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美容室でスタッフの指名を増やす方法|オーナー指名に偏る問題

「うちのスタッフ、技術は悪くないんだけど…なんで指名が入らないんだろう」

先日、会員の美容室オーナーからこんな相談を受けました。スタッフ3人を抱えているのに、予約の8割近くがオーナー自身への指名。スタッフはひたすら洗い場とカラーの補助をこなす日々。「このままでは自分が休めない。でも何をどう変えればいいのか分からない」と、疲れ果てた表情で話してくれました。

この状況、あなたのお店でも心当たりがあるのではないでしょうか。

📋 この記事でわかること

  1. オーナー指名に偏ってしまう本当の原因
  2. スタッフへの指名を自然に増やすための仕組みづくり
  3. 値引きやクーポンに頼らず「選ばれるスタッフ」を育てる考え方
  4. 実際の美容室での変化事例と具体的な実践ステップ

こんな方におすすめ

  • ✅ オーナー自身への指名が多すぎて休めない状態になっている方
  • ✅ スタッフを採用したが売上に貢献できていないと感じているオーナー
  • ✅ スタッフの指名を増やしたいが、何から手をつければよいか分からない方
  • ✅ 値引きやキャンペーンに頼らず自然に指名を増やしたい方
  • ✅ スタッフが育たずに辞めてしまうことが繰り返されている方
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「自分がいないと回らない」美容室のジレンマ

あの相談をくれたオーナー(仮にAさんとします)の話に、もう少し付き合ってください。

Aさんがスタッフを雇い始めたのは開業5年目のことでした。「一人でやってきたけど、もう体が限界。誰かに任せながら店を大きくしたい」という気持ちで採用を決めた。でも、いざスタッフが入ってみると指名が入らない。暇そうにしているスタッフを見てAさん自身が「じゃあ私がやる」と現場に戻る。結果、スタッフは経験を積む機会を失い、成長できないまま6ヶ月で辞めていく。次のスタッフを採用しても、また同じことが繰り返される。

このループ、何が問題なのだと思いますか?

多くのオーナーは「うちのスタッフは技術が足りないから」と思います。でも僕が見てきた限り、技術だけが原因ではないことがほとんどです。問題は「スタッフが指名される仕組みが存在しない」こと。技術を磨けば自然に指名が入るという思い込み――これがジレンマの根っこにあります。

「技術は必要条件だが、十分条件ではない。お客さんがスタッフを指名するのは技術だけでなく、そのスタッフのことを『知っているか』『信頼できるか』で決まる。知られていないスタッフは、どれだけ上手くても選ばれない。」

ハワードジョイマン(繁盛店研究所 代表取締役/中小企業診断士)

オーナー指名に偏る「本当の原因」を分解する

僕がコンサルティングで使っている「顧客購買行動7段階モデル」という考え方があります。お客さんは「知る→興味を持つ→来店する→入店する→注文する→会計する→再来店する」という7つの段階を経てリピートしてくれるという見方です。

スタッフ指名が増えない問題を、この7段階で見てみると面白いことが見えてきます。

チェックポイント1:お客さんはそのスタッフのことを「知っている」か

お客さんが来店したとき、スタッフの顔と名前と得意なことを知っているでしょうか。オーナーは長年の接客で自然と認知されていますが、新しいスタッフの存在はお客さんに伝わっていないことがほとんどです。

✅ ポイント:店内のスタッフ紹介ボードやInstagramで、スタッフのキャラクターと得意なスタイルを定期的に発信する。「紹介」ではなく「物語」として伝えると記憶に残りやすい。

チェックポイント2:スタッフに「担当できる仕事」が明確になっているか

「新人だから補助だけ」「まだ一人では無理」という状態が続くと、お客さん側も「このスタッフには任せられない」という印象を持ち続けます。たとえシャンプーやカラーの補助しかさせていなくても、お客さんからはその仕事ぶりを見られています。

✅ ポイント:スタッフが担当できるメニューを明示し、そのメニューを自信を持って勧める仕組みを作る。「〇〇のカラーなら△△が担当します」という形で役割を見えやすくする。

チェックポイント3:再来店のときにスタッフを「選ぶ理由」があるか

一度施術を受けても、次回予約の時に「誰に任せようか」と考えるお客さんは多い。そのとき、スタッフを選ぶ「理由」がなければ、安心感のあるオーナー指名に戻ってしまいます。

✅ ポイント:施術後に「次回はぜひ△△が担当させてください。こういうご提案をしたいと思っています」という一言を添えるだけで、次の指名につながる確率が変わる。

✓ ここまでのポイント

  • オーナー指名が偏る原因は「技術不足」ではなく「スタッフが知られていない・選ばれる仕組みがない」ことがほとんど
  • お客さんの購買行動を7段階で分解すると、どこでスタッフ指名が起きていないかが見えてくる
  • 「技術を磨けば自然に指名が入る」という思い込みが、改善を遅らせている

Aさんの美容室で実際に起きた変化

話をAさんに戻しましょう。

僕がまず提案したのは、難しいことではありませんでした。「スタッフ一人ひとりの得意なスタイルとキャラクターをInstagramで週1回発信する」「次回予約の案内をスタッフ自身がお客さんに直接声がけする」という2つだけです。

Aさんの最初の反応は「それだけで変わりますかね?」でした。でも3ヶ月後、スタッフへの指名数は導入前の約1.7倍になっていました。もちろん一朝一夕ではなく、Instagramの投稿を積み重ねて「あのスタッフ、なんか面白そう」「前回ちょっと話したスタッフに今度やってもらおうか」という気持ちが徐々に醸成された結果です。

これは「ザイアンス効果」と呼ばれる心理学的な現象で、接触頻度が高い相手ほど好意を持ちやすくなるというものです。SNSは、来店しなくてもお客さんとの接触頻度を増やせる最もコスト効率のいい方法の一つです。

「奈良県のうどん店では、麺の幅を少し広くしただけでSNSがバズり、注文が1.5倍になった事例があります。美容室でも同じで、『すでにある素材の見せ方を変える』だけで、お客さんの反応は大きく変わることが多い。特別なことをゼロから作る必要はないんです。」

ハワードジョイマン(繁盛店研究所 代表取締役)

「最初は本当に半信半疑でしたが、スタッフのInstagram投稿を始めてから『あの子に担当してもらいたい』という声が少しずつ出てくるようになりました。今ではオーナー指名に偏っていたのが嘘みたいです。スタッフ自身も自信がついてきたようで、モチベーションが全然変わりました。」

関西地方・美容室オーナー(40代)

「選ばれるスタッフ」を育てる3つのステップ

Aさんの事例をもとに、スタッフ指名を増やすための実践的な流れをまとめます。

スタッフ指名 STEP 1

スタッフの「得意」と「キャラクター」を言語化する

スタッフ自身は自分の強みに気づいていないことが多いです。オーナーが「あなたはこういうスタイルが得意で、お客さんからこういう評価をもらっているよ」と伝え、強みを言葉にする機会を作ります。その言葉をInstagramやお店のプロフィールボードで発信します。

⚠️ よくある失敗:スタッフに「自分でSNSをやってください」と丸投げしてしまう。最初はオーナーが一緒に投稿内容を考え、発信を習慣化するまでサポートするのが大切です。

スタッフ指名 STEP 2

施術後に「次回の指名」を自然に促す声がけを設計する

「また何かあればいつでも来てください」で終わるのではなく、「次回は△△がこういうご提案をしたいと思っています、ぜひ指名してみてください」という一言を添えます。この声がけは台本として作り、全スタッフが同じように言えるよう練習します。

⚠️ よくある失敗:恥ずかしがって言えないスタッフが多い。ロールプレイで練習する機会を作るだけでずいぶん変わります。声がけは押し売りではなく「次回もあなたのお役に立ちたい」という意思表示です。

スタッフ指名 STEP 3

スタッフが担当できる「名物メニュー」を1つ作る

「〇〇のヘッドスパなら△△スタッフ」「ナチュラルカラーなら△△スタッフ」というように、スタッフと紐づいた得意メニューを1つ設計します。お客さんがスタッフを指名する「理由」が生まれることで、次回予約が自然に入りやすくなります。

⚠️ よくある失敗:全メニューを均等に担当させようとしてしまう。最初から全部やらせるより、一つのことで「あの人といえばこれ」という印象を作るほうが指名につながりやすいです。

❌ よくあるパターン(指名が増えない店)

  • スタッフの存在がお客さんに伝わっていない
  • 次回指名への声がけをしていない
  • 「技術が上がれば自然に指名が入る」と待ち続けている

✅ 推奨アプローチ(指名が増える店)

  • SNSでスタッフのキャラクターと得意メニューを定期発信し「知ってもらう」状態を作る
  • 施術後に次回指名を自然に促す声がけを習慣化する
  • スタッフ1人につき「これといえばこの人」という名物メニューを設計する

まとめ:指名が増えると、スタッフも店も変わる

オーナー指名に偏る問題は、技術の差ではなく「仕組みの差」から生まれています。スタッフが指名される機会を意図的に設計してあげることで、スタッフ自身もやりがいを感じ、辞めにくくなります。結果として、オーナーは本来やるべき「店を育てる仕事」に時間を使えるようになっていく。

Aさんのように「どこから手をつければいいか分からない」と感じているオーナーに、まず伝えたいのはこれです。「難しいことを一気にやろうとしない。週1回のInstagram投稿と、施術後の一言声がけ、この2つから始めてください。」それだけで、3ヶ月後の景色はかなり変わります。

今回の記事でご紹介した「顧客購買行動7段階モデル」や「スタッフ指名を増やす設計」の考え方は、僕が20年以上にわたり全国の飲食店・美容室・小売店経営者を支援してきた中で磨いてきたメソッドの一部です。

もっと体系的に「お客さんが自然に動く仕組み」を学びたい方は、まず下記の教材からご覧ください。値引きやクーポンに頼らず、お客さんに選ばれ続ける店の作り方を具体的にまとめています。

顧客の購買行動を軸とした 販促改善の教科書

また、毎月全国の美容室・飲食店オーナーたちと実践を共有し合う場として「増益繁盛クラブ」を運営しています。「指名が増えた」「スタッフが辞めなくなった」「自分が現場から抜けられるようになった」という声が続いています。ご自身のお店の状況を踏まえた上で、仲間と一緒に実践したい方はぜひ一度ご覧ください。

https://site.haward-joyman.com/p/SmE5iNyh4YMz

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  • この記事を書いた人

ハワードジョイマン

利益倍増アドバイザー 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 代表取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 取締役 ・繁盛店グループ総代表 ・株式会社トクスル 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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