先日、千葉県でお好み焼き店を営むオーナーさんからこんな相談が届きました。
「ジョイマンさん、食べログのプレミアム契約を続けているんですが、正直なところ毎月の掲載料に見合っているのかどうか分からなくなってきました。かといって止めたら新規客がゼロになりそうで怖くて…」
このモヤモヤ、すごくよく分かります。実際、全国の飲食店経営者さんと話すと、同じ悩みを口にする方が本当に多い。
今日は僕の一日の仕事の流れを追いながら、「食べログ依存からどう抜け出すか」を具体的にお伝えします。朝の準備から夜の振り返りまで、コンサルティングの現場でどんな視点を持ちながら仕事しているかを見てもらえれば、脱出ロードマップのイメージがきっとつかめるはずです。

目次
朝10時 相談内容の整理から始まる一日|食べログ依存の「本当のリスク」とは
静岡市清水区の事務所に着いてまず僕がやるのは、前日から届いている会員さんのメッセージや相談メモの整理です。今日も冒頭のお好み焼き店のオーナーさんの件を改めて読み返しました。
「掲載料がもったいない気がする」という感覚、これは正直なセンサーです。ただ問題は、「止めたら怖い」という部分にあります。
食べログ依存の本当のリスクは2つあります。
ひとつは「クーポン目当ての客しか来ない構造」になってしまうこと。プレミアム掲載でクーポンを出していると、そのクーポンに引き寄せられたお客さんが中心になります。当然リピートしてくれる確率は低い。毎月集客コストをかけているのに、顧客リストは貯まらず、関係性も育たない。
もうひとつは「止めた瞬間に新規客がゼロになる恐怖」そのものが経営判断を縛ること。怖くて止められない状態が続くと、掲載費がどんどん固定費として積み上がります。月3万円なら年36万円。そのお金を自力集客の仕組み作りに回せば、1〜2年後には食べログなしでも集客できる状態になれます。
午前11時 会員さんとのやり取り|「費用対効果」の正しい測り方
メールコンサルティングの返信を書きながら、よく聞かれるのが「食べログの費用対効果をどう測ればいいか」という問いです。
多くの方が「食べログ経由で何人来たか」だけで見ています。でも本来測るべきは「食べログ経由で来たお客さんが、2回目以降も来ているか」です。
試しにこう確認してみてください。
- 食べログ経由の来店客のうち、クーポン利用率は何割か
- そのクーポン利用客が3ヶ月以内に再来店したケースはあるか
- 食べログをやめた月とやめていない月で、実際の月商差はいくらか
この3つを数字で出してみると、多くの場合「思ったより食べログがなくても大丈夫だった」か「クーポン客はほぼリピートしていない」という現実が見えてきます。
鳥取県のラーメン店の事例では、GoogleビジネスプロフィールとAIを使って口コミを分析したところ、お客さんが評価していたのは「スープの質」「立地の便利さ」「懐かしい雰囲気」でした。その強みをメニューのキャッチコピーに反映しただけで訴求力が上がり、食べログの優先度を下げても集客が維持できるようになっています。
午後12時 昼食をとりながら考える|脱出する前にやるべき「土台作り」
食べログ依存から抜け出す前に、ひとつ大事なことをお伝えしたいです。
「じゃあ今すぐ止めよう」はちょっと待ってください。止めてから集客の仕組みを作ろうとすると、売上が落ちる時期と仕組み作りの時間が重なって、精神的にきつくなります。
僕がいつも会員さんに伝えているのは「3ヶ月かけて段階的に土台を作ってから止める」順番です。
1ヶ月目:店内販促を整える
POPを改善する、メニューブックを見直す、一番売りたいメニューをメニューの最初に置く。すでに来ているお客さんからの売上を先に上げておく。
2ヶ月目:再来店の仕組みを作る
LINE公式アカウントを開設してお客さんに登録してもらう、次回予約の声がけを始める、顧客リストを貯め始める。「来た人が戻ってくる」経路を作る。
3ヶ月目:自力の新規集客をスタートする
Googleビジネスプロフィールを整備する、Google広告を月3万円程度から始める、LINE友達追加広告を試す。この段階で食べログの依存度を落としても売上が維持できる状態になっている。
この順番でやった和歌山県の飲食店さんは、ランチに「メイン3つ同時盛り」プレートを開発して地域に存在しないコンセプトで差別化し、月商130万円から450万円まで伸ばしました。食べログに頼らない独自の強みを作ることと、自力集客の仕組みを作ることを同時に進めた結果です。
午後1時 教材の原稿見直し|「値引きで集めない」集客への切り替え方
午後の仕事は教材の原稿確認です。今取り組んでいるのは販促の設計に関する内容。ここで改めて整理しておきたいのが「食べログのクーポンは値引き集客と本質的に同じ」という点です。
値引きクーポンで来るお客さんは、値引きがあるから来るのです。その値引きがなくなったとき、そのお客さんは別の値引きがある店へ移ります。これは誰が悪いわけでもなく、そういう動機で来ているから仕方がない。
では値引きをせずに選ばれるにはどうするか。答えはシンプルで「ご利益の言葉で価値を伝える」ことです。
たとえばメニュー名が「鶏の唐揚げ」ではなく「低温揚げでジューシーさを閉じ込めた国産鶏の唐揚げ」になっていたら、お客さんが受け取る情報量がまったく違います。値段が同じでも「頼みたい」という気持ちが変わる。これはメニューブック1枚変えるだけで試せることです。
同じ発想でGoogleビジネスプロフィールの説明文やSNS投稿を「作業名」から「ご利益の言葉」に書き換えると、検索やSNSで見つけてもらいやすくなり、かつ「行きたい」と思ってもらえる確率が上がります。
午後2時〜3時 一日の振り返り|脱出ロードマップのまとめ
事務所を閉める前に、今日の相談内容や仕事の流れを記録します。
食べログの掲載料に「もったいない」と感じた直感は正しいです。ただ、その感覚に従って「とりあえず止める」だけでは売上が落ちるだけで終わります。大事なのは「止めた後に何で集客するかの仕組みを先に作る」こと。
脱出ロードマップをもう一度整理すると:
- 現状の食べログ依存度を数字で確認する(クーポン利用率・リピート率)
- 1ヶ月目:店内販促を整えて、今来ているお客さんの単価を上げる
- 2ヶ月目:LINEと顧客リストで再来店の仕組みを作る
- 3ヶ月目:Googleビジネスプロフィール整備+Google広告で自力集客を開始
- この3ステップが軌道に乗ったタイミングで食べログを縮小・停止する
20年間、北海道から沖縄、アメリカ在住の日本人経営者まで飲食店の経営者さんを見てきた中で言えるのは、「食べログを止めたら集客できなくなった」という方はほぼいないということ。むしろ止めたことで固定費が下がり、浮いたお金を自力集客の仕組みに回せた経営者のほうが売上を伸ばしています。
怖いのは「止めること」ではなく、「止めた後の受け皿がない状態で止めること」です。受け皿を作ってから止める。それだけです。
まとめ:まず「購買行動の7段階」から自店の弱点を見つけてほしい
食べログの掲載料に悩んでいる方に、一番先にやってほしいことは「自分のお店でお客さんがどの段階で脱落しているか」を確認することです。
お客さんが「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」という7段階のどこかで離れているはず。食べログに頼っているお店の多くは、「知る」の段階だけ食べログに任せて、それ以降のステップを設計していません。
各段階を1.2〜1.3倍ずつ改善するだけで、売上全体は2〜3倍になります。新規客を増やす前に、今来ているお客さんの再来店率と単価を上げることが最短ルートです。
この考え方を体系的にまとめた教材があります。販促の設計を「購買行動の流れ」に沿って整理したい方はこちらをどうぞ。
また、毎月全国の飲食店経営者の具体的な事例や改善ノウハウを届けている会員制コンサルティングもあります。「食べログ依存を抜け出して、自力集客の仕組みを作りたい」という方は、こちらも一度のぞいてみてください。
どちらも「まず知ってから決める」で構いません。気軽にのぞいてもらえたら嬉しいです。