と今で何が変わったか、スタッフ自身が語れる状態になっているか。評価制度がなくても、月に一度の面談で「最近何が上手くなったと思う?」と聞くだけで変わります。

✅ ポイント:キャリアの「次のステップ」を一緒に考える機会を定期的につくる。資格取得のサポートや、外部研修への参加を後押しするだけでも十分。

チェックポイント3:「個人の目標」と「店の目標」がつながっているか

スタッフ一人ひとりに「仕事以外の夢や目標」があります。独立したい、趣味を続けたい、家族との時間を大切にしたい――そういう個人の目標を把握していますか?音楽教室の先生が生徒の「発表会」という達成の場をつくることで生徒が長続きするように、職場でもスタッフの個人目標を達成できる環境を設計すると、離職率は劇的に下がります。

✅ ポイント:採用面接だけでなく、入社後も定期的に「今、プライベートで何を目指しているか」を聞く習慣をつける。

チェックポイント4:「お店のビジョン」が言語化されているか

「どんなお客さんを、どんな価値で、どう幸せにするお店なのか」――これがスタッフに伝わっていますか?社長の頭の中にあるだけでは、スタッフは自分が何のために働いているかが分からない。ビジョンが言語化され共有されている職場では、スタッフが自分で判断して動けるようになります。

✅ ポイント:A4一枚でいいので「うちのお店のコンセプトシート」を作る。それをスタッフと共有するだけで、組織の方向感が揃い始める。

チェックポイント5:「理念で採用」しているか

求人に「時給1,200円・土日休み」だけを書いて出していませんか?条件で採用すると、条件が合わなくなった瞬間に辞めます。「この店で働く意味・物語・未来」を伝える理念型求人に切り替えると、応募の質が変わります。「ここで働きたい」と思って来た人は、そう簡単には辞めません。

✅ ポイント:お客さんを集める販促と求職者を集める求人は、原理が同じ。「ご利益の言葉」で伝えることが大事。

✓ ここまでのポイント

  • 離職の本当の原因は「給与」ではなく「仕事の設計」にある
  • スタッフが長く働く職場には「任される仕事・成長・個人目標・ビジョン・理念採用」の5要素がある
  • 経営者が「自分でやったほうが早い」をやめることが、すべての出発点になる

実際に変わったお店の話

先ほどのKさんの話に戻りましょう。

ぼくがKさんにまず提案したのは、「1週間の自分の時間の使い方を15分単位で書き出してください」ということでした。やってみると、Kさんの時間の7割以上が「他の人に任せられる仕事」で埋まっていた。

そこから少しずつ、スタッフに仕事を渡していきました。発注管理を任せる。仕込みの一部を担当させる。常連客への声かけを任せる。すると、あるスタッフが「発注を自分でやるようになって、初めて原価の仕組みがわかりました」と言い始めた。

そのスタッフは今も在籍しています。

「任せたら辞めるんじゃないかと思っていたけど、逆でした。任せたら辞めなくなった。あの気づきは、自分の経営者人生の転換点だったと思います。」

北陸・ラーメン店経営者(40代・男性)

これは、ぼくが支援してきたお店で何度も見てきたパターンです。採用で困っていた経営者が、仕事の設計を変えることで「スタッフが自然と定着する職場」に変わっていく。

増益繁盛クラブの会員さんの中にも、似たような変化を経験された方がたくさんいます。

「ハワードさんの指導で、まず自分が何をやめるかを先に決めました。それだけでスタッフの顔が変わった。今は店長候補が育ってきていて、来年には2店舗目の話が現実になりそうです。」

増益繁盛クラブ会員(飲食店経営者・関東在住)

「仕組み化」が離職率を根本から変える

ここまで読んでいただいて、何か気づいたことはありましたか?

離職率を下げるというのは、突き詰めると「経営者自身が変わること」です。スタッフに任せる、ビジョンを言語化する、個人の目標を聞く――どれも、経営者側のアクションです。

でも、忙しい毎日の中でそれをやるのは簡単じゃない。だからこそ「仕組み」にする必要があります。

ぼくが提唱している「顧客購買行動7段階モデル」は、実はスタッフマネジメントにも応用できます。お客さんが「知る→興味→来店→入店→注文→会計→再来店」という7段階を経るように、スタッフも「応募→採用→入社→定着→活躍→リーダー化→次世代への伝承」という段階を歩みます。どの段階で脱落しているかを特定すれば、打ち手が見えてくる。

給与を上げることは「来店」を促す割引クーポンみたいなものです。一時的には効果があっても、リピートには繋がらない。本当の意味で「また来たい(また働きたい)」と思ってもらう価値を作ることこそが、離職率を下げる王道です。

まとめ:今日から動ける第一歩

離職率を下げるために、まず今日できることをひとつだけ挙げるとすれば、これです。

「自分の仕事リストを書き出して、スタッフに任せられるものに印をつける」

これだけでいい。難しく考えなくていい。任せることから、すべてが始まります。

ぼくは静岡市清水区を拠点に、20年以上にわたって全国の飲食店・美容室・小売店の経営者の「スタッフが定着する仕組みづくり」をサポートしてきました。北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、業種・地域を問わず実践者が増え続けています。

給与以外の方法でスタッフが長く働いてくれる職場をどうつくるか。その具体的な方法を、毎日のブログやメールマガジンでお伝えしています。まずは無料メルマガ「繁盛店になるための12のステップ」から読んでみてください。現場で使える実践知識を、専門用語なしでお届けしています。

また、スタッフ採用・定着の仕組みも含めた経営全体の設計を学びたい方には、会員制コンサルティング「増益繁盛クラブゴールド」で継続的にサポートしています。全国の経営者仲間と一緒に、毎月新しい事例と改善策を学べる場です。ぜひ一度、のぞいてみてください。

何かご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。あなたのお店で「また働きたい」と言ってもらえるスタッフが育つことを、心から応援しています。

👉 顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書(スタッフの仕事設計・仕組みづくりのヒントも満載です)

👉 増益繁盛クラブ入会案内(全国の飲食店・美容室経営者が実践する会員制コンサルティング)

  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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