お金を増やしたい

美容室の店販売上を上げる、お客さんを困らせない提案の仕方

「店販を勧めたいけど、押し売りみたいに思われたくない」

「何度かすすめたけど、お客さんの反応が微妙で、それ以来声をかけられなくなった」

「シャンプーやトリートメントを紹介しても、愛想笑いで流されてしまう」

こういう悩み、美容室のオーナーさんや現場スタッフさんから、本当によく聞きます。せっかく良い商品を仕入れているのに、うまく提案できないまま棚に並べているだけ——その状態は、実はとてももったいない。

店販の売上が上がらない本当の原因は、「提案の仕方が悪い」のではなく、お客さんが「なぜそれが自分に必要なのか」を理解する前に商品を出しているからです。提案の「タイミング」と「言葉」を変えるだけで、お客さんが自然に「それ、もらいます」と言い出す状態が作れます。

この記事では、押しつけがましくなく、でもしっかり売上に繋がる店販提案の考え方を、お客さんの行動を分解する視点でお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 店販が売れない本当の理由(商品力・提案力の話ではない)
  2. お客さんを「困らせない」提案のタイミングと言葉の選び方
  3. 購買行動7段階を使った、自然に売れる店販の仕組み
  4. 値引きなしで客単価を上げた美容室・飲食店の実例

こんな方におすすめ

  • ✅ 店販の売上が思うように伸びず悩んでいる美容室オーナー
  • ✅ 「押し売りに見られたくない」という気持ちから提案に踏み切れないスタッフ
  • ✅ 値引きに頼らずに客単価を上げる方法を探している方
  • ✅ ホームケアの重要性は分かっているのに、それをお客さんにうまく伝えられていない方
  • ✅ 施術の腕は自信があるのに、売上が頭打ちで原因がわからない方
美容室の店販売上を上げる、お客さんを困らせない提案の仕方 | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

なぜ良い商品を紹介しているのに売れないのか?

多くの美容室さんが陥るのが「良い商品を仕入れれば、説明すれば売れる」という思い込みです。確かに商品の質は大事です。でも実際の購買は、商品の質だけでは決まりません。

お客さんが何かを買うまでの道筋を分解してみると、こんなステップになっています。

「知る → 興味を持つ → 来店する → 入店する → 注文(購入)する → 会計する → 再来店する」

店販でよくある失敗は、「知る」の段階すら作れていないまま、会計の直前にポンと商品を差し出すことです。お客さんからすると「突然勧められた」という印象になり、断りたくなるのは当然です。これは押し売りではなく、ステップを飛ばした提案が招く自然な反応です。

「売上が伸びない理由は、努力が足りないからではありません。お客さんがどの段階で離脱しているかを見ていないからです。店販であれば、会計時に初めて商品を見せるのではなく、シャンプー台での会話から『知る』段階を作ることが先決です」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店研究所 代表取締役)

「困らせない提案」と「売れない提案」の違いは何か?

結論から言うと、違いは「お客さんが自分ごとだと感じているかどうか」です。

❌ よくある失敗の提案パターン

  • 会計の直前に「これ、売ってるんですよ」と商品を差し出す
  • 「頭皮に良いんです」「ダメージに効きます」と商品説明を先に話す
  • 値段を最後に言って、お客さんに「高いから今回は……」と言わせてしまう

✅ お客さんが自然に「欲しい」と感じる提案パターン

  • 施術中に「今日の髪、前回より乾燥が出てきてますね。ご自宅ではどんなシャンプーを使ってますか?」と会話で問題意識を引き出す
  • 「実は私もこれを使ってから、朝のスタイリングが楽になったんですよ」と自分ごとのエピソードを挟む
  • 「今日仕上げた感じを家でも再現しやすい方法を一つお伝えしますね」とご利益から入って商品を紹介する

ポイントは「商品を売ろうとする」のではなく、「お客さんの髪の悩みを解決しようとする」姿勢で話すことです。その延長線上にある商品紹介は、押しつけではなくアドバイスとして受け取られます。

私はこれを「ご利益の言葉」と呼んでいます。商品名や成分ではなく、「このお客さんにとって何が良くなるのか」を最初に言葉にすることが、困らせない提案の核心です。

提案のタイミングはいつが正解か?

店販の提案タイミングを間違えると、どんなに言葉を磨いても伝わりません。購買行動の7段階で考えると、「知る→興味を持つ」の流れを施術中に自然に作るのが正解です。

チェックポイント1:シャンプー台での会話で「気づき」を作れているか

シャンプー中はお客さんがリラックスしていて、髪や頭皮の状態を実感しやすい場面です。「少し頭皮が乾燥してますね」「今日のダメージ、前回と比べると……」といった観察をここで共有することで、お客さん自身が「そうなの?」と気になり始めます。

✅ ポイント:ここで商品を出す必要はありません。「気づいてもらう」だけでOK。興味の種をまく段階です。

チェックポイント2:スタイリング中に「仕上がりとの関連」を言葉にできているか

ブロー・スタイリングの段階で「このツヤ感、洗い流さないトリートメントで出しているんですよ」「朝これを使うと、このまとまりが持続しやすくなります」と自然に商品を文脈に乗せることができます。

✅ ポイント:お客さんが鏡で仕上がりを確認しながら聞くので、「体験→商品」の順番になり、納得感が生まれます。

チェックポイント3:会計前に選択肢を提示できているか

いきなり1点を「買ってください」と渡すのではなく、「シャンプーとトリートメントのセットと、トリートメント単品、どちらがご予算に合いますか?」という「どちらにするか」の選択肢を渡すことで、お客さんは「買うかどうか」ではなく「どちらにするか」を考えるようになります。

✅ ポイント:これは「松竹梅の法則」の応用です。選択肢を持たせることで、断りにくい状況を作らず、自然に購入を決めてもらいやすくなります。

✓ ここまでのポイント

  • 店販が売れないのは商品のせいではなく、「知る→興味を持つ」ステップを会計前に作れていないから
  • 「ご利益の言葉」でお客さんの髪の変化を先に伝えることが、困らせない提案の核心
  • シャンプー台・スタイリング中・会計前という3段階で提案のステップを踏む

店販売上と客単価を同時に上げた実例から学べることは?

「値引きをせずに客単価を上げる」というのは、美容室だけの話ではありません。飲食店での事例ですが、店販提案の本質と全く同じことが起きているので紹介させてください。

「ランチにハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライの『メイン3つ同時盛り』プレート(2,300〜2,500円)を開発。地域に存在しない独自コンセプトで、客単価と集客数を同時に向上させることができました」

和歌山県の飲食店経営者(増益繁盛クラブメンバー)

この事例の何がすごいかというと、「高い商品を無理やり売った」のではなく、「それしかない体験」を作ることで、お客さんが自分から選んだという点です。

美容室でも全く同じことができます。「うちでしか作れない仕上がり体験」を名物メニューとして打ち出し、そのメニューを支えるホームケアとして店販を自然な流れで紹介する。これが「困らせない提案」の完成形です。

たとえば「ツヤ肌風カラー+ホームケアセット」という形でコース化することで、施術と店販がセットで選ばれる状態を作れます。お客さんは「何かを売りつけられた」という感覚ではなく、「こういうケアがあるのか、試してみよう」という気持ちになります。

継続的に店販が売れる仕組みを作るには?

単発で売れても、仕組みがなければ月によってバラつきが出ます。継続的に店販の売上を作るために押さえておきたいのが「再来店」の設計です。

購買行動の最後のステップは「再来店」です。ここを仕組みにしている美容室は、実はまだ少ない。

再来店 STEP 1

購入したお客さんに「使い続けた先の変化」を次回で確認する約束をする

「次回いらしたとき、ダメージの変化を一緒に見ましょう」という一言で、お客さんは次の来店に「楽しみ」を持ちます。また購入した商品の使い方のフォローも兼ねており、満足度が上がります。

⚠️ よくある失敗:購入後のフォローがなく、「合わなかったかも」という不安を残したまま次の来店まで放置してしまう。

再来店 STEP 2

LINEで「ホームケアのコツ」を定期的に配信する

商品を買ってくれたお客さんにとって、「正しい使い方」の情報は喜ばれるコンテンツです。LINE公式アカウントからの配信で、接触頻度(ザイアンス効果)を高めながら、次の来店と次の購入への意欲を自然に高められます。

⚠️ よくある失敗:LINE配信をキャンペーン告知だけに使い、お客さんにとって有益な情報を発信していない。

再来店 STEP 3

商品の「使い切り」タイミングに合わせて来店を促す

シャンプー1本の使用目安は約1〜2ヶ月。販売時に「だいたい6週間くらいで使い切るお客様が多いです。ちょうど次回ご来店のタイミングですね」と伝えておくだけで、来店サイクルと購入サイクルが自然に連動します。

⚠️ よくある失敗:「なくなったらまた来てください」の一言だけで終わり、具体的な時期を伝えていない。

まとめ:店販は「売る」より「体験を繋ぐ」意識で変わる

美容室の店販売上が伸びない理由は、商品の質でも、スタッフの話術でもありません。お客さんが購入を決めるまでのステップを、施術の流れの中に自然に組み込めているかどうかの設計の問題です。

「知る→興味を持つ→購入する→再来店する」という流れを意識し、シャンプー台・スタイリング中・会計前・LINE配信という複数の接点で「ご利益の言葉」を届ける。それだけで、お客さんを困らせることなく、自然に店販売上が積み上がっていきます。

値引きをしなくても、押しつけがましくなくても、売上は伸ばせます。その仕組みをどう作るかを、私は20年以上・全国の飲食店・美容室・小売店の経営者とともに実践してきました。

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  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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