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飲食店の経営計画の書き方|数字が苦手でも作れるテンプレート

先日、ある飲食店のオーナーからこんな相談をいただきました。

「経営計画を作れって言われるんですが、正直、数字を並べるのが苦手で……。でも、このままなんとなく経営してていいのかとも思って」

すごくよくわかります。料理一筋でやってきた人が、急に「経営計画を作れ」と言われても、どこから手をつけていいかわからないですよね。

実はこれ、僕自身も通ってきた道なんです。市役所に勤めながら中小企業診断士の勉強をしていた頃、「経営計画を作る」という作業が最初は本当に苦痛でした。でも今は、これがお店の羅針盤だと心から思っています。

この記事では、数字が苦手な飲食店経営者でも「あ、これならできる」と感じてもらえるように、経営計画の考え方と実践的な作り方をお伝えします。難しいビジネス用語は一切使いません。

📋 この記事でわかること

  1. 飲食店の経営計画がなぜ必要か、その本当の意味
  2. 数字が苦手でも使える「逆算」の考え方
  3. 経営計画テンプレートの具体的な作り方と記入の手順
  4. 計画を絵に描いた餅で終わらせないための継続のコツ

こんな方におすすめ

  • ✅ 経営計画を作ったことがなく、何から始めればいいかわからない方
  • ✅ 数字や財務が苦手で、計画書を見るだけで頭が痛くなる方
  • ✅ 売上は立っているのにお金が残らず、その理由がわからない方
  • ✅ 「なんとなく経営」を卒業して、先の見える経営をしたい方
  • ✅ 補助金申請や金融機関への説明のために経営計画書が必要な方
飲食店の経営計画の書き方|数字が苦手でも作れるテンプレート | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

経営計画書は「未来の設計図」ではなく「今の自分への手紙」

よく「経営計画書=銀行や行政に提出するための書類」と思われています。でも本当はそうじゃない。

僕が思う経営計画書の本質は、「3年後・5年後の自分が、今の自分に書く手紙」です。「あのとき、こう決断しておいてよかった」と未来の自分が思えるような決断を、今しておくための道具。それが経営計画書の正体です。

話は変わりますが、僕は休日に清水港周辺をぶらっと歩くのが好きでして。三保の松原まで足を伸ばすこともあります。地元・静岡市清水区の風景を眺めながら、「この景色を100年後の人も見ているのかな」なんて考えるんです。

お店もそうで、「10年後もこのお店が地域にあるかどうか」は、今日何をするかで決まります。経営計画書はその「今日何をするか」を決めるための地図なんです。

❌ よくある誤解:経営計画書=難しい数字の羅列

  • 損益分岐点・CF計算書・KPI……専門用語が並んでいてそれだけで挫折する
  • コンサルに作ってもらったものの、自分で読み返すことがない
  • 「書いた、終わり」になって、日々の経営に全く活かされていない

✅ 正しい向き合い方:シンプルな「逆算」から始める

  • 「いつまでに、いくら残したいか」から逆算して、今月の利益目標を決める
  • 専門用語なしで、誰でも読み返せる言葉で書く
  • 毎月10分でチェックできる「実行管理シート」とセットで使う

数字が苦手でも迷わない「逆算」の考え方

経営計画で多くの方がつまずくのは、「売上目標を先に決めようとする」からです。

「今月500万円売る!」と決めても、それをどうやって達成するかが見えないから、計画は机の引き出しに眠るだけ。

僕がおすすめするのは、まったく逆の順番です。

チェックポイント1:「あなたは何のためにこのお店をやっているか」

突然哲学的な話になった、と思わないでください。これが経営計画の出発点として、実は最重要です。「老後に月30万円の生活費が必要」「10年後に2号店を出したい」「子どもが大学に入るまでに教育費を貯めたい」――こうした個人のゴールを先に決めると、逆算の計算が一気にリアルになります。

✅ ポイント:まず「65歳で引退したとして、そこまでに手元にいくら残す必要があるか」を計算してみてください。年間必要額×残り年数=必要な累計利益。これを月割りにすれば「今月いくら利益を残すべきか」という目標が生まれます。

チェックポイント2:「今のお店の粗利率を知っているか」

売上から食材費を引いた金額が粗利です。売上500万円で食材費150万円なら、粗利は350万円・粗利率70%。この数字を知らずに売上目標だけ追いかけても、手元に残るお金は増えません。

✅ ポイント:粗利率が低いお店は、値引きクーポンを使いすぎているか、客単価の低いメニューに注文が集中しているケースがほとんどです。まず現状の粗利率を計算し、目標粗利率との差を確認しましょう。

チェックポイント3:「固定費の合計を即答できるか」

家賃・人件費・光熱費・広告費・リース料……これらを足した金額が毎月必ず出ていく固定費です。「だいたい200万円くらい」ではなく、円単位で把握しているかどうかが経営計画の精度を左右します。

✅ ポイント:固定費の中に「やめられるもの」が必ず潜んでいます。「なんとなく継続しているサービス」「使っていない機器のリース」を洗い出すだけで、毎月数万円の固定費削減になるケースが珍しくありません。

✓ ここまでのポイント

  • 経営計画は「売上目標を先に決める」のではなく「必要な利益から逆算する」のが正しい順番
  • 粗利率・固定費を把握することが、経営計画の土台になる
  • 個人のライフプランと経営計画をつなげると、目標がリアルに動き出す

「経営計画書を作るとき、最初に聞くのは売上目標じゃないんです。『あなたは何年後にいくら持っていたいですか?』という質問から始めます。そこから逆算すると、不思議なほどやるべきことがシンプルに見えてくる。数字が苦手な方ほど、逆算から始めると腹落ちが早いんです。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/繁盛店研究所 代表取締役)

数字が苦手でも作れる経営計画テンプレートの5ステップ

経営計画作成 STEP 1

「今月の利益目標」を決める(10分)

先ほどの逆算で出た「月に必要な利益」を起点に、まず今月の利益目標を設定します。「今月は利益30万円残す」という一行が、最初の経営計画です。難しく考えすぎず、これだけでOK。

⚠️ よくある失敗:売上目標だけ書いて満足してしまい、利益への意識がゼロのまま終わるケース。売上は結果であり、コントロールできません。コントロールできるのは「価格設定」「注文点数の設計」「固定費の削減」です。

経営計画作成 STEP 2

売上を「客数×客単価」ではなく7段階に分解する

「客数×客単価=売上」という計算式はシンプルですが、現場の改善には使いにくい。僕がおすすめするのは、お客さんの行動を7段階(知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する)に分解する方法です。

自分のお店がどの段階で「お客さんを取りこぼしているか」を特定すると、打ち手が明確になります。たとえば「通りを歩いている人が入ってきてくれない」なら「入店」の段階の改善。「一度来てくれるけどリピートしない」なら「再来店」の段階の改善です。

⚠️ よくある失敗:原因を特定しないまま「とにかく新規集客を増やそう」とホットペッパーに追加掲載してしまうパターン。入店率が低いお店がいくら新規客を増やしても、バケツに穴が空いたままお水を注ぐようなもの。

経営計画作成 STEP 3

「名物メニュー1品」の単価と粗利率を設計する

経営計画の中心に「利益をしっかり残せる看板メニュー」を置きます。客単価3,500〜15,000円の飲食店なら、客単価全体の30〜40%を占める高粗利メニューが1品あるだけで、月の利益が大きく変わります。

⚠️ よくある失敗:原価率が高い「こだわりの一品」を一番目立つ場所に置いてしまうケース。こだわりは大切ですが、お店として継続するためには「おいしい×儲かる」の両立を設計する必要があります。

経営計画作成 STEP 4

「やること」より先に「やめること」を決める

経営計画というと「何を追加するか」を書くものだと思われがちですが、同じくらい大切なのが「何をやめるか」の宣言です。広告費・人件費・商品種別・サービス内容……削減できるものを一行書いておくだけで、翌月のキャッシュが変わります。

⚠️ よくある失敗:「とりあえず全部続けながら新しいことをやる」という追加思考。体力も時間も資金も有限です。やめることを先に決めると、空いたリソースで本当にやるべきことができます。

経営計画作成 STEP 5

月1回・10分のチェックタイムを設ける

作った計画を毎月末に10分だけ見返す習慣をつけます。「今月の利益は目標に届いたか」「7段階のどこが改善できたか」を2〜3行メモするだけでいい。これを12回繰り返すと、1年後には驚くほど経営が見えるようになります。

⚠️ よくある失敗:「経営計画を作って満足」で終わり、1ヶ月後には存在を忘れてしまうケース。計画書は作ることが目的ではなく、使い続けることに価値があります。

「月商300万円→月商2億5,000万円になったメンバーも、最初は『数字が苦手』と言っていました。でも、毎月の利益目標を決めて、7段階を一つずつ改善し続けた結果です。大きな飛躍は、地味な積み重ねの先にある。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士/繁盛店研究所 代表取締役)

実際の成果事例:計画を持った経営者だけが変わる

「経営計画を作る前は、毎月売上が気になって不安でした。でも、利益ベースで逆算してから『今月何をすればいいか』がクリアになって、動きが変わりました。和歌山で飲食店をやっていますが、月商130万円から450万円になりました。メニューを増やすより、利益の出るメニューを1品作ることの大切さを実感しています。」

和歌山県・飲食店経営者(増益繁盛クラブメンバー)

「SNSが得意なわけじゃないんですが、奈良のうどん店をやっていて、麺の幅を少し変えたら口コミが広がって注文が1.5倍になりました。経営計画の中で『差別化ポイントを1つ作る』というゴールを設定していたからこそ、その小さな変化に気づいて実行できたと思います。」

奈良県・うどん店経営者(増益繁盛クラブメンバー)

共通しているのは、「大きな設備投資もなく」「特別なスキルもなく」、経営計画という地図を持って動いたから結果が出たという点です。計画がなければ、同じ行動をしても「なんとなく良くなった気がする」で終わります。計画があるから「どこが改善されたのか」が見える。見えるから、次の打ち手が生まれる。

まとめ:「なんとなく経営」を今日で卒業しよう

経営計画書は、MBAを持つ人や数字の得意な人だけのものじゃありません。「自分のお店を10年後もここに残したい」「家族に安心してほしい」「スタッフに胸を張って給料を払いたい」――そういうシンプルな想いを持つ経営者なら、誰でも作れるし、作るべきものです。

難しい言葉は要りません。必要なのは、「いつまでにいくら残したいか」という1行から始める勇気だけ。

静岡市清水区で創業20年、北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで全国の飲食店・美容室・小売店を指導してきた経験から言えるのは、「経営計画を持った経営者は、どんな環境変化にも動じない」ということです。

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  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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