梅雨が明けたと思ったら、もうお盆の足音が聞こえてくる。この時期、「宴会・忘年会シーズンに向けて何か手を打ちたい」という声が、会員さんからも増えてきます。
そこで今回のテーマはLINE公式アカウントの使い方です。「登録してはみたけど、ほとんど使えていない」「配信しても反応がない」「そもそも友だちが増えない」——こういった声を本当によく聞きます。
LINEはいま、飲食店にとって最も手軽で成果の出やすい集客ツールの一つです。でも使い方を間違えると、せっかく友だち登録してくれたお客さんを一気に失う諸刃の剣にもなります。
今回はよく寄せられる質問を一気にまとめて答えていきます。
こんな方におすすめ
- ✅ LINE公式アカウントを開設したが、ほとんど活用できていない飲食店経営者
- ✅ 配信しても開封されない・反応がないと悩んでいる方
- ✅ ホットペッパーやポータルサイトへの依存から抜け出したいと感じている方
- ✅ 値引きに頼らずリピーターを増やす方法を探している方
- ✅ LINE友だちの数をこれから増やしていきたいと考えている方

目次
Q1. そもそも飲食店にとってLINEって必要ですか?
結論から言うと、「顧客リストを自分で持つ」という観点から、いまの時代に欠かせないツールです。
ホットペッパーや食べログに掲載している限り、集客はその媒体に依存しています。掲載費を止めた瞬間に新規客がゼロになる恐怖——これは多くの経営者が抱える悩みですよね。でもLINEの友だちリストは、掲載費を払い続けなくてもあなたのお店の資産として残ります。
メールよりも開封率が圧倒的に高く、メルマガの開封率が平均20〜30%程度と言われるのに対して、LINEは60〜70%に達することも珍しくない。つまり「伝えたいことが伝わりやすい」媒体なのです。
ただし、「伝わりやすい」ということは、内容が悪ければ「ブロックされやすい」ということでもある。使い方が命です。
Q2. 配信しても開封率が上がりません。何が問題ですか?
開封率が低い原因は、大きく分けて2つです。
① メッセージの冒頭が「お知らせ」になっている
「〇〇のご案内です」「本日の営業時間のお知らせです」——こんな書き出しは、読む前からスルーされます。LINEはもともと友人・家族との会話ツール。店からの一方的な「お知らせ」は、友だちとのトーク画面の中では完全に浮いてしまう。
意識してほしいのは「書き出しの1行」で読む気にさせること。たとえば——
「昨日、仕入れたばかりのカツオが届いて、思わず厨房でガッツポーズしました」
「今年の夏、うちの一番人気が変わりそうです」
「先週来てくれたお客様から、こんな言葉をいただきました」
この3行、読みたくなりませんか? まず「続きが気になる」と思わせることが先です。
② 配信の頻度が高すぎる
月に10回以上配信しているお店もあります。でも友だち登録してくれたお客さんは、毎日あなたのお店の情報を待っているわけではない。週1回か2回、多くても週3回程度にとどめる。「楽しみにしてもらえる頻度」を意識してください。
Q3. 何を配信すればよいか迷います。ネタが尽きてしまうのですが…
「何を配信すればいいかわからない」は、実は視点のズレから来ていることが多いです。「何を伝えようか」ではなく、「お客さんは何を知りたいか」に切り替えてみてください。
具体的には、次の3カテゴリを軸にするとネタに困りません。
① 仕入れ・食材ストーリー
産地や生産者のこだわり、今日届いた旬の食材——「誰が・どこで・どう作ったか」の話は読まれます。料理の背景を知ることで、お客さんはその一皿に価値を感じてくれる。これが「ご利益の言葉化」の考え方にもつながります。
② 厨房の日常・人物エピソード
シェフや店主の失敗談・発見・感動。スタッフの紹介。お客さんとのやりとり。「このお店、どんな人が作っているんだろう?」という興味に応えるコンテンツです。
③ 期間限定・数量限定の情報
「今週末だけ」「残り5席」「今月限りのメニュー」——希少性と緊急性は行動を促します。ただし毎回「限定!」を使うと効果が薄れるので、月に1〜2回程度にとどめること。
✓ ここまでのポイント
- LINEは「顧客リストを自分で持つ」ための最重要ツール。ポータルサイト依存から脱却する柱になる
- 開封率を上げるには「書き出しの1行」と「配信頻度のコントロール」が鍵
- 配信ネタは「仕入れストーリー」「人物エピソード」「期間限定情報」の3軸で考えると尽きない
Q4. クーポンを配信しないと反応がありません。値引きなしで集客できますか?
「クーポンを配ればすぐ反応がある」——これは事実です。でも同時に、これが一番やってはいけないことでもあります。
値引きクーポンは習慣になります。一度クーポン目当ての客層が定着すると、クーポンなしでは来なくなる。売上は立っているのに粗利が残らない——よくある「忙しいのに儲からない」構造がここから生まれます。
クーポンに頼らずに反応を作るためのポイントは「接触頻度(ザイアンス効果)」です。人は何度も接触したものに親しみを感じ、自然と選びやすくなる。毎週のように「面白い話」「おいしそうな一皿の写真」「少し笑える厨房エピソード」が届くお店は、気づけば「また行きたいお店」になっています。
値引きゼロで月商130万円→450万円へと伸ばした和歌山県の飲食店があります。やったことは、地域にない独自コンセプトのランチプレートを開発し、その価値をしっかり言葉で伝えたこと。LINEもその「伝える」手段の一つとして機能しています。
「ジョイマン先生に言われた通り、クーポン配信をやめて代わりに仕入れの話や旬の食材ストーリーを送るようにしました。最初は不安でしたが、3ヶ月後にはLINEを見たというお客さんが増えて、しかも来てくれたお客さんの単価が以前より上がっていました」
奈良県・うどん店経営者(40代・男性)
「月商300万円から始めて、仕組みを少しずつ積み上げてきた結果、想像もしていなかった規模になりました。LINEはお客さんとの接点を増やす柱の一つです」
増益繁盛クラブメンバー・飲食店経営者
Q5. セグメント配信って必要ですか?難しそうで手が出ません
セグメント配信とは、友だちを属性(性別・年齢・地域・登録からの経過日数など)で絞り込んで配信する機能です。「全員に同じ内容を送る」のではなく、「ランチ常連さん向けにはランチ情報、宴会利用のお客さん向けには宴会プランの案内」というように分けて送れます。
これは確かに効果が高い。でも最初から完璧に設計しようとすると手が止まります。
まず「全体配信をちゃんとやる」ことを先に固めてください。友だち数が300〜500人を超えてきたあたりから、少しずつセグメントを意識し始めればいい。最初の段階では「流入経路(来店時登録か、広告経由か)」で分けるだけでも十分です。
LINE公式アカウントのステップ配信機能も使えます。友だち追加した日から自動で「登録翌日に自己紹介メッセージ」「3日後に名物メニューの紹介」「7日後に来店を促す一言」という流れを設定しておけば、追加後の数日間は放置せずに接点を保てます。
まとめ:LINEは「仕組み」として動かしてこそ意味がある
LINE公式アカウントは、ただ登録して気が向いたら配信する——というツールではありません。「お客さんとの接点を継続的に作る仕組み」として設計することで、初めて集客の武器になります。
まとめると、
- 書き出しの1行でまず「読みたい」と思わせる
- 配信頻度は週1〜2回が基本。多すぎるとブロックされる
- ネタは「仕入れ」「人物」「期間限定」の3軸で考える
- クーポン配信は習慣にしない。ザイアンス効果で「また行きたい」を作る
- セグメント・ステップ配信は友だち数が増えてから段階的に導入する
私、ハワードジョイマンは静岡市清水区を拠点に、20年以上にわたって全国の飲食店経営者のLINE活用・集客の仕組みづくりを支援してきました。中小企業診断士として数字の裏付けを持ちながら、「専門用語ゼロ・明日から動ける」形でお伝えすることを大切にしています。
LINEの使い方一つをとっても、「どの段階の購買行動に働きかけているのか」を意識するかどうかで、結果が全然違ってきます。「知る→興味→来店→入店→注文→会計→再来店」という7段階のうち、LINEは主に「再来店」と「注文点数アップ」に効く。この設計ができているかどうかが、成果の出るLINE活用の分かれ目です。
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一人でも多くの飲食店経営者に、「頑張っているのに報われない」状態から抜け出してほしい——その一心で書き続けています。ぜひ参考にしてみてください。
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