お客さんを増やしたい

美容室の再来店を促す、無理のない仕組みの作り方

「施術が終わったお客さまが次にいつ来てくれるか、実はよくわからない」——そんなもやもやを抱えながら、毎日ハサミを握っている美容室オーナーさんは少なくありません。

チラシを一度配ってみた。Instagramもちょこちょこ投稿している。でも、それが「次の予約」にどう繋がっているのか、正直よく見えない。気づけば新規客は来るものの、リピートが続かず、常に新しいお客さまを探し続けている——こういう状態、心当たりありませんか?

この記事では、美容室の再来店が思うように増えない「本当の原因」を整理したうえで、難しいマーケティング理論を使わずに、段階的に仕組みを作っていくための考え方と手順をお伝えします。静岡市清水区を拠点に、20年以上にわたって全国の飲食店・美容室・小売店経営者を指導してきたハワードジョイマン(中小企業診断士・経済産業省登録番号402345)が、現場の実例をもとに解説します。

📋 この記事でわかること

  1. 再来店が増えない「本当の原因」は仕組みのどこに欠けているか
  2. 専門用語を使わない3フェーズの集客仕組みの組み立て方
  3. 既存の資源だけで今日からできる再来店対策の具体的な手順
  4. 接触頻度を継続的に増やして「また行きたい」を自然に生み出す方法

こんな方におすすめ

  • ✅ 新規集客はできているのにリピートが続かない美容室オーナーの方
  • ✅ 単発の販促で終わってしまい、仕組みになっていないと感じている方
  • ✅ LINEやSNSを「なんとなく」使っているが効果が見えない方
  • ✅ 値引きクーポン以外の集客方法を模索している方
  • ✅ マーケティングは難しそうで手が出ないと感じている美容室経営者の方
美容室の再来店を促す、無理のない仕組みの作り方 | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

再来店が増えない本当の理由:「仕組みがない」ではなく「順番が違う」

多くの美容室オーナーさんから話を聞くと、「何もやっていないわけじゃない」という声をよく耳にします。Instagramは投稿している、食べログやホットペッパービューティーにも掲載している、たまにクーポンも配っている。でも、再来店が伸びない。

この状態の多くは、やることが「点」で終わっていて「線」になっていないことが原因です。つまり、お客さまが「知る→興味を持つ→来店する→施術を受ける→また来たくなる」という購買行動の流れのどこに、何の施策を当てるかの設計がない状態です。

たとえば、Instagramで投稿しているのは「知ってもらう」段階への働きかけです。でも、一度来てくれたお客さまに「また来てほしい」という働きかけは別の手段が必要になります。新規集客と再来店対策は、実は別の仕組みが必要なのに、同じ「SNS投稿」でどちらも解決しようとしてしまっている——これが最もよくある誤りです。

順番が大切です。次のセクションで、具体的な3フェーズの仕組みをお伝えします。

3フェーズで組み立てる「再来店の仕組み」

仕組みといっても、最初から完璧なシステムを作る必要はありません。次の3つのフェーズを「順番に」積み上げるだけです。

フェーズ1 STEP 1

店内販促を整える(来店中のお客さまへの働きかけ)

最初に手をつけるべきは、今すでに来てくれているお客さまに対する施策です。施術中・会計時に「次の予約」を自然に取れる導線を作ることが第一歩です。たとえば、施術の仕上がりを見ながら「次は6週間後くらいに整えるとちょうどいいですよ」と声をかけるだけで、次回予約につながる確率が格段に上がります。POPで「次回予約で〇〇プレゼント」といった価値提案を視覚化するのも有効です。値引きではなく、「価値のプレゼント(ヘアケアサンプル・オリジナルレシピカードなど)」にすることで、クーポン客ではなく価値を求めるお客さまが集まります。

⚠️ よくある失敗:「また気が向いたらいつでもどうぞ」と伝えるだけで終わってしまうこと。「いつでも」は「いつまでも来ない」に変わります。次回の具体的なタイミングまで伝えることが重要です。

フェーズ2 STEP 2

再来店対策の仕組みを作る(来店後のお客さまへの働きかけ)

施術が終わった後も、お客さまとの接点を続ける仕組みが必要です。ここで最も効果的なのがLINE公式アカウントの活用です。来店時にLINE友だち追加を促し、施術後2〜3週間のタイミングで「髪の調子はいかがですか?」という一言メッセージを送るだけで、接触頻度が生まれます。

心理学では「ザイアンス効果」と呼ばれますが、簡単に言えば「何度も顔を見るほど好きになる」という人間の性質のことです。お客さまとの接点を意図的に増やすことで、「そろそろ美容室行こうかな」と思ったとき、真っ先にあなたのお店が思い浮かぶようになります。顧客リストを作り、誰がいつ来たかを把握しておくことが、この仕組みの土台になります。

⚠️ よくある失敗:LINE登録を促すのを「なんとなく恥ずかしい」と感じてやらないこと。「登録してくれたお客さまに役立つ情報を送りたい」という目的を明確に持てば、自然に案内できます。

フェーズ3 STEP 3

新規集客の仕組みを動かす(まだ来ていない方への働きかけ)

フェーズ1・2が整ってから、初めて新規集客に取り組みます。Googleビジネスプロフィールを最適化し、地域名+「美容室」で検索したときに上位表示されるよう整える。月3万円程度のGoogle広告で、ターゲットを絞った集客を開始する。LINE友だち追加広告で見込み客リストを育てる——といった施策を、段階的に追加していきます。

⚠️ よくある失敗:フェーズ1・2が整っていないうちに新規集客だけ先に強化してしまうこと。せっかく来てくれた新規客がリピートしない状態のまま広告費をかけても、ざるで水を汲むのと同じです。

✓ ここまでのポイント

  • 再来店対策は「新規集客」とは別の仕組みが必要。まず今いるお客さまへの働きかけから始める
  • 店内での次回予約促進→LINE活用による接触継続→新規集客の順番で積み上げる
  • 「ザイアンス効果」=接触頻度を意識的に増やすことで、再来店は自然に生まれる

「差別化」は大がかりな変更がなくてもできる

「仕組みを作ろうとしても、うちに特別な強みなんてない」と感じているオーナーさんも多いかもしれません。でも、差別化のために一から何かを作る必要はありません。

増益繁盛クラブの会員である奈良県のうどん店では、次のような成果が出ています。

「既存メニューの麺の幅を広めに変更しただけで、SNSでバズが発生。既存要素の組み合わせを変えるだけで差別化できる、というメソッドの典型事例です。設備投資もゼロ、新メニュー開発もなし——ただ『麺の幅』を変えただけで、SNS経由の注文が1.5倍になりました。」

奈良県・うどん店経営者(増益繁盛クラブメンバー)

美容室に置き換えてみてください。「今あるメニューのどこかを少し変える・組み合わせを変える」だけで、SNSで話題になったり、お客さまが「友人に教えたくなる」体験が生まれたりします。たとえば、同じトリートメントでも「施術後に渡すホームケアレシピカード」を添えるだけで、お客さまにとっての体験の質が変わります。それをInstagramで「こんな工夫をしています」と発信すると、興味を持ってもらえる接点になります。

「大きなことを変えなくていい。今あるものの見せ方・組み合わせ方を変えるだけで、お客さんの受け取り方はがらっと変わります。まずはそこから始めてほしいんです。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)

再来店率を自己診断する5つのチェックポイント

今の美容室の仕組みがどの段階にあるかを確認してみましょう。

チェックポイント1:次回予約の声がけをしているか

施術終了時に「次はいつ頃来られますか?」と具体的に聞いているかどうかを確認します。

✅ ポイント:「またいつでも」ではなく「〇週間後がベストです」と具体的な時期を伝えることで、次回予約率は大きく変わります。

チェックポイント2:来店客のリストが手元にあるか

誰がいつ来て、どんな施術をしたかの記録が残っているかを確認します。

✅ ポイント:顧客リストがなければ、再来店の働きかけ自体ができません。最低限、LINE友だち数=接触できる顧客数として管理する仕組みから始めましょう。

チェックポイント3:来店後にお客さまへの接触が続いているか

施術が終わった後、次に来るまでの間に何らかの接点(LINE・SNS・ハガキなど)があるかを確認します。

✅ ポイント:接触ゼロの期間が長いほど、「忘れられる」リスクが高まります。月1回でも「旬のヘアケア情報」などを届ける仕組みが有効です。

チェックポイント4:メニューの「ご利益」が伝わっているか

メニュー表が「カット○○円」という作業名と価格の羅列になっていないかを確認します。

✅ ポイント:「朝のスタイリングが楽になるカット」「梅雨でもまとまりやすくなるトリートメント」のように、お客さまが得られる変化(ご利益)を言葉にすることで、メニューの魅力が伝わり、単価アップにもつながります。

チェックポイント5:Googleビジネスプロフィールが最新状態になっているか

地域名で検索したときに表示されるGoogleマップの情報が、現在の営業時間・写真・メニューと一致しているかを確認します。

✅ ポイント:Googleビジネスプロフィールの最適化は、無料でできる新規集客対策の中で最も効果が出やすい施策の一つです。口コミへの返信も定期的に行いましょう。

「再来店の仕組みがない美容室が一番損をしているのは、せっかく気に入ってくれたお客さんを手放していること。一度来てくれた方をもう一度呼ぶコストは、新規を呼ぶコストの5分の1以下です。まずそこに投資してほしい。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)

まとめ:仕組みは「完成させる」より「動かし続ける」ことが大切

再来店の仕組みは、一度作って終わりではありません。LINE配信を毎月続ける、Googleビジネスプロフィールを定期的に更新する、口コミに丁寧に返信する——こうした「小さな継続」が積み重なって、初めて仕組みとして機能し始めます。

最初から完璧を目指すと、結局手が動かないまま終わります。まず今週できることは何か——次回予約の声がけを一言追加するだけでも、立派な第一歩です。

「どこから手をつければ自分の店に合っているか」を整理したい方には、無料メルマガ「繁盛店になるための12のステップ」で、購買行動の設計から店内販促・再来店対策・新規集客まで、順を追って具体的なノウハウをお届けしています。専門用語は使いません。現場で今日から試せる内容だけを届けています。

また、再来店の仕組みづくりをもっと体系的に学びたい方には、顧客の購買行動を軸にした販促改善の教科書として顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書をご覧ください。美容室・飲食店・小売店の実例をもとに、仕組みの全体像をわかりやすく解説しています。お気軽にご活用ください。

本格的に売上・利益の仕組みを整えたい方、月次で継続的にサポートを受けながら改善を進めたい方は、会員制コンサルティング「増益繁盛クラブ」もご覧ください。https://haward-joyman.com/zhc20261001/ 北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、20年以上にわたって全国の経営者の業績向上を支援してきた実績をもとに、あなたのお店に合った改善の道筋を一緒に作っていきます。

  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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