目次
飲食店で月商300万円から伸ばす方法|今ある客数のまま売上1.5倍
「新規集客をもっと頑張れば売上が伸びる」と信じている飲食店経営者の方に、少し驚く数字をお伝えします。
私がこれまで全国の飲食店経営者を支援してきた中で感じることがあります。売上が月商300万円前後で頭打ちになっているお店のうち、集客数(客数)そのものに問題があるケースは、実は半分以下です。
残りの半分以上は、すでに来店してくれているお客さんからの売上が、本来得られるはずの水準を大きく下回っている。つまり、「入口のお客さんの数」ではなく、「入ってきたお客さんへの売り方・見せ方・提案の仕方」に問題がある、というケースがほとんどなんです。
今日は、客数をそのままにしたまま売上を1.5倍にするための考え方と、具体的な手順をお伝えします。静岡市清水区を拠点に、20年以上にわたって飲食店・美容室・小売店の経営者を指導してきた中小企業診断士・ハワードジョイマンが書いています。

月商300万円の壁の正体は「集客不足」ではない
月商300万円という数字は、20席〜40席規模の飲食店にとってひとつの分岐点です。この水準に来ると「もっと広告を出さないといけない」「SNSをもっとやらないと」という方向に思考が向きがちです。
でも、少し立ち止まって考えてみてください。
今あなたのお店に1日50人のお客さんが来店しているとして、そのうち何人が追加の一品を頼んでいますか?何人が次回の来店につながっていますか?何人が「また来たい」と思って帰っていますか?
私は飲食店の売上を分析するとき、「客数×客単価」という2つの掛け算では見ません。お客さんが「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」という7段階の行動に分解して考えます。
月商300万円から伸び悩んでいるお店では、この7段階のどこかに「抜け穴」がある。新規集客(「知る→来店」の段階)を頑張っても、「注文する」「再来店する」の段階で漏れがあれば、穴の空いたバケツに水を注いでいるようなものです。
まず穴を塞ぐ。それが月商300万円突破の最短ルートです。
客単価を上げる前にやるべき「メニューの並べ方」の話
あなたのお店のメニューブック、一番上に載っているのは何ですか?
もし「お値打ち品」「お手頃メニュー」「990円〜」といった安い商品が上にきていたとしたら、それだけで客単価が下がり続ける構造を自分で作っていることになります。
人は最初に目にしたものを基準にして判断します。これは心理学的にも確認されていることで、最初に「890円のランチ」を見たお客さんは、その後のメニューを「890円より高い・安い」という軸で評価し始めます。結果、なかなか高単価メニューに手が伸びない。
改善のポイントはシンプルです。メニューの一番目立つ位置に、あなたが一番売りたいメニュー(=粗利が高くて、お客さんに自信を持ってすすめられる料理)を置く。
さらに、メニュー名を「作業名」から「ご利益の言葉」に書き換えます。
たとえば「黒毛和牛の炙り焼き」とだけ書いてあるのと、「産地直送・黒毛和牛を職人が炭火で丁寧に炙った、一口で旨みがあふれる名物炙り焼き」と書いてあるのでは、同じ料理でも注文率がまったく違ってきます。
お客さんが知りたいのは「この料理を頼んだら自分はどう満足できるのか」という部分です。料理名はあくまでラベルであって、そこに「なぜこれを頼むべきか」の理由が乗っていないと、安い方に流れていくのは当然なんです。
この「ご利益の言葉」への書き換えだけで、注文点数が1人あたり0.3〜0.5品増えた事例は、私の会員さんの中にたくさんあります。
「また来たい」を仕組みにする――再来店率を上げる3つの接点
客数を増やさなくても売上が1.5倍になる、もうひとつの大きなポイントが再来店率です。
月商300万円で客数が月間1,000人だとして、そのうち2回以上来る方が20%なら200人のリピーターがいます。これを25%に引き上げるだけで、新規集客ゼロでも月商330万円になります。単純計算ですが、実感として「リピーターが増えると、売上の質が変わる」という感覚をつかんでもらいやすい数字です。
再来店を仕組みにするために、私がまず取り組んでほしいのは以下の3つです。
①会計時に「次の来店理由」を渡す
「今月限定のメニューが来週から始まります」「誕生日月の方に特別なデザートをご用意しています」など、会計のタイミングで「また来たくなる理由」をひと言添えるだけで、再来店率が変わります。
②LINE公式アカウントで定期的に接触する
お客さんは来店後、日常に戻れば他のことで頭がいっぱいです。接触頻度が上がれば「そういえばあの店に行きたかった」という想起が生まれます。心理学でいう「ザイアンス効果」です。週1〜2回のLINE配信で、今週のおすすめや店主の日常を伝えるだけでいい。
③顧客リストを作る
これをやっていないお店が驚くほど多い。名前と連絡先と来店履歴を記録するだけで、誕生日クーポン・記念日案内・季節のご案内が送れるようになります。今日から始められる最もシンプルな「仕組み」です。
「松竹梅」の法則で客単価の天井を取り払う
もうひとつ、月商300万円の壁を突破するときに劇的に効く手法があります。商品ラインを「松・竹・梅」の3段階で設計することです。
多くの飲食店は、同じ価格帯のメニューが横並びになっています。たとえばランチが全部900〜1,200円のゾーンに集中している状態。この場合、お客さんは最安値を選ぶか、好みで選ぶかのどちらかしかできません。
ここに「2,500円のプレミアムランチコース」(松)を1つ加えるだけで、お客さんの心理が変わります。人は「真ん中を選びたい」という習性を持っています。以前は1,200円だった「一番いいランチ」が、2,500円の松ができると「竹」の位置になり、自然と1,200〜1,500円ゾーンへの誘導力が高まります。
和歌山県のある飲食店では、ハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライを一度に楽しめる「メイン3つ同時盛りプレート」(2,300〜2,500円)を開発したところ、地域に存在しない独自コンセプトとして話題になり、客単価と集客数が同時に上がりました。
「高い価格帯のメニューを作ると、高い方ばかり売れて安いメニューが売れなくなるのでは?」と心配する方がいますが、実際は逆です。価格の幅が広がるほど、お客さんは「選ぶ楽しさ」を感じ、全体的な注文点数と単価が上がる傾向があります。
まとめ――「今の客数のまま」1.5倍を目指す順番
月商300万円から伸ばすための道順を整理します。
まず最初の1ヶ月は店内販促の改善から始めてください。メニューブックの並べ方を変え、メニュー名を「ご利益の言葉」に書き換え、一番売りたいメニューを目立つ位置に置く。これは今日から始められます。
次の1ヶ月で再来店の仕組みを作ります。LINE公式アカウントの開設・顧客リストの作成・会計時の次回来店促進の3点セットです。
そして3ヶ月目以降に、Googleビジネスプロフィールの整備やLINE友達追加広告など、本格的な新規集客の仕組みに手をつける。
この順番が大切です。新規集客から始めると、受け皿が整っていないまま人だけ来て、リピートに繋がらず疲弊するだけです。
私が指導している会員さんの中には、特別な設備投資なしに3ヶ月以内でこうした変化を体感した方が多くいます。難しい専門知識は必要ありません。必要なのは「売上より利益を重視する視点」と「購買行動のどこを改善するか」という設計図だけです。
まず、その設計図の全体像を手に取ってみてください。販促改善の具体的な手順を体系化した教材をご用意しています。
▼今すぐ読める販促改善の教科書
顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書
また、月商300万円を突破して500万円・1,000万円を目指したい方、体系的に学びながら実践していきたい方には、会員制コンサルティング「増益繁盛クラブ」もご案内しています。北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、20年以上にわたって全国の飲食店経営者の業績アップを支援してきた場です。
▼増益繁盛クラブへの入会はこちら
https://haward-joyman.com/zouekihanjyou/
まずは無料メルマガ「繁盛店になるための12のステップ」全12回メールセミナーから気軽に触れていただいても構いません。専門用語を一切使わず、明日から使える実践的な内容をお届けしています。どこから始めても、一歩踏み出してみてください。