「駅から歩いて15分かかる」「路地を入った奥まった場所にある」「大通り沿いじゃないから看板も見えない」――そんな立地で美容室を経営していて、こんなことを感じたことはありませんか。
- 新規のお客さんがなかなか来てくれない
- ホットペッパーに出してみたけど、クーポン目当ての一見さんばかりで続かない
- 技術には自信があるのに、そもそも知ってもらえていない気がする
- 立地の良い競合店にどんどんお客さんを取られている感覚がある
気持ちはよくわかります。でも、ひとつ大切なことをお伝えしたいのです。
立地が悪いというのは、「お客さんが偶然通りかかって入ってくれる確率が低い」というだけの話です。裏を返せば、「わざわざ来てくれるお客さんを意図的に作る仕組み」さえ持っていれば、立地の不利は大きく縮まります。そしてその仕組みを持ったお店には、わざわざ足を運ぶ「根強いファン」が育ちやすいという強みすらあります。
今回は、立地ハンデを抱えながらも選ばれ続けるための販促を、実践できる順番でお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 立地の悪さが本当の問題ではない理由と、正しい問題の捉え方
- リピートを軸にした「まず今いるお客さんから固める」3つのステップ
- Googleマップ・SNS・LINE配信を使って新規客を自力で呼び込む方法
- 値引きに頼らず「この人のところに行きたい」と思わせる言葉の作り方
こんな方におすすめ
- ✅ 駅から遠い・目立たない立地の美容室を経営している方
- ✅ ホットペッパー依存から抜け出したいと考えている美容室オーナー
- ✅ 技術には自信があるが、新規集客の方法がわからない方
- ✅ 値引きせずにリピーターを増やしたいと思っている方
- ✅ SNSやLINEを使った集客を試してみたいが何から始めればよいか迷っている方

目次
立地の問題ではなく「知ってもらう仕組み」の問題だった
多くの美容室オーナーが「立地さえ良ければ」と思っています。でも、立地の良い美容室が必ず繁盛しているかというと、そうでもない。大通り沿いにあるのに閑散としているお店もあれば、路地裏なのに半年先まで予約が埋まっているお店もある。
その違いは何かといえば、お客さんの「購買行動の流れ」を意識しているかどうかです。
私がお店の経営者にいつもお伝えするのは、お客さんは「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」という7段階を経て、はじめてリピーターになるということです。
立地の良いお店は「知る」と「来店する」の段階を偶然の通行客に頼ることができます。でも立地の悪いお店には、最初の「知ってもらう」仕掛けを意図的に作る必要がある。むしろこの仕組みを作ることで、偶然ではなく意志を持って来てくれるお客さんだけが集まる店になっていきます。
クーポン目当ての一見さんが来ないというのは、長期的には強みになります。大切なのは、順番を正しく組み立てること。次から具体的なステップで説明します。
STEP 1:まず「今いるお客さん」を手放さない仕組みを作る
再来店の仕組みづくり STEP 1
LINEに繋いで「忘れられない存在」になる
新規集客を考える前に、今来てくれているお客さんに次回も来てもらう仕組みが先です。理由はシンプルで、新規を1人集めるコストは、既存客に再来店してもらうコストの5倍以上かかるからです(これは一般的に「1:5の法則」として知られる考え方で、私自身も20年以上の支援現場でその感覚を繰り返し確認しています)。
具体的には、会計時に必ずLINE公式アカウントへの友達追加を案内することから始めます。「次のカラーの目安時期になったらご連絡しますね」という一言を添えるだけで、お客さんはLINEを追加する理由ができます。追加してもらったあとは、施術後1週間・1ヶ月・次の来店目安時期の3回、ステップ配信でメッセージを届ける。これだけで「来る理由が消えない」状態を作れます。
⚠️ よくある失敗:友達追加のお願いを「もし良かったら…」と遠慮がちに言うと、登録率が大幅に下がります。「〇〇さんのカラーは8週目に退色が始まるので、7週目に案内しますね」という具体的な理由を先に伝えるとスムーズです。
再来店の仕組みづくり STEP 2
「次回予約」を当日に取ることを仕組みにする
美容室において最も強力な再来店対策は、次回予約を当日に取ることです。「また来ます」という曖昧な別れ方ではなく、「じゃあ〇月の第〇週はどうですか?」と自然に次回日程を提案する。これをスタッフ全員の習慣にするだけで、リピート率は大きく変わります。
⚠️ よくある失敗:「次回予約してください」とマニュアル的に言うと押し付け感が出ます。「今日の仕上がりを一番長くキープしたいなら〇週後がベストです」という、お客さんへのご利益を先に伝えることが肝心です。
再来店の仕組みづくり STEP 3
メニュー名を「作業名」から「ご利益の言葉」に変える
「カット」「カラー」「トリートメント」――これはすべて作業名です。お客さんが知りたいのは「このメニューを選んだら自分がどう良くなるか」という話です。「朝のセットが3分で終わる扱いやすさカット」「褪色が2週間遅れる保湿カラー」のように、得られる変化を言葉にするだけで、同じメニューでも注文率と単価が変わります。
⚠️ よくある失敗:メリットを書こうとして「最高の仕上がり」「プロの技術」といった抽象的な言葉になってしまうケース。「何分で」「何週間」「どんな状態に」という具体的な数字や変化を入れることが重要です。
✓ ここまでのポイント
- 新規集客より先に「既存客を手放さない仕組み」を整えることが、立地の悪いお店の最優先課題
- LINE登録・次回予約・メニュー言葉の見直しは、設備投資ゼロで今週から始められる
- 「作業名」を「ご利益の言葉」に変えるだけで、値上げせずに客単価が上がる事例が続出している
「お客さんの購買行動を7段階で分解すると、多くの美容室が取り逃がしているのは新規集客ではなく、すでに来てくれているお客さんの再来店なんです。立地が悪くても、今いる100人のお客さんのリピート率を10%上げるだけで、売上は大きく変わります。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・繁盛店グループ総代表)
STEP 2:Googleマップで「検索から来る新規客」を作る
リピートの仕組みが整ったら、次は新規集客です。立地の悪いお店にとって最もコスパが高い新規集客ツールは、Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)です。
理由は明確です。立地の良いお店は偶然目にしてもらえますが、Googleマップで「〇〇市 美容室」と検索するお客さんは、すでに来店意欲がある状態です。つまり、検索から来るお客さんは最初から「行く気のあるお客さん」なのです。
Googleビジネスプロフィールで必ず整えてほしいのは以下の3点です。
- 写真の充実:外観写真(昼と夜)・施術写真・スタッフ写真を最低20枚以上登録する。写真枚数が多いほど表示回数が増える傾向があります。
- 口コミへの返信:すべての口コミに丁寧に返信する。返信の文章にお店の強みや施術名を自然に盛り込むと、検索エンジンへのアピールになります。
- 投稿の定期更新:週1回以上、新メニューやスタッフの施術事例を投稿する。「このお店は活動中」というシグナルを発信し続けることが大切です。
さらに踏み込むなら、鳥取県のラーメン店さんの事例が参考になります。GoogleビジネスプロフィールとSNSの口コミをAIで分析したところ、お客さんが高く評価していたのは「スープの質・懐かしさ・立地利便性」だったことが判明。これをメニューのキャッチコピーに反映したことで、訴求力が劇的に上がりました。
「口コミに書いてあることは、お客さんが自分の言葉でお店の強みを教えてくれているんです。それをそのままメニュー説明やSNS投稿に使えば、お客さんに刺さるのは当然ですよね。」
ハワードジョイマン(有限会社繁盛店研究所 代表取締役)
STEP 3:SNSで「この人に切ってもらいたい」と思わせる
立地の悪い美容室がSNSで意識すべきことは、「投稿数を増やすこと」よりも「来てほしいお客さんに刺さる内容を出し続けること」です。
特に効果的なのは、施術のビフォーアフターと、そのお客さんが抱えていた悩みを一緒に見せることです。「クセ毛で広がりやすいのが悩みだったお客さまに、収まりの良いレイヤーカットを提案しました」という投稿は、同じ悩みを抱えている人の検索や保存につながります。
また、奈良県のうどん店が既存の麺の幅を変えただけでSNSバズを起こした事例のように、「既存のものを少し変える・組み合わせる」発想は美容室にも応用できます。定番メニューに独自の名前をつけて見せ方を変えるだけで、差別化は生まれます。
❌ よくある間違ったSNS運用
- 「本日空きあります!」というお知らせ投稿ばかりになっている
- 他店でも見られるような汎用的なおしゃれ画像を使っている
- 投稿が週1回以下で、存在感が出ていない
✅ 選ばれる美容室のSNS運用
- 「〇〇に悩んでいる方へ」という読み手に向けたタイトルで始める
- 施術写真より「なぜこのスタイルを提案したか」のストーリーを前に出す
- スタイリストの人柄・こだわりが伝わる日常の一場面を定期的に挟む
STEP 4:Google広告で「今すぐ検索しているお客さん」に確実に届ける
ここまでの3ステップが整ってきたら、月3万円程度のGoogle広告で加速させることができます。
広告のポイントは、「〇〇市 美容室」「〇〇駅 美容室 クセ毛」など、来店意欲のある検索キーワードに絞ること。そして広告をクリックした先のページ(LP)を、ターゲットに合わせて作り分けることです。「初めての方向け」「40代の髪質改善を考えている方向け」という具合に、読んだ人が「これは私のためのページだ」と感じる内容にする。
広告費が少ない段階では、全世代・全ニーズに届けようとするより、「このお客さんだけに来てほしい」という絞り込みをする方が効率が上がります。
「月商130万円だった和歌山県の飲食店さんが450万円になったのは、誰にでも売ろうとするのをやめて、特定のお客さんに刺さるメニューと言葉を作ったからです。美容室も同じで、ターゲットを絞ることは客を減らすことではなく、来てほしい人だけを集めることです。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・増益繁盛クラブ主宰)
「正直、販促なんてやったことがなかったし、SNSも苦手で。でも教えてもらったとおりにLINEの仕組みとGoogleマップの写真登録から始めたら、3ヶ月でリピート率が目に見えて変わりました。特別なことは何もしていないのに、お客さんから『ここは他と違う』と言ってもらえるようになったのが一番うれしいです。」
増益繁盛クラブ会員(美容室オーナー・40代)
まとめ:立地の不利は「仕組み」で補える
立地が悪い美容室が選ばれ続けるために必要なことを、もう一度整理します。
- まず今いるお客さんを逃さない――LINE登録・次回予約・メニューの言葉の見直し
- Googleマップで検索から来る新規客を作る――写真・口コミ返信・定期投稿
- SNSで「この人に頼みたい」という存在感を作る――悩みとストーリーを前に出す
- Google広告で来てほしいお客さんに直接届ける――キーワードとLPのターゲット設計
どれも今日から始められるものばかりです。そして、この順番が大切です。新規集客を先に強化しても、再来店の仕組みがなければバケツの底が抜けた状態と同じです。まず底を塞ぐ、それから水を注ぐ。
私は静岡市清水区を拠点に、20年以上にわたって全国の飲食店・美容室・小売店の経営者に「値引きに頼らず、仕組みで利益を残す方法」をお伝えしてきました。北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、実践してくださった方々から業績アップの報告が届いています。
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立地は変えられなくても、仕組みは今日から変えられます。一歩踏み出すきっかけに、この記事がなれば嬉しいです。