美容室の集客のコツ|新規よりリピート強化が先な理由

「集客のためにホットペッパーへの掲載費をもっと増やすべきか」「SNSを頑張ればお客さんが増えるのか」「クーポンを出せば新規が来るのはわかるけど、リピートに繋がらない」――こういう悩みを抱えている経営者は、飲食店にも美容室にも、本当に多いです。

今回の記事タイトルは「美容室の集客のコツ」ですが、ここで話す内容は飲食店の経営者にこそ刺さります。なぜなら、美容室と飲食店の集客構造はほぼ同じだからです。「新規よりリピート強化が先」という考え方は、焼肉店でも居酒屋でもラーメン店でも、そのまま使える話です。

今日は、実際にこのメソッドで業績を伸ばしたクライアントの事例をもとに、「なぜ新規集客より先にリピート強化なのか」を具体的にお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 新規集客に費用をかけているのに、売上が安定しないと感じている方
  • ✅ クーポン客ばかりが集まって、常連になってくれないと悩んでいる方
  • ✅ 値引きなしでリピート率を上げる具体的な方法を知りたい方
  • ✅ ホットペッパーや食べログへの依存から抜け出したいと思っている方
  • ✅ 忙しく動いているのに、手元のお金が増えていかないと感じている方

新規獲得コストは、リピート促進の5〜7倍かかる

まず数字の話から始めます。一般的に、新規のお客さんを1人獲得するコストは、既存客に再来店してもらうコストの5〜7倍かかると言われています。ポータルサイトの掲載費、クーポンの割引原資、広告費……これだけのお金を使って来てもらった新規客が、1回きりで終わってしまう。これが「忙しいのにお金が残らない」構造の正体です。

私がいつも経営者の方に伝えているのは、「売上をお客さんの購買行動7段階に分解して考えてほしい」ということです。お客さんは「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」という7つの段階を経て、初めてリピート客になります。

多くの経営者が「知る」の段階、つまり新規獲得にばかり投資するのですが、実は「再来店する」の段階に少し手を加えるだけで、売上全体が大きく変わります。各段階を1.2〜1.3倍ずつ改善するだけで、全体では2〜3倍の売上につながる。この逆算の発想に切り替えることが、最初の一歩です。

和歌山の飲食店が月商130万→450万円に変わった理由

具体的な事例を見てもらった方が、イメージが掴みやすいと思います。

和歌山県で飲食店を営むあるクライアントは、入会当初の月商が130万円でした。集客のためにポータルサイトに頼っていましたが、クーポン目当ての来客が多く、リピートに繋がらない。料理には自信があるのに、なぜか売上が安定しない――まさに「新規獲得の罠」にはまっていた状態でした。

そこでまず取り組んだのが、「地域に存在しない独自メニュー」の開発です。ランチタイムに「ハンバーグ・ハラミステーキ・エビフライのメイン3つ同時盛り」プレートを2,300〜2,500円で提供する。この一品が、SNSで拡散し始めました。

ポイントは2つあります。ひとつは「地域で他に存在しない」という唯一性。もうひとつは「写真映えする見た目の情報量」です。お客さんがスマホで撮影して投稿したくなる、そういうメニューを設計したことで、新規集客と客単価アップを同時に達成しました。結果、月商は450万円まで伸長しています。

ここで大事なのは、「値引きを一切していない」という点です。むしろ客単価は上がっています。クーポンに頼らず、「価値で選ばれる仕組み」を作ったことで、来てくれるお客さんの質が変わり、リピート率も上がっていきました。

「入会前は毎月ポータルサイトの掲載費を払い続けて、それでもクーポン客ばかり。値引きしないと来てくれないと思い込んでいました。でも、メニューの組み方と伝え方を変えるだけで、お客さんの層がガラッと変わった。今は常連さんからの予約で席が埋まることも増えてきました。」

和歌山県・飲食店経営者(増益繁盛クラブ会員)

「名物メニュー」がリピート強化の起点になる

先ほどの事例で気づいてほしいのは、「新しい集客施策を始めた」のではなく、「店の中にある資産を組み合わせ直した」だけだという点です。

奈良県のうどん店では、既存メニューの麺の幅を少し広めに変えただけで、SNSでバズが起きました。設備投資ゼロ、材料費もほぼ変わらない。でも「見たことのないビジュアル」が生まれたことで、お客さんが勝手に情報を拡散してくれた。これも同じ発想です。

飲食店においてリピート強化の起点になるのは、「この店にしかないもの」です。お客さんが再来店する理由は、「また食べたい」という感情です。その感情を生む名物メニューが1つあるかどうかで、リピート率は大きく変わります。

ここで陥りがちな罠が、メニュー名を「作業名」のまま放置することです。「ハンバーグ」「刺し盛り」「ラーメン」――これではお客さんの頭に残りません。「肉汁あふれる炙り焼きハンバーグ」「朝獲れ直送の旬の刺し盛り3点」のように、そのメニューを頼むことで自分がどう良くなるかが伝わる言葉に変えることで、注文率も、記憶に残る度合いも変わります。これを私は「ご利益の言葉化」と呼んでいます。

✓ ここまでのポイント

  • 新規獲得コストはリピート促進の5〜7倍。まず「再来店」の仕組みを整えることが先決。
  • 値引きなしでリピートを増やすには「地域唯一の名物メニュー」が起点になる。
  • メニュー名を「作業名」から「ご利益の言葉」に変えるだけで、注文率と記憶定着率が上がる。

リピート客を育てる「接触頻度」の設計

名物メニューを作っただけでは、まだ半分です。一度来てくれたお客さんに「また来よう」と思ってもらうためには、接触頻度を保つ仕組みが必要です。

心理学に「ザイアンス効果」という概念があります。人は接触頻度が高い相手・情報に対して、好意を持ちやすくなる。つまり、お客さんと店の間の接点を増やすほど、再来店の確率が上がるということです。

具体的に飲食店でできることを挙げます。

  • LINE公式アカウントへの誘導:会計時に「LINEに登録してくれたら次回使えるプレゼント(割引ではなく追加品)をお渡しします」と伝えて顧客リストを積み上げる。
  • 次回来店のきっかけを渡す:「2週間以内にご来店で〇〇をサービス」といった再来店券を手渡しする。クーポンではなく「次のきっかけ」として設計する。
  • 定期的な情報発信:季節のメニュー変更、新メニューの裏話、仕入れのこだわりなどをLINEやSNSで発信し、頭の中での存在感を保つ。

鳥取県のラーメン店のクライアントは、GoogleビジネスプロフィールとSNSの口コミをAIで分析し、お客さんが実際に評価していたポイント(スープの質・懐かしさ・立地の便利さ)を言語化しました。それをメニューのキャッチコピーや投稿の軸に反映したことで、「自分たちが伝えたいこと」と「お客さんが求めていること」がぴったり噛み合う発信ができるようになった。リピーターが増え、口コミの評点も上がっています。

このように、お客さんの言葉を「接触頻度の設計」に活かすことで、広告費をかけずに再来店の仕組みが育ちます。

新規集客は「リピートの土台」ができてから

ここまで読んでいただいて、「では新規集客はやらなくていいの?」と思った方もいるかもしれません。そういう意味ではありません。

伝えたいのは、順番の問題です。バケツに穴が開いたまま水を注いでも、水は溜まりません。まず穴(リピートしない構造)を塞いでから、水を入れる(新規集客)ほうが、圧倒的に効率がいい。

私がクライアントと取り組む順番は、おおよそこうです。

  1. 1ヶ月目:店内販促の改善(メニューブック・POP・名物メニューの言葉化)
  2. 2ヶ月目:再来店対策(LINE誘導・次回来店券・顧客リスト化)
  3. 3ヶ月目以降:新規集客(Google広告・Googleビジネスプロフィール・SNS)

この順番で動けば、新規で来てくれたお客さんがきちんとリピーターになっていく。お金が循環し始めて、広告費への依存度が自然と下がっていきます。

千葉県のお好み焼き店のクライアントは、店内売上だけでなく、製薬会社向け弁当(単価2,500〜3,000円)を朝50個受注するルートを確立しました。いわゆる「第2のお財布」です。店内リピートの仕組みを整えた後に、こうした複数収益源の設計に進んでいくと、売上の安定感がまるで変わります。

「新規集客ばかりに目が向いていたけど、まず既存のお客さんとの関係を深めることを教わって、順番が変わりました。LINE登録者数が増えて、配信するたびに予約が入るようになった。今は新規よりリピーターのほうが売上の柱になっています。」

飲食店経営者・40代(増益繁盛クラブ会員)

まとめ:集客の順番を変えるだけで、利益の残り方が変わる

今回の話を整理すると、こういうことです。

  • 新規獲得より先に、既存客のリピート構造を整える
  • 値引きクーポンではなく、「名物メニュー」と「ご利益の言葉」で価値を伝える
  • ザイアンス効果を活用した接触頻度の設計(LINE・SNS・再来店券)でリピートを仕組み化する
  • 土台ができてから新規集客に投資すると、広告費の効果が何倍にもなる

これは美容室でも飲食店でも、構造は全く同じです。料理への自信はあるのに売上が伸びない、という経営者ほど、実は「集客の順番」を変えるだけで大きく状況が変わることが多いです。

今日お伝えした「顧客購買行動7段階」の考え方や、名物メニューの作り方、リピート設計の具体的なステップは、私が20年かけて体系化した「増益繁盛メソッド」の中核をなす内容です。中小企業診断士として全国の飲食店・美容室・小売店の経営者をサポートしてきた中で、「この順番で動けば高確率で業績が変わる」と確信しています。

まずは一歩、踏み出してみてください。販促の全体像をもっと体系的に学びたい方には、こちらの教材がお役に立てると思います。

顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書

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  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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