最新繁盛店ノウハウ

飲食店の売上が上がらない5つの理由と今日から変えられる改善策

飲食店の売上が上がらない5つの理由と今日から変えられる改善策

飲食店の廃業率は、開業から3年以内で約50%、10年以内では約90%に達するという統計があります。「半分以上のお店が3年持たない」という現実は、業界内では知られた話ですが、いざ自分のお店が売上停滞に直面すると、その数字が急にリアルになってくる。

そして多くの経営者が最初に考えることは「もっとうまい料理を作ろう」「食材の質をさらに上げよう」です。気持ちはよくわかります。料理人として、腕で勝負してきた誇りがあるから。

ただ、正直に申し上げます。売上が上がらない原因は、ほとんどの場合「料理の質」ではありません。

私はハワードジョイマン、静岡市清水区を拠点に20年以上、飲食店・美容室・小売店の経営者を指導してきた中小企業診断士です。テレビ東京「ガイアの夜明け」でも取材を受けましたが、現場で繰り返し見てきた「売上が上がらない構造」には、共通したパターンがあります。今日はその5つを整理して、今日から動けるアクションと一緒にお伝えします。


飲食店の売上が上がらない5つの理由と今日から変えられる改善策 | 全国の繁盛店がやっている増益繁盛店作りの強化書

理由①:「知ってもらう」段階で止まっている

お客さんが来店するまでには、「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」という7つの段階があります。私がコンサルティングで使っている「顧客購買行動7段階モデル」です。

売上が上がらない飲食店の多くは、この最初の「知ってもらう」段階で躓いています。Googleマップで検索されたとき、自店が表示されているか確認してみてください。Googleビジネスプロフィールの写真は最近更新されていますか?口コミへの返信はしていますか?

食べログやホットペッパーに掲載しているだけで「集客している」と思っている方は要注意です。それはプラットフォームに集客を「丸投げ」しているだけで、あなたのお店の資産にはなっていません。掲載をやめた瞬間に新規客がゼロになるリスクを、毎月の掲載費で買い続けている状態です。

今日からできること:Googleビジネスプロフィールにアクセスして、店舗写真・営業時間・カテゴリ設定を見直す。最新の料理写真を3枚以上追加するだけでも、表示順位と印象が変わります。


理由②:「入店率」が低いのに外観を放置している

お店の前を通っても入ってこないお客さんが、毎日何人いるか考えたことがありますか。「前を通った人が全員入ってくれたら…」と思うと、実はここに大きな伸びしろが眠っています。

夜の外観が暗い、看板の電球が切れている、入口に何の情報もない——こういったお店は、「どんなお店かわからない」から素通りされます。人は知らないお店に入るのに心理的なエネルギーが必要です。その壁を外観で下げてあげることが、入店率改善の本質です。

奈良県のうどん店さんの事例が印象的でした。麺の幅を少し広くしただけで、それをSNSに投稿したところ拡散されて新規客が増えた。「変えた」ことを見える化して伝えたことが、関心を引く入口になったんです。外観や入口の「変化」も同じ原理で使えます。

今日からできること:夜の時間帯に自分のお店の前に立って、外から見た印象を確認する。照明・看板・メニューサンプルの見え方を点検する。


理由③:メニューブックが「注文の邪魔」をしている

これは多くの飲食店経営者が気づいていない盲点です。メニューブックのページ構成が「安い順」になっていると、お客さんの目は自然と一番安いメニューに向かいます。一番売りたいメニューを一番目立つ場所に置いていないお店が、本当に多い。

また、メニュー名が「作業名」になっているお店も同様です。「ハンバーグ定食 980円」と書いてあっても、それを注文することで自分がどう嬉しくなるかが伝わらない。「国産黒毛和牛100%・鉄板で香ばしく焼いた肉汁ハンバーグ定食」と書けば、同じ料理でも選ばれ方が変わります。

私はこれを「ご利益の言葉化」と呼んでいます。お客さんが知りたいのは料理の名前ではなく、「このメニューを頼んだら自分はどう良くなるか」です。メニューブックはれっきとした販促物です。

今日からできること:メニューブックの1ページ目を開いて、一番利益率が高くて自信のある料理が最初の見開きに来ているか確認する。なければ、今日の閉店後に並び順を変える。


理由④:リピート率が低いのに「新規集客」だけを考えている

売上が伸び悩んでいる飲食店の経営者に「何から改善しますか?」と聞くと、ほぼ全員が「新規のお客さんを増やしたい」と答えます。しかし計算してみると、新規客を1人獲得するコストは、既存客を再来店させるコストの5〜7倍かかると言われています。

一度来てくれたお客さんに「また来たい」と思ってもらえる仕組みがないまま新規集客にお金をかけても、水の入らないバケツに水を注いでいるようなものです。

満席でお断りしたお客さんに「次回来てくれたら優先的にご案内します」という再来店の一言を伝えているか。LINE公式アカウントを持っていて、来店後にフォローアップできているか。お客さんのリストを持っているかどうかで、1年後の売上は大きく変わります。

千葉県のお好み焼き店さんは、製薬会社向けに単価2,500〜3,000円の弁当を朝50個安定受注する仕組みを作りました。店内の新規客だけに頼らず、既存のお客さんとの関係を深めながら収益源を広げた好例です。

今日からできること:LINE公式アカウントをまだ持っていなければ今日中に開設する。すでにある方は、次の来店で友だち追加を促す一言をスタッフ全員に伝える。


理由⑤:「販促=値引き」だと思い込んでいる

クーポンを出せば人は来ます。でも来るのはクーポン目当てのお客さんで、定価で再来店してくれない。これは全国の飲食店で起きていることです。

値引きは「価値を下げて量で補う」発想です。一方、販促の本来の意味は「価値を正しく伝えて、選ばれやすくする」ことです。この違いを理解しているかどうかで、3年後の利益率が大きく変わります。

和歌山県の飲食店さんは、ランチにハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライの3種盛りプレート(2,300〜2,500円)を開発しました。値引きではなく「地域にないコンセプト」で客単価と集客数を同時に上げた事例です。特別な設備投資も必要なく、3ヶ月以内に効果が出ています。

鳥取県のラーメン店さんは、AIでGoogleの口コミを分析して「自店の強み」を言語化しました。お客さんが評価しているポイントをメニューのキャッチコピーに反映させただけで、訴求力が上がった。これも値引きゼロの販促です。

今日からできること:自店のGoogleの口コミを5件読んで、お客さんがよく使う言葉をメモする。その言葉をメニューブックのキャッチコピーや店頭POPに転用してみる。


まとめ:「どの段階」で売上を落としているかを特定することが最初の一歩

売上が上がらない5つの理由を整理しました。

  1. 「知ってもらう」段階で自力集客の仕組みがない
  2. 入店率を上げる外観・入口の設計ができていない
  3. メニューブックが注文単価を下げる作りになっている
  4. リピート対策なしに新規集客だけを追いかけている
  5. 「販促=値引き」の思い込みが利益を削っている

共通しているのは、「もっと頑張る」方向ではなく「どこを変えるか」を特定することで解決できる、という点です。7段階の購買行動のうち、あなたのお店がどの段階で機会を逃しているか。そこさえ見えれば、今日から打てる手は必ず見つかります。

20年間、北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで指導してきて確信していることがあります。売上より利益を重視する設計に切り替えた経営者は、値引きをやめても売上が伸びます。その仕組みの全体像を体系的にまとめたのが、下記の教科書です。まずここから自分のお店に当てはめてみてください。

ご自身のお店の現状や課題について、もう少し具体的に深掘りしたい方は、無料メールマガジン「繁盛店になるための12のステップ」からお気軽にどうぞ。読者1万人超の実践型メルマガで、専門用語なしに「明日からできること」をお届けしています。

▼ 顧客の購買行動を軸に、今日から改善できる販促の全体設計はこちら
顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書

▼ 毎月の会報誌・セミナー・個別サポートで継続的に業績を伸ばしたい方へ
増益繁盛クラブ入会案内はこちら

  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

-最新繁盛店ノウハウ