先日、ある会員さんからこんな相談が来ました。
「近くでずっと繁盛していた居酒屋が、突然閉店しました。あそこの料理は本当に美味しかったのに。うちも他人事じゃないと思って……」
この言葉、すごくリアルだと思いました。外から見ていると「あの店が?」と驚く閉店が、実は珍しくない。そして閉店した店の多くは、「料理が不味かったから」ではないんです。
私はハワードジョイマン。静岡市清水区を拠点に、飲食店・美容室・小売店の経営者を対象に、値引きに頼らず利益を伸ばす仕組みづくりを20年以上にわたって指導してきました。これまで全国の何百もの飲食店と向き合ってきた中で、「閉店する店」にはパターンがある——そう確信しています。
今回は、飲食店が閉店してしまう本当の原因を5つに絞って、できる限りわかりやすくお伝えします。「自分の店は大丈夫か?」を確認する材料として読んでもらえると嬉しいです。
こんな方におすすめ
- ✅ 売上は横ばいなのに手元にお金が残らないと感じている飲食店経営者
- ✅ ホットペッパーや食べログへの依存度が高く、外せない状態になっている方
- ✅ 近隣の同業者が閉店するのを見て、漠然とした不安を抱えている方
- ✅ 忙しく働いているのに、なぜか経営が楽にならない飲食店オーナー
- ✅ 閉店の兆候を早期に発見して、手を打ちたいと思っている方

目次
原因① 「売上」を追いかけて「利益」を見失っていた
閉店した店で最も多いのが、このパターンです。
月商500万円あっても、手元に残るお金が月20万円——こういう状態、実は珍しくありません。値引きクーポンで集客し、ランチを780円で出し、宴会を安価なコースで受けていると、売上という数字は積み上がりますが粗利がほとんど残らない。
対して、「利益が残っている店」はどこが違うか。客単価の設計が違います。「10時間煮込んだスープを880円で出す」ような、手間と価格が噛み合っていない設計をしていない。名物メニューを1つ作り、そこで単価を取りながら、セットやコースで1人あたりの注文点数を増やしている。
閉店の兆候として見るべきポイントは「月末に通帳を見て気持ちが沈む」かどうかです。売上が出ているのに資金繰りが苦しい場合、それは利益設計の問題であり、気づいた時点で設計を見直せば立て直せます。
原因② 集客を「外部サービス」に丸投げしていた
ホットペッパーや食べログは、使い方次第では有効なツールです。ただ、「掲載をやめたら新規客がゼロになる」という状態は非常に危険です。
プラットフォームは掲載費を上げることもありますし、アルゴリズムが変わることもある。実際、ある会員さんは「ホットペッパーの掲載費が毎年上がり続けて、利益をそっくり持っていかれていた」と話していました。
自力集客の仕組みを持っている店と、持っていない店の差は、1〜2年では見えにくいですが、3〜5年で大きく開きます。Googleビジネスプロフィールの最適化、LINE公式アカウントでの顧客リスト化、Googleの検索広告——これらは月3万円程度から始められ、自分でコントロールできる集客経路です。
閉店の兆候としては、「クーポン利用のお客さんばかりでリピーターがいない」という状態が続いている場合。クーポン集客は「一見さんを集める装置」であり、リピーターを育てる機能はほぼありません。
原因③ 収益源が「店内売上の1本」しかなかった
コロナ禍で多くの飲食店が傷んだ最大の理由がこれです。店内飲食だけに依存していると、外部の環境が変わった瞬間に収益がゼロに近づく。
私はよく「お賽銭箱を複数持ちましょう」という話をします。1つの箱が壊れても、他の箱でお金が入り続ける仕組みを作る発想です。
千葉県のお好み焼き店の事例が分かりやすい。その店は、製薬会社向けの弁当(1個2,500〜3,000円)を朝50個受注する安定収益ルートを構築しました。店内売上とは別に、毎朝確実に10万〜15万円が入る仕組みができたわけです。設備投資は不要、既存のキッチンと食材の流用で実現しています。
デリバリー、法人向け弁当、物販、サブスクリプション——こうした「第2・第3のお財布」を持っているかどうかが、外部環境の変化への耐性を大きく左右します。
✓ ここまでのポイント
- 売上ではなく利益を基準に経営を設計できているか確認する
- 集客を外部サービスだけに依存している場合、自力集客の経路を1つ作ることから始める
- 収益源を複数持つ「お賽銭箱を複数」の発想が、経営の安定につながる
「月商130万円で頭打ちだったお店が、ランチの独自プレートを開発したことで月商450万円になりました。値引きは一切せず、むしろ客単価が上がっています。料理の美味しさに自信はあったのに、それを伝える方法を知らなかっただけでした。」
和歌山県・飲食店経営者(増益繁盛クラブメンバー)
原因④ 「お客さんに価値が伝わっていない」のに、その原因が分からなかった
「料理には自信がある。でもお客さんに伝わっていない気がする」——この感覚を持ちながら、何も手を打てていない状態が続くと、じわじわと売上が落ちていきます。
原因のほとんどは「メニューの書き方」にあります。「ハンバーグ ¥1,200」と書かれたメニューは、情報としては正確ですが、食べたいという気持ちを起こさせません。「炭火で表面を豪快に炙った、肉汁あふれるハンバーグ ¥1,200」なら、同じ料理でも頭の中に映像が浮かぶ。
私はこれを「ご利益の言葉」と呼んでいます。お客さんが知りたいのは「このメニューを注文したら、自分がどう良い気持ちになれるか」なのに、多くのお店のメニューは「料理名+価格」で止まっています。
鳥取県のラーメン店の事例が参考になります。Googleと食べログの口コミをAIで分析したところ、お客さんが特に評価していたのは「スープの懐かしさ」と「立地の入りやすさ」でした。その2点をメニューのキャッチコピーに反映させただけで、新規客の来店率が変わりました。「価値はあるのに伝わっていない」——これは改善できる問題です。
原因⑤ 経営者が「現場作業」から抜けられず、仕組みを作る時間がなかった
これは、真面目な経営者ほど陥りやすい問題です。「自分でやったほうが早い」「自分がいないと質が落ちる」——この思考が経営者を現場に縛り付け、集客・販促・仕組みづくりに時間を使えない状態を作ります。
結果として何が起きるか。社長が体調を崩した瞬間、または社長が引退しようとした瞬間に、売上が維持できなくなる。「社長の腕」に依存した経営は、社長が動けなくなった時点で機能しなくなります。
閉店の兆候として最も気をつけたいのは、「社長が休むと売上が落ちる」という状態が何年も続いているケースです。これは仕組みが育っていないサインで、早期に気づけば修正できます。
具体的には、1週間の時間の使い方を15分単位で書き出し、「自分にしかできない仕事」と「他の人に任せられる仕事」を分ける。後者を徹底的に手放し、空いた時間を「売上を作る仕事」に使う。これだけで、3ヶ月後の経営者の動き方はがらりと変わります。
「SNSは苦手だし、販促は値引きしか思いつかなかった。でも麺の幅を少し変えただけで、SNSで写真が拡散されて注文が1.5倍になった。難しいことをしなくていい、既存のものを少し変えるだけでいいと分かったのが大きかったです。」
奈良県・うどん店経営者(増益繁盛クラブメンバー)
まとめ:閉店の兆候は「料理以外」に出ている
今回挙げた5つの原因を並べると、共通点が見えてきます。
- 利益を基準に設計していない
- 集客を外部サービスに依存している
- 収益の入口が1本しかない
- 価値の伝え方を知らない
- 仕組みでなく人(社長)に依存している
どれも、料理の質とは直接関係がないことに気づいてもらえるでしょうか。美味しい料理を作る技術と、繁盛させる仕組みは、別のスキルなんです。だから「料理には自信があるのに売上が伸びない」という状態が生まれる。
ただ、これは裏を返せば「仕組みを学べば立て直せる」ということでもあります。私がこの20年で指導してきた経営者の多くは、「料理の腕を上げたわけではないのに売上が伸びた」と言います。変えたのは伝え方と仕組みだけです。
「自分の店、どの段階が弱いのか知りたい」「何から手をつければいいか整理したい」という方には、まず無料のメールセミナーから始めることをおすすめします。全12回・完全無料で、売上の構造から集客・利益設計まで順を追って学べる内容です。読んでいただくだけで「うちに足りなかったのはここか」と気づく経営者が続出しています。
また、購買行動を7段階に分解して、どこを改善すれば売上が変わるかを体系的に学べる教材も用意しています。値引きゼロで月商が伸びた事例を含む実践的な内容ですので、ぜひご活用ください。
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閉店の兆候に早く気づいた経営者ほど、選択肢が多い。今日気づいたなら、今日が一番早いタイミングです。