先日、千葉県で居酒屋を営む40代の経営者の方からこんなご相談をいただきました。
「料理には自信があるんです。でも月末になると通帳を見るのが怖い。忙しく働いているのに、手元にお金が全然残らなくて……」
この言葉、もしかしたら今のあなたにも刺さるかもしれません。
経営が厳しいと感じたとき、多くの方が「もっと美味しいものを作らなければ」「もっと頑張らなければ」という方向に動きます。でも、どれだけ現場で汗をかいても、状況が変わらないことがある。それはなぜか。
原因は料理の質ではなく、「経営の見方」にあることがほとんどです。
今回は、飲食店の経営が厳しいと感じた時に最初に見直すべき3つのことを、順を追って丁寧にお伝えします。難しい話はしません。今日読んで、明日から動ける内容にしました。
こんな方におすすめ
- ✅ 売上は立っているのに、月末に手元のお金が残らないと悩んでいる方
- ✅ 「美味しいものを作れば来てくれるはず」という思いと現実のギャップを感じている方
- ✅ 食べログやホットペッパーに掲載しているが、クーポン目当て客ばかりで困っている方
- ✅ 販促や集客に何から手をつければいいか分からない方
- ✅ 飲食店経営の本質的な見直し方を、基本から知りたい方

目次
見直し①「売上 × 頑張り量」という思い込みを手放す
経営が厳しくなると、多くの経営者がまず「もっと営業時間を延ばそう」「もっと種類を増やそう」という方向で考えます。努力の量を増やすことで突破しようとする。
でもこれには構造的な限界があります。時間も体力も有限だからです。
私がよく使う考え方に、「顧客購買行動の7段階」というものがあります。お客さんがお店で売上を作るまでの道のりを分解すると、こうなります。
①知る → ②興味を持つ → ③来店を決める → ④入店する → ⑤注文する → ⑥会計する → ⑦再来店する
売上が伸びない、お金が残らない――これらはすべて、この7段階のどこかでお客さんが「離脱している」結果です。
ところが多くの方は、この7段階を考えずに「もっと新規客を呼ばなければ」という①の部分だけを見ています。実は③〜⑦の部分、つまりすでに来店してくれているお客さんから売上を最大化する工夫の方が、投資対効果がずっと高いケースが多い。
たとえば、メニューブックの並び順を変えるだけで、注文単価が変わります。安いメニューを上に並べれば、自然とお客さんは安いものを選びます。逆に、一番売りたいメニューを目線の高さ・一番目につく位置に配置するだけで、注文パターンは変わるんです。
まず「どの段階でお客さんが離脱しているか」を自店で見てみる。ここから始めることが、経営の見直しの第一歩です。
見直し②「売上より利益を基準にする」経営に切り替える
「売上は月商○○万円ある。でも手元にお金がない」――この状態は、売上を見て経営しているから起きます。
売上と利益は別物です。売上は「入ってきたお金」、利益は「手元に残ったお金」。経営を続けるために必要なのは利益の方なのに、多くの経営者は売上という数字だけを追いかけて、利益の設計をしていない。
私が会員の方々によくお伝えするのが、「逆算経営」という考え方です。
「自分が65歳で引退するまでに、毎月いくら手元に残れば豊かに暮らせるか」をまず決める。そこから逆算して、今月の粗利の目標を決める。その粗利を出すために、客単価と粗利率をどう設計するかを考える。この順番で考えると、「値引きしてでも客数を増やす」という発想が自然と消えていきます。
値引きクーポンは、売上は増えても粗利を削ります。月商が上がっても、利益が減っていたら意味がない。
「忙しいのに手元にお金が残らない」と感じているなら、まず自店の粗利率を計算してみてください。売上ではなく、粗利を基準に経営を組み立て直す。これが見直しの2つ目です。
✓ ここまでのポイント
- 売上の伸び悩みは、顧客購買行動の7段階のどこかで離脱が起きている結果。新規集客より「既存客の単価・再来店」の改善が先。
- 「売上より利益を基準にする」逆算経営に切り替えることで、値引き依存から抜け出せる。
「ランチにハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライの3つ同時盛りプレート(2,300〜2,500円)を開発したところ、地域に同じコンセプトの店がなく、客単価と客数が同時に上がりました。値引きは一切していません」
和歌山県の飲食店経営者・月商130万円→450万円(増益繁盛クラブ会員)
見直し③「価値をお客さんの言葉で伝える」仕組みを作る
「うちの料理は他に負けていない。でもそれがお客さんに伝わっていない気がする」
この感覚を持っている飲食店経営者の方、じつかなり多いです。そしてその直感は、多くの場合、正しい。
問題は料理の質ではなく、「その価値がお客さんに届く言葉になっていない」こと。
メニューに「ハンバーグ 980円」とだけ書いてあるとします。そのハンバーグが、「国産黒毛和牛と豚肩ロースを3:7でブレンドし、石窯で表面を香ばしく焼き上げた肉汁あふれるハンバーグ」だとしたら、それを読んだだけで口の中に唾液が出てきませんか?
私がよく使う言葉で言うと、「作業名」から「ご利益の言葉」へ変える、ということです。
「ハンバーグ」は作業名。「このメニューを食べることでお客さんがどう嬉しくなるか」を言葉にしたものが、ご利益の言葉です。
これはメニューブックだけの話ではありません。POPも、Instagram投稿も、Googleビジネスプロフィールの説明文も、すべてにこの発想が使えます。
鳥取県のラーメン店では、GoogleビジネスプロフィールとSNSの口コミをAIで分析したところ、お客さんが実際に評価していたのが「スープの質」「懐かしさ」「立地の便利さ」だと判明しました。それをメニューのキャッチコピーに反映させたところ、検索からの来店が目に見えて増えた。料理を変えたわけでも、設備を新しくしたわけでもありません。「伝え方」を変えただけです。
「麺の幅を少し広めに変えただけでSNSでバズりました。新しい設備も、新しいメニューも必要なかった。あるものの組み合わせを少し変えるだけで、こんなに変わるんだと驚きました」
奈良県のうどん店経営者(増益繁盛クラブ会員・SNS経由の注文が1.5倍に)
「経営が厳しい」は、行動を変えるサインです
今回お伝えした3つを、もう一度まとめます。
① 「頑張り量を増やす」より「購買行動の7段階のどこを改善するか」を考える
② 売上ではなく利益を基準にした逆算経営に切り替える
③ 自店の価値を「お客さんのご利益の言葉」で伝える仕組みを作る
どれも大きな設備投資や長い準備期間は必要ありません。今日から動き始められる内容です。
私・ハワードジョイマンは、静岡市清水区を拠点に20年以上、全国の飲食店・美容室・小売店の経営者の方々を支援してきました。北は北海道から南は沖縄、アメリカ在住の日本人経営者の方まで、実際に動いて業績を変えてきた方を何百人もそばで見てきました。
その経験から断言できることがあります。経営が厳しいと感じた瞬間は、「やり方を変えるタイミング」です。努力の量を増やすのではなく、努力の向きを変える。それだけで、景色は変わります。
まず次の一手として、無料のメールセミナー(全12回)をご活用ください。「繁盛店になるための12のステップ」として、売上の作り方・利益の残し方を専門用語ゼロでお届けしています。読んで終わりではなく、読んだら動けるように設計しています。
また、「購買行動の7段階」から販促の全体像を体系的に学びたい方には、こちらの教材も参考にしてみてください。実際に全国の飲食店経営者が実践して成果を出してきたメソッドを、ステップごとに解説しています。
「もっと深く、継続的に取り組みたい」という方には、会員制コンサルティング「増益繁盛クラブ」もご用意しています。月次のセミナー・会報誌・個別サポートを通じて、全国の仲間と一緒に経営を改善し続ける環境です。
「まず話を聞いてみたい」という方も、お気軽にどうぞ。一緒に、あなたのお店の現状を整理するところから始めましょう。