目次
飲食店でコロナ後も売上が戻らない理由と、新しい客層の作り方
「コロナが明けたら絶対に戻ると思っていた」
「宴会需要が一向に回復しない」
「ランチは少し賑わうけど、夜の集客がまったくダメ」
「新規のお客さんが来なくて、固定客の顔ぶれが変わらない」
こういった声を、最近ほんとうによく耳にします。
コロナ禍を耐え忍んで、「明けたら以前の賑わいが戻ってくる」と信じて踏ん張ってきた。それなのに、気づけばもう数年が経過している。外食の人数制限はとっくになくなったのに、売上の水準がコロナ前に届かない。料理のクオリティは落としていないし、スタッフも一生懸命やっている。なのになぜ?——そう感じている経営者の方は、決して少なくありません。
この記事では、コロナ後も売上が戻らない「本当の理由」と、そこから抜け出すための「新しい客層の作り方」を、一日の経営の動きに沿いながら具体的にお伝えします。
こんな方におすすめ
- ✅ コロナ明け後も売上がコロナ前の水準に戻っていない飲食店経営者
- ✅ 常連客に頼りすぎていて、新しいお客さんの流入が少ないと感じている方
- ✅ 宴会・団体需要の落ち込みをどう補えばよいか分からない方
- ✅ 値引きクーポンに頼らずに新客層を開拓したい方
- ✅ ホットペッパーや食べログ以外の集客手段を探している飲食店オーナー

朝の仕込みの時間に気づく「客層の地殻変動」
毎朝10時前後、ハワードジョイマンはパソコンを開いてその日のメルマガやコンサル準備に取り掛かりながら、会員から届く報告メールに目を通します。そこで最近頻繁に出てくるのが「以前のお客さんが戻ってこない」という一言です。
コロナ禍で飲食店が受けたダメージは、単なる「売上の減少」ではありませんでした。もっと根深いところで、お客さんの行動習慣そのものが書き換えられたのです。
たとえば、毎月職場の仲間と来ていた常連グループ。コロナを機に「外食は少人数で」という感覚が定着し、会社の宴会文化そのものが縮小しました。以前は当たり前だった歓送迎会・忘年会のコース予約も、上の世代が退職するにつれて主導する人がいなくなっている。これは「景気が戻れば元に戻る」話ではなく、文化的な変容です。
もう一つ見落とされがちなのが、デリバリー・テイクアウト文化の定着です。コロナ中に「外食しないでも美味しいものが食べられる」という体験をしたお客さんは、「わざわざ夜に出かけて食べる理由」のハードルが上がってしまいました。食体験のオルタナティブが増えた結果、飲食店に足を運ぶ動機が以前より薄くなっている層が確実に存在します。
つまり、「以前のお客さんが戻ってこない」のではなく、正確に言えば「以前のお客さんの一部は、もうその行動パターンを持っていない」のです。待っていても戻らない。だから「新しい客層を作る」という発想に切り替える必要があります。
ランチ営業の動きで分かる「今、誰が来ているか」
仕込みが終わり、ランチ営業が始まる時間帯。席を埋めているお客さんをよく観察してみてください。コロナ前と比べて、お客さんの顔ぶれ・組み合わせ・時間帯の分布は変わっていませんか。
多くの飲食店で起きていることは、こういう変化です。
- 以前は夜の宴会客だった層が、昼に少人数で来るようになった
- 近隣のリモートワーカーや個人客が増えた
- ランチ需要が相対的に強くなり、夜の比率が下がった
この変化は「ピンチ」ではなく、「新しい客層が目の前に来ている」というシグナルです。ところが多くの経営者は、昔の客層・昔の売れ方のイメージのまま「夜の宴会が戻らない」と嘆き続けてしまいます。
私がよくお伝えするのは、「お客さんの購買行動を7段階で分解する」という考え方です。「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」——この7段階のどこかで、今の客層の動きと自店の打ち手がズレている。そのズレを特定することが、最初のステップです。
たとえば、ランチに来ているリモートワーカーの方を「今日一度来てくれたお客さん」で終わらせていないでしょうか。この方たちは平日に何度も来る可能性を持っています。「次回また来てもらう仕掛け」、つまり再来店の段階に投資するだけで、売上の底上げが始まります。
✓ ここまでのポイント
- コロナ後に「客が戻らない」のは待てば解決する問題ではなく、客層の行動習慣が変わったことが原因
- 新規集客より先に「今来ているお客さん」の再来店率を高める投資が最短ルート
- 購買行動を7段階で分解して「どの段階にズレがあるか」を把握することが出発点
午後の空き時間に仕込む「新しい客層への届け方」
ランチのピークが終わり、夜の営業までの午後の時間——ここが実は、新しい客層を作るための「仕込み時間」です。料理の仕込みだけでなく、情報発信と仕組みの仕込みに時間を使えるかどうかが、今後の売上を分ける分岐点になります。
具体的に何をするか。ポイントは3つです。
① Googleビジネスプロフィールを「今の自店の強み」で更新する
鳥取県のラーメン店の事例があります。Googleビジネスプロフィールと食べログの口コミをAIで分析したところ、お客さんが評価しているのは「スープの質」「懐かしさ」「立地の利便性」だったことが判明しました。それまでのメニュー紹介文に一切そういった言葉が入っていなかったので、キャッチコピーを書き直しただけで訴求力が大きく変わりました。
同じことがどのお店にも当てはまります。口コミに書かれている言葉は、お客さんが「この店を選んだ理由」の集合体です。その言葉をそのままGoogleビジネスプロフィールの説明文や投稿に使えば、同じ価値観を持つ新しいお客さんに「自分に合った店だ」と感じてもらえます。
② 「再来店券」をシンプルに設計する
値引きクーポンは必要ありません。たとえば「今月中にご来店いただいたお客様に、次回使える〇〇サービス券をプレゼント」という形で、次の来店動機を作るだけで十分です。特別な設備もお金も要りません。レジ横に置いておくだけでいい。これをやっているかやっていないかで、3ヶ月後のリピート率が大きく変わります。
③ LINE公式アカウントで「接触頻度」を作る
人は接触回数が増えるほど親しみを感じます(ザイアンス効果)。週1回、今日のおすすめや仕込みの様子をLINEで届けるだけで、「久しぶりにあの店に行こう」というきっかけになります。食べログ・ホットペッパーは「来たいと思ったときに検索する人」を捕まえる場所。LINEは「まだ来ようと思っていない人に来店動機を作る」場所です。この2つは役割が違います。
「ランチにハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライの3つを同時に盛った独自プレートを作ったことで、地域に存在しなかったコンセプトが話題になりました。月商130万円から450万円まで伸びたのは、値引きではなく『選ばれる理由』を作ったからだと実感しています。」
和歌山県・飲食店オーナー(増益繁盛クラブ会員)
夜の営業で確かめる「新しい客層が定着しているかどうか」
夜の営業が始まる時間帯は、昼に仕込んだ施策の「答え合わせ」の場でもあります。
「新しい客層を作る」というと、多くの経営者は「新しいお客さんを0から連れてくること」だと思いがちです。でも実際には、すでに一度来てくれたお客さんが「また来たい」と思う理由を作ることが、最も確実な客層の拡張方法です。
たとえば、夜にひとりで来た常連さんに「最近こういうお客さんが増えてきたんですよ」とさりげなく話す。口コミを広げてくれるのは、宣伝費を払った広告ではなく、こういった会話の積み重ねです。
もう一つ大事なのが、「名物メニュー」の存在です。「この店といえばこれ」と即座に思い浮かぶ一品があるかどうか。奈良県のうどん店では、麺の幅をちょっと広くしただけでSNSでバズが起き、経由の注文が1.5倍になりました。大きな設備投資は不要です。「既存の要素を少し変えた組み合わせ」で名物は生まれます。
千葉県のお好み焼き店は、製薬会社向けのお弁当(単価2,500〜3,000円)を朝50個受注するルートを作り、店内売上に依存しない第2の収益源を確立しました。こういった「店の外にもお賽銭箱を置く」発想で、売上の天井を突破しているお店が、全国にたくさんあります。
「増益繁盛クラブに入るまでは、料理を磨けば自然とお客さんは来ると信じていました。でも実際には、来てもらう仕組みを作ることと、料理を磨くことは、まったく別の話だったんです。この違いに気づいてからは、同じ努力が全然違う結果につながり始めました。」
増益繁盛クラブメンバー・飲食店経営者
まとめ|売上が戻らない店と戻る店の、たった一つの違い
コロナ後も売上が戻らない飲食店と、逆に売上を伸ばしている飲食店の違いを一言で言うなら、「待っているか、仕組みを作っているか」の差です。
客層は変わりました。宴会文化は戻りません。でも、飲食店に求めるお客さんのニーズ自体がなくなったわけではありません。「食べる喜び」「誰かと囲む食卓」「非日常の体験」——これを求める人は確実にいます。その人たちに、今の自店が「自分に合った店だ」と届いているかどうか。それだけの話です。
今日からできることは、難しくありません。
- Googleビジネスプロフィールの説明文を、口コミの言葉で書き直す
- レジ横に再来店を促す一言を置く
- LINE公式アカウントで週1回、お店の今をお客さんに届ける
- 「この店といえばこれ」と言われる一品を作る
どれも、今日から始められることばかりです。
こういった「購買行動の流れに沿った販促の仕組みづくり」を体系的に学べる教材を用意しています。まずは一度、ご自身の店の現状を分解するところから始めてみてください。
▼ お客さんの動きを7段階で分解して、どこから手をつければよいかが分かる教材です。
顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書
また、全国の飲食店経営者が実践しながら学ぶ会員制コンサルティングも運営しています。月商の規模や現在の課題に合わせて、段階的にサポートしていますので、一度覗いてみてください。お気軽にどうぞ。
▼ 会員制コンサルティングの詳細はこちら
増益繁盛クラブ入会案内