現場を改善したい

美容室の店販を強化するために、整えたいPOPと声かけ

梅雨が明けて一気に気温が上がってくるこの時期、美容室に来られるお客様の悩みで急増するのが「うねり」「パサつき」「頭皮のベタつき」です。季節の変わり目は、実は店販を自然に強化できる絶好のタイミング。でも現実には、せっかく良いケア商品を棚に並べているのに、「なかなか売れない」「どう声をかければいいか分からない」という声をよく聞きます。

今回は、ハワードジョイマンの増益繁盛クラブの会員でもある美容室オーナーたちが実際に取り組んでいる、POPと声かけの組み合わせによる店販強化について、スタッフ目線でお伝えしていきます。

📋 この記事でわかること

  1. 店販が売れない美容室に共通している「棚の問題」と「声かけのズレ」
  2. お客様が自然に手を伸ばしたくなるPOPの書き方
  3. 押し売り感ゼロで商品を提案できる声かけの流れ
  4. 値引きなしで客単価を上げた美容室の実例

こんな方におすすめ

  • ✅ 店販商品を置いているのに、ほとんど売れていない美容室オーナー
  • ✅ スタッフが商品を勧めるタイミングや言葉に迷っている方
  • ✅ 値引きやポイントカード以外で客単価を上げる方法を知りたい方
  • ✅ POPを手書きで作ってみたいが、何を書けばいいか分からない方
  • ✅ 店販の売上を安定した第二の収益源にしたい経営者の方
美容室の店販を強化するために、整えたいPOPと声かけ | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

「売れない棚」と「売れる棚」の決定的な違い

美容室の店販コーナーを見ると、2つのタイプに分かれます。シャンプー・トリートメントがきれいに並んでいるだけの棚と、手が自然に伸びて「これ、どんな効果があるんですか?」と聞きたくなる棚。

この違いは、商品の良し悪しではありません。「この商品を使うと自分がどうなるか」が伝わっているかどうか、たったそれだけです。

私(ハワードジョイマン)が静岡・清水の事務所でコンサルティングをしていて気づいたことがあります。売れない棚のPOPに書いてあるのは、ほぼ例外なく「商品名」と「価格」だけ。あるいはメーカーが作った成分名が並んだポスター。これでは、お客様は商品の前を素通りするしかありません。

お客様が知りたいのは「ヒアルロン酸配合」ではなく、「朝のドライヤー後のまとまりが全然違う」という自分への変化です。これを私は「ご利益の言葉」と呼んでいます。商品スペックではなく、使った後に得られる実感・変化を言葉にすること。ここから店販の改善は始まります。

チェックポイント1:あなたの棚のPOPに「ご利益」は書いてありますか?

今すぐ店販コーナーのPOPを見てください。そこに書かれているのは商品名と価格だけですか?それとも、「使った後にどう変わるか」が書いてありますか?

✅ ポイント:POPの内容を「成分・スペック名」から「使用後の変化・実感」に書き換えるだけで、お客様の視線が止まる時間が変わります。まず1商品だけでいいので試してみてください。

チェックポイント2:棚の位置とアイレベルは合っていますか?

いくら良いPOPを作っても、棚がシャンプー台の影になっていたり、低すぎてお客様の視界に入らない位置にあっては意味がありません。

✅ ポイント:お客様が座った状態でシャンプー台の鏡越しに自然に見える位置、または施術後に待っている間に目に入るカウンター付近が最も効果的なアイレベルです。

✓ ここまでのポイント

  • 店販が売れない原因はPOPに「お客様自身への変化」が書かれていないから
  • 「成分名・スペック」ではなく「使った後にどうなるか=ご利益の言葉」で伝える
  • 棚の位置・高さがお客様のアイレベルに合っているかも見直しポイント

押し売りにならない「声かけの流れ」の作り方

POPを整えたとしても、スタッフの声かけがなければ購入率はなかなか上がりません。でも多くの美容室スタッフが「商品を勧めるのは押し売りみたいで気まずい」と感じているのも事実です。

この感覚、じつはとても大事にしてほしいのです。押し売り感が出るのは、声かけのタイミングと順番が間違っているから。正しい声かけの流れは、次のとおりです。

声かけ STEP 1

施術中に「お悩みを聞く」

「最近、毛先のパサつきが気になることはありますか?」「ドライヤーの後のまとまり具合はどうですか?」――施術しながら自然にお客様の声を引き出します。この段階では商品の話は一切しません。

⚠️ よくある失敗:シャンプー直後に「良かったら店販のシャンプーもありますよ」と唐突に紹介してしまうパターン。お客様はまだ悩みを言語化できていないので、提案が空中に浮きます。

声かけ STEP 2

施術の中で「原因を説明する」

「実は今日トリートメントしながら触っていたんですが、毛先の水分が抜けやすい状態になっていて…」と、プロとしての所見を伝えます。これは売り込みではなく、専門家としての診断です。

⚠️ よくある失敗:問題点だけ伝えて不安を煽る形になること。あくまでも「こうすれば改善できる」という希望とセットで話すのが大切です。

声かけ STEP 3

会計前に「選択肢を提示する」

「一つご紹介してもいいですか?ホームケアで使っていただくと、次回来られたとき仕上がりが全然違いますよ」と、1商品だけ絞って紹介します。複数勧めると選べなくなり、「また今度で」になります。

⚠️ よくある失敗:「良いものが揃っていますので、ぜひ見ていってください」と棚全体に誘導するパターン。選択肢が多すぎると人は選ばなくなります(松竹梅の法則)。

「声かけが苦手なスタッフほど、実は商品をよく知っている。苦手なのは売り込むことであって、お客様の悩みを解決することは得意なはずです。声かけを『販売』と捉えるのをやめて、『施術の続き』と捉え直すだけで、言葉が自然に変わります。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)

スタッフが自信を持って勧められるPOPの作り方

声かけの流れが整ったとしても、POPがしっかりしていると「言葉の補強材」になってくれます。お客様が帰り際に棚の前で立ち止まって、スタッフが言っていたことをPOPで確認する――この流れが自然に作れると、購入率がぐっと上がります。

増益繁盛クラブで美容室オーナーたちに伝えているPOPの基本構成は、次の3点だけです。

① お客様の悩みを書く(共感)
「乾燥する季節、まとまりのなさに悩んでいませんか?」

② 使った後の変化を書く(ご利益)
「翌朝のドライヤー後、指通りが別物になります」

③ スタッフの一言を添える(信頼)
「担当スタッフ〇〇も毎日使っています」

手書きで構いません。むしろ印刷物よりも手書きPOPのほうが「人の言葉」として伝わりやすく、親近感が出ます。A4の紙1枚、マジック1本で始められます。

「私がお笑い芸人をやっていたとき、客席の笑いを取るために一番大切だったのは『お客さんが今何を感じているか』を読むことでした。POPも同じです。お客様が今どんな悩みを持っているかを書くことで、初めて『これ、私のことだ』と手が止まる。商品説明は、そのあとでいい。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)

❌ よくある失敗パターンのPOP

  • 「新発売!〇〇シャンプー 3,800円(税込)」
  • 「ヒアルロン酸・コラーゲン・ケラチン配合」
  • 「ご自宅でもサロンクオリティを」(抽象的すぎて何も伝わらない)

✅ 売れるPOPのパターン

  • 「梅雨明けのうねり・広がりが気になる方へ。ドライヤー前に1プッシュするだけで、翌朝のまとまりが全然違います。担当〇〇が3年使い続けているお気に入りです。」

「月商130万円だったうちの店が、今は月商450万円を超えました。最初にやったのは値引きでも広告でもなく、メニューの見せ方と店内の言葉を変えることでした。」

和歌山県の飲食店経営者(増益繁盛クラブ会員)

この事例は飲食店のケースですが、「棚に並ぶものの見せ方・言葉を変える」という本質は美容室の店販にもまったく同じように当てはまります。

店販強化は「仕組み」にしてはじめて続く

POPを1枚作って、声かけを1回試して、それで終わってしまうのでは店販の強化にはなりません。大切なのは、スタッフ全員が同じ流れで動ける「仕組み」にすることです。

具体的には次のような整備を段階的に進めていきます。

1ヶ月目:まず1商品・1スタッフから始める
いきなり全商品のPOPを作り直そうとすると続かないので、最も自信を持って勧められる商品を1つ選び、担当スタッフ1人が試す形でスタート。うまくいったら横展開します。

2ヶ月目:声かけトークを共有する
「こう言ったら自然だった」「この質問をしたらお客様が喜んでくれた」という声を朝礼やLINEグループで共有し、スタッフ間でナレッジを積み上げます。

3ヶ月目:POPと声かけを連動させる
スタッフが施術中に伝えたこと→帰り際にPOPで補強→お客様が購入を決める、という一本の流れを全スタッフで意識できるようになったとき、店販は「仕組み」になります。

私が20年以上にわたって全国の店舗経営者を指導してきた中で確信しているのは、「仕組みになっていない改善は3週間で元に戻る」ということです。良い声かけを1回できることと、毎日スタッフが自然にできることは、まったく別の話です。

まとめ:店販は「値引き」ではなく「言葉」で売れる

美容室の店販強化を考えたとき、多くのオーナーさんが「ポイントカード」「セット割引」「まとめ買い特典」を考えます。でも値引きで売れた店販は、値引きがなくなった瞬間に売れなくなります。

本当に強い店販は、お客様が「このスタッフに言われたから」「このPOPを読んで納得したから」という理由で買ってくれる状態です。値引きゼロで、押し売りゼロで、それを実現できるのが「ご利益の言葉」をPOPと声かけに落とし込む方法です。

今日から取り組めることは一つだけ。店販商品を1つ選んで、「この商品を使ったお客様が翌朝どう感じたか」をA4の紙に手書きして、棚の前に貼ってみてください。それだけで、お客様の視線が止まる瞬間が必ず増えます。

POPと声かけをもっと体系的に整えていきたい方、また美容室の客単価・リピート率を仕組みとして改善していきたい方には、まず無料メルマガ「繁盛店になるための12のステップ」から始めることをお勧めしています。毎回、現場ですぐ使えるノウハウをお届けしています。

店販だけでなく、メニュー構成・来店促進・スタッフ教育まで一緒に取り組みたい方は、会員制コンサルティングへのご参加もぜひご検討ください。北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、全国の美容室・飲食店・小売店のオーナーが実践を続けています。

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  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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