年末が近づくと、忘年会の幹事を任された人たちが一斉にお店を探し始めます。「そういえばぐるなびに掲載しているのに、問い合わせが全然来ない…」と首をかしげた経験、ありませんか?
繁忙期のはずなのに予約が伸びない。掲載費はしっかり引き落とされているのに、手元に残る予約数は期待を大きく下回る。そんなもどかしさを抱えながら、「とりあえず今月も続けるか…」と更新ボタンを押している飲食店経営者は、全国に本当に多くいます。
僕は静岡県清水区を拠点に、飲食店・美容室・小売店の経営者を20年以上サポートしてきました。中小企業診断士として、そしてテレビ東京「ガイアの夜明け」にも取り上げていただいた立場から言わせてもらうと、「ぐるなびの効果が出ない」という悩みの背景には、ほぼ例外なく共通した3つの見落としがあります。
ぐるなびそのものが悪いわけじゃない。問題は、ポータルサイトという入口から先の設計が抜け落ちていることです。今日はその3つを、比較しながら丁寧に解説していきます。

目次
そもそも「ぐるなびが効かない」には2パターンある
まず整理しておきたいのですが、「ぐるなびの効果がない」という状態には、実は大きく2種類あります。
パターンA:ページを見られているが予約に至らない
アクセスはあるけれど、問い合わせや予約につながらない。これは「入口には来ているのに、店に入る気になれない」状態です。
パターンB:そもそもページが見られていない
掲載しているだけで露出自体が弱く、検索結果にもほとんど表示されない状態。これは「お店の前の道に人が来ていない」のと同じです。
この2つを混同したまま対策を打っても、ちぐはぐな結果になります。まず自分のお店がどちらに当てはまるかを確認することが出発点です。ぐるなびの管理画面にはアクセス解析機能があるので、月間のページビュー数と問い合わせ数を照らし合わせてみてください。
確認できたら、次の3つのポイントを順番に見直していきましょう。
ポイント1:「店名と料理名」だけのページになっていないか
ぐるなびのページを開いてみると、多くのお店がこんな構成になっています。「当店自慢の〇〇料理をご提供しています」「新鮮な食材を使った季節のメニュー」――読んでも、何も残らない言葉の羅列。
お客さんが本当に知りたいのは「このお店を選んだら、自分はどんな気持ちになれるか」です。料理名や食材名は、それ自体では選ばれる理由になりません。
僕はこれを「ご利益の言葉」と呼んでいます。たとえば「ハンバーグ」という料理名のままではなく、「噛むたびに肉汁が広がる炭火炙りハンバーグ――大切な人と過ごす夜に」のように書き換える。「個室あり」ではなく「上司に気を遣わず本音が言える、完全個室の宴会プラン」と表現する。
奈良県のうどん店の事例が分かりやすいです。麺の幅を少し広めに変えただけでSNSでバズが起きたのですが、そのバズを生んだのは見た目の変化を「言葉で伝えた」ことです。「どう変わったか」ではなく「食べてどう感じるか」を言語化した瞬間に、お客さんの反応が変わりました。
ぐるなびのページも同じです。スペックを書くより、食体験を書く。これだけでページを見た人の「行ってみよう」という気持ちの温度が変わります。
ポイント2:クーポンに頼った集客になっていないか
「ぐるなびで集客できているお店とできていないお店の違いは何か」と聞かれたら、僕は迷わずこう答えます。「クーポン依存かどうか」です。
クーポンを前面に出すと、確かに反応数は増えます。でも集まってくるのはクーポン目当てのお客さんだけ。割引が終わればリピートしない。利益が残らない。消耗するだけです。
これは「値引き=集客」という思い込みから来ています。値引きはお客さんに「このお店の料理は、定価では来てもらえない」というメッセージを無意識に伝えてしまいます。長く続けるほど、お店のブランド価値が下がっていく。
比較してみましょう。
| クーポン集客(値引き中心) | 価値訴求型集客 |
|---|---|
| 来店動機:安いから | 来店動機:このお店じゃないと味わえない |
| リピート率:低い | リピート率:高い |
| 客単価:下がりやすい | 客単価:維持・向上しやすい |
| 粗利:薄い | 粗利:残りやすい |
ぐるなびのページでやるべきことは、クーポンを目立たせることではなく「なぜこの店でなければならないか」を伝える名物の作り方と見せ方です。和歌山県の飲食店が「ハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライの3つ同時盛りプレート」を開発し、地域に他にないメニューとして打ち出したところ、客単価と客数が同時に上がりました。これは値引きゼロで実現した話です。
ぐるなびのページに「うちにしかないこれ」が載っているかどうか。今すぐ確認してみてください。
ポイント3:ぐるなびを「最終到達点」にしていないか
これが最も見落とされやすい盲点です。
ぐるなびで予約した新規のお客さんが来店して、満足して帰っていく。それで終わりになっていませんか。
ぐるなびはあくまで「新規客との最初の接点」に過ぎません。来てもらった後に何も仕掛けがなければ、そのお客さんは次にまたぐるなびを開いて、別のお店を探します。つまりまた掲載費を払い続けて、また新規を取り続けなければならない無限ループに入ります。
僕が指導している飲食店経営者の方々には、必ず「購買行動の7段階」を意識してもらっています。知る→興味→来店→入店→注文→会計→再来店。ぐるなびが担うのは主に「知る」「興味」「来店」の最初の3段階です。問題は残りの4段階、特に「再来店」の設計がまったくできていないお店が多いことです。
来店してくれたお客さんに対して何をするか。具体的には:
- 会計時にLINE公式アカウントの友達追加を促す
- 「次回来てくださった方へのご案内」として次回特典(値引きではなく、優先予約枠や新メニューの先行案内など)を伝える
- Googleビジネスプロフィールへの口コミ投稿をお願いする一言を加える
これらはお金をほとんどかけずにできます。でも、継続してやっているお店とやっていないお店では、3ヶ月後・半年後の売上に明確な差が出ます。
鳥取県のラーメン店の話をすると、Googleビジネスプロフィールの口コミをAIで分析して「スープの質・懐かしさ・立地の便利さ」という3つの強みを発見し、それをメニューのキャッチコピーに反映しただけで訴求力が上がりました。ぐるなびに頼る前に、自分のお店の外側の無料ツールを整えることで、集客の底上げができるのです。
ぐるなびを「辞めるか続けるか」の判断基準
ここまで3つのポイントを見てきたうえで、「じゃあぐるなびは続けるべきか、やめるべきか」という問いに答えておきます。
結論から言うと、「今すぐやめる必要はないが、依存するのは危険」です。
ぐるなびをやめた瞬間に新規客がゼロになる恐怖を抱えているなら、まず自力集客の仕組みを並行して作ることが先です。Googleビジネスプロフィールの最適化・LINE公式アカウントの構築・Googleの検索広告(月3万円〜)の3つを順番に整えていく。これができてから、ぐるなびの掲載プランを見直す判断をしても遅くありません。
依存している状態でやめるのはリスクが高い。でも整備しながら依存度を下げていく道筋は、どんなお店でも作れます。
まとめ:ぐるなびの効果を引き出す前に、土台を整える
「ぐるなびが効かない」と感じているとき、多くの場合ぐるなびそのものが原因ではありません。今回整理した3つのポイントを振り返ります。
- ページの言葉が「スペック」ではなく「ご利益」になっているか
- クーポン依存から抜け出し、「この店じゃなきゃ」を打ち出せているか
- 来店後の再来店設計(LINE・口コみ・次回誘導)ができているか
この3つを見直すだけで、同じ掲載費でも結果は大きく変わります。そして3つとも、特別な設備投資なしに今日から手をつけられることです。
「どこから手をつければいいか、もう少し体系的に学びたい」という方には、僕が20年の指導経験をもとに体系化した販促改善の考え方をまとめた教材をご用意しています。顧客の購買行動を7段階に分解し、どの段階で売上を落としているかを自分で診断できる内容です。まずここから始めてみてください。
また、全国の飲食店経営者が実践を続けている会員制コンサルティング「増益繁盛クラブ」では、毎月の会報誌・セミナー・個別サポートを通じて、ぐるなび依存からの脱却と自力集客の仕組みづくりを一緒に進めています。北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで、20年以上にわたり実践者が全国にいます。詳細が気になる方はこちらからどうぞ。
まずは無料メルマガ「繁盛店になるための12のステップ」から、気軽に触れてみてもらえると嬉しいです。集客・利益・仕組みづくりの基本的な考え方を、12回にわたってお届けしています。お気軽に登録してみてください。